2017/3/2 ACL_GL#2ガンバ大阪vs済州「不入りに拍車をかける惨状」

J1開幕戦から中2日とはいえ、ホームで連戦できるというアドバンテージ。しかも相手の済州は甲府と同じく5バック。

ただ、鋭いカウンターで昨年はKリーグで70得点らしい。それに恐れをなしたか、ミラーを意識したか、ガンバも5バックの布陣。3バックであればオジェソクでなくても良いし、なんだろうなあ・・・。

慣れないシステムにオロオロしながら、ピッチで修正できるだけの習得はしておらず、ボールを前につなぐどころか、とにかくやられっぱなしのあげく、凡ミスで与えたFKを遠藤の頭で流し込むオウンゴール。そして、ゆっくりキープして前半終われば良いのに、それもできず突っかけていって失ってカウンターからあっという間の2失点。

甲府戦で足首を負傷した井手口を下げるも、後半も5バックはおろか3センターも変えず、これはこの試合捨ててでもOJTでものにする気だな、と悟る。それでも長沢の頑張りで少し相手陣内でプレーできるようになったかな、のところから、早いカウンターをくらい、CK献上してショートからの失点、最後は東口がぽっかり空けたゴールにロングシュートを決められて失点。練習試合のように習熟重視のつもりかもしれないけど、試合で気持ちが切れた状態では、どれだけプレー時間積んでも経験にはならない。ミスをして以降糸の切れた凧のようにさまよっていた藤春と、利敵し続ける遠藤を下げてから、やっとまともになったけども、そこで初めて済州の守備はかなり堅くてそこからのカウンターのメニューが豊富だったんだね、ということを学習しました。拮抗した展開なら絶対もらえないPKを記念にもらって試合終了。ホームで1-4敗戦。

なによりも心配なのは8,211人しか入らなかったお客さん。J1開幕戦の21,284人も衝撃だけども、やはり明るい話題が少ないことは致命的。サッカーでも行ってみようかねのパイは小さいし、それが近隣に持って行かれることも考える必要がある。昨年のACLホーム初戦は14,000人以上入っているので実にその58%しか集客できていない。

新スタバブルはそのうち弾けるだろうとは思っていたけど、ちょっと早いし大きいですね。基本的にはこのくらいの減り方を想定して運営していかないといけないというのも辛い。ホーム3試合開催で、現在平均入場者数は12,548人。これも昨季の54%しか入っていない。この2試合のようなサッカーをしていては、さらに人は減るのではないでしょうか。

東口:謎のボールロストを乗り切ったと思ったら、直後にゴールマウスをぽっかり空けて失点。特に有効なフィードができてたわけでもないのに、失点が増えて感情的になる悪癖。途中までは良いプレーもあったのだが、いろいろ切れてよいポジションではない。もう少し

オジェソク:5バック念頭のポジショニングは単に窮屈になっただけで、ポジションを限定された分だけ余計に前のスペースを使われる羽目になった。苦労しながらも右サイドは精一杯食い止めた印象。できました

三浦:ファビオとのコンビもまだ発展途上だというのに、アジア相手に急造3バックまでやらされては、良さは出せない。ボールに引っ張られる悪癖は少なかったし、局面では奮闘したが、間を通されるのはおろか、股下まで狙われて少々メンタルに来たかも。糧にしてください。フィードを送る相手もいなかった。もう少し

金:どうやってチャンスをつかむかと思ったら、ストッパーで出場機会。へこたれなさは最後まで感じたけど、できたら波及させて欲しいな、と。できました

ファビオ:起点を作られ続けた。ボールがらみでの凡ミスはないけど、ボールは跳ね返せても劣勢の方はいかんともしがたい。いつもよりも近い藤春との距離感に戸惑いも。もう少し

藤春:余計なファウルを失点につなげたあたりから、活力を失った。早々に交代もやむなし。あの布陣では思い切って前に運んでもいいことはないし、どうするつもりだったのか監督に問うべき。もう少し

井手口:J開幕戦で痛めた足の状態の悪さは、すぐに伝わってきた。正しく自分の状況を伝えられないようでは、信頼は得られない。プロはチームのための準備が重要。もう少し

遠藤:「いまいちだなー」というのはあっても、ここまであからさまなミスを連発するのは珍しい。動けなくても相手を引きつけられるなんて、絶好のギャップなのに。4失点目につながったロストが象徴的だったけど、なんでそこまでプレーさせたのかといえば、そもそも井手口の起用の犠牲か。中2日はさすがに酷で、4連戦どうやって乗り切るつもりなんだろうか。もう少し

今野:おそらくベンチからの狙いの指示はあって、でも実際はまったく違ったのでしょう。狭いエリアで渋滞して機能不全となった守備ラインから、動かない遠藤井手口のお守り、走れない倉田の分まで前線へのリンク、とマルチタスクをこなした。よくできました

倉田:甲府戦は劣勢でもお休みをもらって、ここが重要な役割だったわけだけど、トップとしてはもちろん、リンクマンとしての仕事もできず、ただ寄せられて失うの繰り返し「フィジカルに問題があったのではないかというレベル」と試合後に嘲笑われたのは主に倉田のことだよ。後半開始からは井手口に代わってインサイドハーフに。泉澤が入ってきてやっと形が作れたけど、パッシブな10番では困る。もう少し

アデミウソン:遠藤も倉田も活きていない状況では、ドリブルにも対応は容易。チャレンジは最後までしてくれたし、PKはせめてもの意地。ゼロよりはずっといい。できました

長沢:後半アタマから故障気味の井手口に代わって入ったけど、こちらも状態は万全ではない。どうにもならない状況から、ボールの収まりどころは増えたので、ちょっとは期待できた。追い込みかけるほどの展開ではなかったので、守備意識は活かせず。できました

初瀬:元気のなくなった藤春に代わって、インサイドハーフの外のレーンにチャレンジ。なかなか自由にはさせてくれなかったけど遠目からクロスとか、周りで回すような展開でもなかったので、元気がよかった。遠藤が泉澤に代わって一気に支配力が増したけど、時すでに遅し。よくできました

泉澤:少ない時間ながら、ピッチに調律をもたらした。まともな指揮官ならば、システムではなく選手を回りに馴化させるプレータイムを確保してくれると思いたいですが・・・。よくできました

2017/2/26 J1#1 ガンバ大阪vs甲府「窒息寸前で水面へ」

吹田スタジアムにて観戦。連戦を同じメンバーで4-3-3で挑む。

甲府の5バック2ボランチで、ボールの出所を絡め取られて、粘っこく時間を使われた。連戦の疲労も今季初戦の甲府には織り込み済み。サイドに追い込みをかけにくい布陣で、外のコースでカウンターを狙われると、ディレイさせるすべがない。だとしたらセンターでしっかり守るしかないんだけども、新コンビのギャップを刺された。

猛攻というほど攻める時間はなかったけど、丁寧に守っていた甲府からやっとセットプレーが奪えるようになってきた最終盤、遠藤のFKを今野が決めて同点。現地ではATに入っていたことも気がついてなかったけども、ほどなく試合終了。

4連戦のうちの一試合をシステムの成熟に充てたチームが、用意周到に対策を練ってきたチームに狙い通りの試合をされたにも関わらず、勝点1を拾ったことを、ポジティブに捉えるのが妥当。

東口:危険なシーンはあまりなかったが、素晴らしいミドルを決められた。あの距離に弱い気もしているが、まあ責められない。早いフィードなどはかなり有効で敵もサポーターも間に合ってなかった。できました

オジェソク:積極的にあがるようになったのが今年の良いところ。ただ、失点シーンではそれがあだになった。今年はあそこを前で時間稼いでくれないから、SBが直に曝されるんだな、と理解できた。できました

三浦:観客をどよめかせるフィード、だけではなくて細かいつなぎも安心できた。ただ、CBの間を通されるとか、裏を狙われるとか、守備では修正が必要な場面も。若いのでそこはポジティブに。よくできました

ファビオ:一対一では負けてなかったと思うけど、失点シーンのようにボールに釣られる癖がある感じかな。もう少し

藤春:走行距離12.2km、24回のスプリントと、チームを引っ張った。アンカーシステムでは、SBが絞り、開き、チャンスメイクまで顔を出さないといけない。今年はおんぶに抱っこの試合が増えそう。よくできました

井手口:自重なのかポジションを気にしすぎなのか、顔見せ以上の上がりが見られなかった。状態が悪いのであれば起用するべきじゃないと思うけど。もう少し

遠藤:セットプレーで同点弾を演出したとはいえ、試合を通してボールを失いすぎた。相手に密着されたこともあるけど、そこで生じる数的なギャップを使えず。できました

今野:起死回生の同点ゴール。井手口に代わって攻撃参加も。よくできました

倉田:走りまくってリンクするだけの10番という辛いミッションに早くも黄信号か。交代もやむなし。フィジカルがあがってくるまで辛抱するしかない。もう少し

長沢:状態は思ったより深刻なのでしょうか。ファーストディフェンスで遅れることが、甲府の思惑にはまる要因となった。それがFW起用の選手の目的となってしまっていること自体は長沢のせいではない。できました

アデミウソン:いらだちや自己満足的なプレーも、一瞬で雰囲気を変えるだけのポテンシャルがあるから許容できる。どこからでもゴールを見据えているプレーには、今年も期待できそう。できました

堂安:倉田に代わってそのままトップ下に。あくまでも「この日の倉田よりは」期待が持てた。しかし甲府相手に違いを生み出せないようなら、出番は増えない。もう少し

泉澤:スリップ!ドリブルでエリア角から侵入するプレーには希望を持てたのに、残念。しかし去年と違って他の選手が滑っていなかったので、やはり道具の選択の問題なのだろうか。できました

初瀬:ほぼSH的に上がりっぱなしの状況だったけども、ポジション的に押し込むと言うよりも、全体的に下がってしまった甲府守備陣の前で手をこまねくだけにとどまった。後ろから作りながら前を伺うような時間は当面与えられないだろうから、この形でチャンスをつかむしか。もう少し

ガンバ大阪2017シーズン展望(2)

前編を踏まえて2017シーズンを展望したいと思います(前置きが長い)。

W杯最終予選による中断が何回かありますので、それを挟む6フェーズに分けて考えたいと思います。

昨季、なぜか滑り込んだリーグ戦年間勝点4位と、鹿島・川崎の両チームのおかげで手にしたACLプレーオフは、キャンプの日程やメニューに難しさを加えました。短期的に心配したような怪我人についてはGKに続出しましたが(これはコーチの問題かと)、まあ最小限で抑えられたかと思います。長期的に体力的な面等で影響が出るかどうかはわかりません。まあ出るでしょうね。シーズンをフルで戦える体力という点で、平均年齢が低いことも割引材料になります。

ただ、実戦感覚という点でACLプレーオフをポジティブにとらえると、例年スロースタートなスタイルに、少し変化があるといいな、と思います。先日のACLグループステージの初戦で、比較的スッキリと勝ちきることができたのは、相手の状態が良くなかったこともありますが、それでも昨年はボコボコだったことを考えると、試行錯誤しながらという昨年の状況よりは少し進んだ形でシーズンインできるのではないでしょうか。

昨季限りでガンバを去った選手の昨年の出場時間は、多い順に阿部(2361分)、大森(2001分)、宇佐美(1954分)、パトリック(1650分)、岩下(1038分)などが主なところです(下図参照)。昨季のガンバの総プレー時間は4600分に及んでいますので、この中で最も多い阿部でも51%です。今シーズン採用されると考えられている4-3-3のアンカーシステムでは、阿部や大森の出場機会が激減することは目に見えていましたので、移籍したことを過剰にネガティブに捉えるより、新加入の泉澤、井出、あるいは藤本(昨季1011分)、堂安(昨季151分)をどのように柔軟に起用するか、を考えた方がよさそうです。SH的に起用する場合には井手口と交代するのか、倉田のポジションを下げるのか、遠藤を替えてボックスにするのか、ワントップにするのか。もちろんアンカーシステムに市丸がからんでくるとか、そういうことも期待したいですけど、序列としては今季はトップの出場をわずかでも勝ち取ることが第一目標でしょうか。誰かが離脱するような状況ではすぐにダブルボランチに戻すというのが、現実的で確実なオプションでしょうか。

最初の中断期間(3/19:4節)までには、アウェイの柏、大型補強のFC東京、昨年勝点74を積み上げた浦和、と厳しい相手が続きます。それに開幕戦はここ数年ずっと苦しんでいます。救いはその間のACLが続けてホーム開催、というくらいです。最初のフェーズ1でで4連敗だけは避けたい、せめて勝点2、欲を言えば4を積み上げたいところです。

5節(4/1)から次の中断(6/4:14節)までには、ACLの関係でホーム金曜開催が2回あります。昨年の金曜開催は2勝1敗とまずまずでしたが、お客さんが少ないことは否めません。GLもあって日程がタイトなこの期間にACLが3試合あり、さらに、仮にグループ突破できれば、ラウンド16の試合がH&A(5/24,5/31)で組み込まれます。ACLに力を注げばリーグ戦での多少の低空飛行はやむを得ない(と私は考えます)ですが、このフェーズ2でも勝点15は確保したいです(ここまで勝点17-19)。

15節(6/17)から18節(7/8)までの間はホームは1試合です。またレギュレーションの変わった天皇杯がここに入る予定です。神戸、仙台のアウェイは苦手にしており、高望みはできないですが、勝点6はなんとかお願いしたいですね(ここまで勝点23-25)。

このあとの中断期間に、遠藤アンカーシステムが成熟できるか、あるいはあきらめるか、いずれにしてもしっかりとした準備をすることが必要です。

それができれば、19節(7/29)から24節(8/26)までのフェーズ4は、ガンバの得意な夏シーズン。ACLの準々決勝が8/22に入ることを心配できれば良いのですが、大阪ダービー、最近勝てていない苦手の柏、同じく苦手のアウェイ鳥栖、あたりを突破して勝点13-14積み上げたいです。(ここまで勝点30-33)。

25節(9/9)から31節(10/29)はおよそ2ヶ月の間に7試合のみですが、ルヴァン杯の準々決勝が2試合、勝ち進めばさらに準決勝でもう2試合が追加されます。決勝の日時は未定です。加えて天皇杯のラウンド16と準々決勝もこの期間です。また、ACLで勝ち進んでいれば準々決勝のもう1試合、それに準決勝の2試合もこの期間です。すべて勝ち進んだとしても、トップメンバーでこなすのは不可能ですし、やめていただきたいところです。リーグ戦ではホーム4試合、アウェイは熊谷、カシマ、さいスタという関東3場所があります。勝点12、もしACL敗退しているようなら勝点15をお願いしたいところです(ここまで勝点42-48)。

最後のフェーズ6が32節(11/18)から34節(12/2)の3試合です。たいていシーズンのフィニッシュはきれいに決めるガンバですが、長年の懸案事項(鬼門とは呼ばない)の味スタが最終節、その他、なぜか激戦になる等々力、そして降格の瀬戸際にいるんじゃないかと予想される札幌とここであたります。11/18と11/25のACL決勝の心配をしてみたいものですが、現実的にはルヴァン杯の結果がどうだったかによってモチベーションが変わっている状況でしょう。三冠をとった2014もリーグ杯をとったことでブーストがかかりました。この3試合が勝点4で終わってしまうとおそらく4位以下~中位になるでしょう。勝点6とれると、3位をキープできる可能性が広がります(ここまで勝ち点46-54)。

割と悲観的に展望しておいて、それより結果がよければ喜ぶ、という方が精神衛生上よろしいので毎年そうしていますが、17チーム制になった2005年以降で最も勝点が少なかったのが(降格イヤーを除くと)2008年の勝点50です。つまりACL優勝の代償としてはこの予想値(46-54)くらいまでが許容できるのかな、と思います。コンディションや編成が悪い方に進めば-20%(勝点36-43)、逆に良い方に進めば+20%(勝点55-64)くらいの幅は持つと思います。悪い方は、コアとなる選手の長期離脱、あるいは緊急移籍、それに若手の疲労によるパフォーマンスの低下は特にフェーズ4以降心配です。そのためにも遠藤選手のコンディション維持(のためのプレー時間制限)は序盤から積極的に取り組んでもらいたいと思います。逆に良い方は、噂されているようなFW補強の成功、シーズン佳境でのパトリックの大復帰、などでしょうか。それでプラス20%は無理か・・・。

クラブは生き物。開幕時のままでずっと進むわけではないですし、場合によっては残留争いから優勝争いまで参加しかねないようなベースである覚悟を持って、シーズンインしたいと思います。

ガンバ大阪2017シーズン展望(1)

まずはじめに2016シーズンの総括から。

ガンバ大阪の長期的なミッションとして考えられるポイント毎に整理しながら総括したいと思います。

運営面ではまず(1)新スタジアムの稼働。

吹田市立サッカースタジアムが完成し、指定管理者としての業務が始まりました。これははじめての経験でもあり、運営を軌道に乗せるまでには慎重な舵取りが求められます。

2016年は主催試合38試合で56万6107人のお客さんに来ていただけたほか、代表戦、クラブワールドカップ天皇杯決勝を開催しました。「新スタバブル」がはじけるであろう今シーズン移行に向けて、安定状態に軟着陸していくことを考えなくてはいけませんが、初年度としては十分な成果を得られたのではないかと思います。

ついで(2)セカンドチームの運営。

ガンバ大阪U23を組織し、J3リーグに参戦しました。これは、アカデミーに優秀な人材が育つ土壌があり、かつトップチームとの選手とのレベル差が大きいガンバ大阪にとって、ローン移籍以外の選択肢を有するという点でポジティブな判断だったと思います。とはいえ初年度はU23の選手層自体が薄く、いわゆるオーバーエイジの選手がほぼ専業のような形でU23に参加していたことについては、ある種の批判を受けました。たとえば小椋や二川などをそのような立場に置いてしまったのは、マネジメント的には褒められたことではありません。ですが、スポーツ面で言えば、彼らが競争力を失ってしまった(という評価を下された)ことは事実ですし、そこには競争に勝ってトップでプレーした選手の存在があります。感情面での想いはありますが、彼らのような一流のプロに同情はむしろ失礼でしょう。

それよりも、多くの若手選手にとって、ステップアップリーグとは違う緊張感、あるいは体格差なども感じながらプレーの場を得られたことは、大きかったと思います。2017シーズンからは、U23をトップの調整の場としては活用しないという方針のようです。選手も増えましたし、昨年以上に安定して運営が期待できるのではないかと思います。今年は吹田Sでの開催が増えるというのも、プラスに考えたいと思います。

スポーツ面では(3)遠藤選手への依存度の削減。

これについては、非常に重要なテーマではありますが、セカンドチームでの問題と同様、競争によって決められるべきものです。とはいえ、昨季で36歳、今季は37歳にもなる遠藤さんですので、怪我や疲労に対する回復度や、90分でのパフォーマンスを考えても、プレー時間は限定されるべきでしょうし、持続可能なプレースタイルを模索していく必要があります。とはいえ、それは意図的で劇的な変化ではなく、緩やかな移行であるべきで、長谷川監督にはこのミッションを仕上げてから退任していただきたい、と個人的には考えています。

遠藤選手が100%の状態であれば、試合開始の時点で彼を上回る能力を発揮できる選手はまだまだ少ないかもしれませんが、たとえば75分になれば彼よりもピッチで求められる仕事ができる選手は増えると思います。

トップチームが参加した4コンペティションのプレー時間を比較した下図を見ると、遠藤選手の出場時間は依然としてトップですが、総プレー時間4600分の90%を切るところまでプレー時間は減少しています。長期の離脱がなかったこともあり、総プレー時間は多くなっていますが、出場試合あたりのプレー時間はフィールドプレーヤーで5番目というところまで下がってきています。つまり、昨季も遠藤選手への依存度は緩やかに減らすことはできたし、おそらく2017シーズンもその気配でいくでしょう。

(4)生え抜き指導者層の育成

2016シーズンは宮本さんがユースの監督に、實好さんがU23の監督にそれぞれ就任しました。また、強化部などのスタッフとして多くのOBが入社しました。上述のようにいくつものプロジェクトが誕生し、シンプルに社員さんの数が必要な状況でもありましたが、ここから多くの方が指導者を目指していって欲しいと考えています。今季からは宮本さんがU23監督に、山口智さんがヘッドコーチに就任しましたが、今後も一人でも多くのOB(現スタッフに限らず)がS級を取得できるようサポートしていって欲しいと思います。

こうした中で2016シーズンは年間勝点58(1st:24、2nd:34)の4位でした。もちろん満足な結果ではないけれども、長期的なガンバ大阪のミッションを達成する上で、予算・時間および人的なリソースがある程度割かれたことを考慮すれば、ある程度許容しなければいけない成績だったかと思います。

短期的、というか特に昨シーズンの問題として特に強調しなくてはいけないのは、(5)開幕当初のホームでの勝率の悪さです。

素晴らしいスタジアムで、お客さんもたくさん入るようになりましたが、皮肉にも万博記念競技場時代のようなホームアドバンテージを得るには時間がかかりました。気分的に慣れるまでは、相手チームにとってもガンバにとってもフレッシュで、テンションも上がり、なんとなくイーブンな状態だったようにも思えます。芝の養生のために長めにカットされていたことも、ガンバのスタイルとは合わなかったのかもしれませんが、考えなしに水をまいて、ガンバの選手ばかりがツルツル滑るのを見るのは閉口しました。

これはチーム状態の方も大きいのかもしれませんが、1stステージはホーム9試合で勝点11(平均1.2)にとどまったのに対して、2nsステージでは8試合で勝点17(平均2.1)を得ています。この差は大きいです。少しずつホームの利が結果に直結するようになってきたんだとしたら嬉しいことです。

また(6)いびつな選手編成、に監督が苦心したことが窺えます。

宇佐美選手の移籍が夏にずれ込んだことで、春には様々なオプションを試すこととなりました。サイドの運動量不足は改善せず、それをサポートする選手の負担が増え、それが戦術的な選択肢を狭める・・・という悪循環に陥ったことは否定できません。アデミウソンのフィット後の活躍を見るにつけ、彼のプレー時間を延ばせなかったことは残念でした。一方で、監督自らが望んで獲得した(と想像される)藤本選手のサイド起用は先発・交代出場いずれもなかなか機能していないようにみえましたが、ひたすらこだわり続けました。戦術理解とか指示の浸透とか選択の優先度が高まるにはいろいろ理由があるとは思いますが、シーズン終盤のように・・・・的な起用で持ち味を活かせるようになったのを見るにつけ、チャレンジに費やした時間が惜しまれます。

一方で、(7)井手口選手を我慢して起用しつづけたことで、チームの中心を担える選手へと成長してきたことは、長谷川監督の功績といえるでしょう。2015には危ない突貫小僧だったのが理性的な突貫小僧になりましたが、戦術をしっかり叩き込まれていないのは気がかりです。ボールに釣られてポジションをほっぽり出してしまう熱さと、ポジショニングばかり気にしてピッチに杭を打ってしまう時が両極端ではなく、うまく機を見ることができれば素晴らしいですし、それを活かせる新システムなのかな、という期待はしています。

長くなったので続きは後編で。

2015/5/2 J1#9 浦和「兵站の差は実力の差」

引き続き岩下を欠き、さらに前節の怪我でオジェソクも欠き、苦しいメンバー構成の中、小椋がSB起用。攻守に高度な特殊能力(尻ぬぐい力か)を試されるガンバのボランチに馴染むのは苦労していたが、SBでは単独で動いて良し、なんなら尻ぬぐいしてもらえる、というところでかなり割り切った守備ブロックの形成でもって、相手の元気な宇賀神選手(前節休んでた)を抑え込む。右が基本下がりっぱなしなので左も無茶して上げられず、全体の守備が下がる中、浦和にはいつも以上にポゼッションされた(保持率59%)けど、最後の仕事まではほとんどさせず(枠内シュート3本)時間を使うことができた。ただし2014シーズンに苦杯をなめたガンバのカウンターを警戒して、浦和も攻撃参加への圧力はバランスをみながらだった。最終版になってリスク承知で人数をかけてきて、その圧力に耐えかねてズラタンのゴールを許したのは、さもありなん、というところもある。サイドを替えながら守備のスライドのギャップをつかれる、昔ながらのガンバの弱点なんだけど、ずっと対応してきた中で最後に相手の人数が増えてきて耐えきれなかった。まあ90分の強度設計はまだないということ。

ACLとリーグの過密連戦の中で、GW真ん中にこのカードがあったことは、はじめからわかっていたことで、そこに充分な選手を揃えられなかったことは実力のなさですな。

浦和さんにとっては、営業的にも大事な連休の対戦相手としてふさわしい集客力(53,148人)を見せることができたと思います。近年まれに見る客席の埋まり方でしたし、最後の盛り上がりの迫力は、悔しさを増幅させられました。

東口:かっさらいゴールの件で槙野といちゃついてた。クロスも含めて守備全体でシュートを打たせない良い対応を見せた。失点シーンは責められない。できました

小椋:宇賀神が時折見せる気を抜いたプレーにつけ込んで何度か前へも持ち上がったが、概ね守備専。ボールダッシュ力は高いし、浦和・城南・広島と続く似たような相手には何とか対応できそうな手応え。よくできました

丹羽:下げると下がるは違う、ということを一人理解していたようでした。できました

金:前節に続いて堅固な守備の主軸として90分がんばった。よくできました

藤春:まあ痛恨のミスがなければ、という状況になってしまったけど、あれがなくても最後は誰かのミスで決壊したのかなという気もする。だからといって結果が変わるものでもないけど。もう少し

今野:守備という面だけ見たら小椋とのコンビはやりやすそうだった。でも点が取れなくて悔しいのは今野なんだよね・・・。できました

遠藤:浦和戦無双時代のヤットさんならあのFKが入ってたんだけど、まあでもちょっと興奮しました。しかし浦和は守っても良いチームになったもんですね。疲れは否めず。もう少し

大森:連戦の中、次節ACLが出場停止という状況も踏まえて阿部ちゃんを休ませて大森という選択肢だったはずなのに、消えていた。自己判断で出場停止気分だったのか。挙げ句その阿部ちゃんを出場させる羽目に。もう少し

倉田:カウンターでどうにかできそうな唯一のポイントだったけど、打開できなかった。中を見る必要はほとんどなかったのでは・・・。もう少し

宇佐美:リンスとのコンビネーションは決めたかったですね。年に何回かある、宇佐美でもそれ外すか~、を発しました。もう少し

パトリック:槙野に完全に抑え込まれた。だいぶ研究されてるしさほどケアするポイントがないような今日の展開では早々の交代もやむを得ないかな。もう少し

赤嶺:この交代手が、敗戦の最大原因かもなあ。失点まではともかく、ビハインドになってから、動きが単純すぎた。もう少し

阿部:頼りない大森に代わって交代出場。休めるはずだったのにね・・・。何もできず。もう少し

リンス:入ってすぐ決定機を演出するんだから、やっぱりもう少しプレー時間をあげたかった。できました

2015/4/29 J1#8 松本「ひたすらの疲労」

ゴールデンウィークに突入し、7連戦の中でも特に過酷な中2日での試合。次も中2日で浦和戦、そしてその後に大一番のACLを控えていることを考えると、やりくりが重要になってくる。岩下、オジェソクが負傷離脱と言うこともあって前節からスタメン5人変更。井手口の先発起用も、力関係から言ってもこのくらいは妥当か。

試合は前半から押し込んで早々に宇佐美の守備から、パトリックが縦に押し込んだ挙げ句どえらい戻しを宇佐美が決めて先制すると、あとはゆっくりさせてよ、のリラックスモードに。

後半、例によってパタリと脚が止まってからは松本のボール保持時間が長くなるが、ガッチリと守備ブロックを形成して攻めあぐねさせ、前では運動量が下がってクロスも上げられない状況になったなか、宇佐美がワイドに開いてボールを落ち着かせて中をうかがいチャンスの起点となった。

1-0のまま試合を黙らせて終了。

東口:危険なハイボールを好セーブしたのと、ミドルを前にこぼしたので相殺ですかね。ボールを持たせて守備の外側からしか蹴り込めない相手にしてはハラハラさせられた。できました

米倉:前半はバランス保って引き気味の守備に終始、後半は中盤と連携してサイドの弱さを狙ってチャンスを演出したが、決定機に走り込んだプレーで負傷交代。相手の対応が遅く、ボールには先に追いついていたのにカードまででる不運。よくできました

丹羽:人もボールも入れさせないことを念頭に固いディフェンスで90分粘った。よくできました

金:岩下いらんがな、と言うぐらい安定していた。体のぶつけ合いに負けないだけでなく、集中力をきらなかったのもいい。丹羽ちゃんとちょうど良い関係なのかも。よくできました

藤春:これだけターンオーバーしても、藤春はフル出場。だけど冴えないのは明らかで、前で顔を出すこともほとんどなく、省エネで守備専。相手のサイド攻撃に狙われなかったからいいようなもの。次節も中央偏重に期待するしかなさそうだけど、米倉も負傷で両サイド下がりっぱなしはさすがにまずいぞ。もう少し

遠藤:ボランチにひたすらプレスをかける相手守備の決めごとをいなしながらのプレーだったが、それとはこの日も関係なくミスが多かった。らしくないスプリントを攻守に見せて疲弊したチームメイトを鼓舞した。できました

井手口:攻撃のアイデアや思い切りが通用するのはすでに披露済みで、あとは守備面だったけど、相手が突進するだけのプレスで連動性に欠けたために決定的なミスをするには至らなかった。押し込まれる前に今野に代わって化けの皮をはがされずにすんだが、今のうちにボール奪ってからの攻撃タクトの振り方とバランサー能力の向上を求めたい。できました

阿部:頭で合わせたのが決まれば珍しいヘディングでのゴールになったんだけど。しかしいろんな守備のほころびを助けに行き、宇佐美が開けば中を埋めに行き、シュートもする、大車輪の活躍でした。よくできました

大森:井手口は俺が守る、的なハイペースでの入りで、何度もチャンスを演出。しかし井手口が交代する頃にはだいぶ動けなくなってた。決定機で余裕のシュートを外してしまったが、あれ決めてたら楽だったな・・。しかし何よりの収穫は最後までピッチに立って倉田を完全休養させられたこと。よくできました

宇佐美:ゴールはパトリックも打てないところまで運ぶし、守備は大量に戻ってるし、無理矢理の戻しだな・・・と観念したシーンを易々とゴールにしてしまうんだからまいりました。サイドに開いたのは良い案でした。パトリックが意図をわかってたかどうかは不明だけど、少なくとも阿部ちゃんは理解してた。よくできました

パトリック:アシストへにつながった突進は宇佐美に助けられたようなもの、それより決めなアカン所どっちかはキッチリいって欲しかったな。相手を背負って井手口に渡したボールを吹かしちゃったシーンで珍しく不満そうな態度だった。若手には厳しいのか!?できました

今野:雲行きが怪しくなってきたところで井手口と交代で出場。そこからサンドバッグ状態になったのは、交代手がはまったというべきか、守備的になりすぎたせいか。しかし短時間で潰しに専念させると強力ですね。よくできました

リンス:しんどい時間帯に、粘っこくボールを運んでくれて、スペースと時間を使ってくれてこちらのメンタル的には本当に助かった。カウンターでゴール、という昨年のような必勝パターンがまだ生まれないのは気がかりだが。よくできました

小椋:米倉負傷で急きょSBで投入。サイドを塞いでくれた。出場機会が減る中、ベンチに置きたくなる気持ちがよく分かるプレーだった。よくできました

2015/4/26 J1#7 ガンバ大阪vs新潟「風上でスローテンポにつきあってくれたのは新潟さんの優しさか・・・」

ACLJ1リーグ戦とあわせて4試合連続でアウェイが続き、久々のホーム戦。中国アウェイからの中3日というコンディションを、6連勝という結果で相殺できるか。

コンデイションの差を意識してか、新潟は対人に早く強く寄せてきて、ガンバに容易に思うようにボールを回させない。 

パスミスも、疲労から来るものか試合に入り切れていないのか。ただ新潟も、そこから攻撃につなげるというよりは、マンツーマンで寄せてボールを奪うことに目的意識を持ちすぎていて、奪ってからさてどうしましょう、というゆっくりとした展開。新潟からすれば、後半にガンバの脚が止まるのを見越して、早い時間帯に無理する必要はないという頭があったかもしれない。実際に圧倒される時間帯はあったし。ただガンバが風下でフワフワした時間帯に、失点を重ねることなく過ごせたのはよかった。

後半は、故障の影響もあったオジェソクに代えて米倉、機能しなかったリンスに代えてパトリックを投入。

早々に宇佐美がドリブルで突破して、相手がたまらず倒して得たFK。遠藤のFKは珍しく早いボール(もしかしたら無回転かも)だったが、すんなりとGKにキャッチされる。帰陣するガンバを追い越していく新潟の選手たち、GKがどこへ蹴り込もうかと足下へボールを転がした瞬間、背後にいた宇佐美がボールをかっさらって、無人のゴールに蹴り込んだ。これはいつか見た光景。思いがけず先制。遠藤がビックリしてたのがかわいらしかった。

しかし、その後は新潟の時間帯。早めに2枚替えしたこともあり、全体の運動量はそれほど落ちてないはずだが、判断が遅れるというか連携が合わないというか、メンタルの疲労がたまっている感じで、新潟の猛攻にさらされる。

山崎にブンブンに振り回されてDFがはがされたシュートは精度が悪かったものの、エリア内でボールを細かく繋ぎながら迫られると全くのお手上げ。レオシルバに決められて66分に同点にされる。

例によって相手の攻め疲れを待って、エンジンをかける展開。風上に立っていることを思い出して、早めにボールを入れて打開しようとする。お互いにバーに助けられるシーンもあり、オープンな殴り合いが続く。こぼれ球がフリーのレオシルバにこぼれたのは肝を冷やしたし、79分には鈴木武蔵の縦パスダイレクトシュートは東口の体がグンと伸びるビッグセーブ。昨年のホーム川崎戦での奇跡のセーブを彷彿とさせた。

ちょっとまた新潟のターンになりつつあるかな、というところで、左の深い位置から対角へとロングボールを蹴り込んだ倉田、受けたパトリックが胸で落として、反転シュートを一閃すると、ゴールの反対側に突き刺さる。鮮やかな勝ち越し弾。前への気持ちが勝っていた新潟にとって、守備の集中を欠いた一瞬だったともいえるし、パトリックの能力でねじ伏せたともいえる。

最後はまったく対応できなかった山崎を相手が下げてくれたこともあって、ようやく試合も落ち着いて2-1で試合終了。7連勝。

決定機の数からみても、新潟が押している時間帯が多かったことは明らかだし、複数失点しなかったのは幸運としか言いようがなかった。それでも一度もリードされなかった以上は、この省エネなスタイルで勝点3もぎ取っていくのが当面は現実的なところかな。

ガンバが風下だった前半に、体が重そうなガンバ相手にラッシュかけられてたら、もしかしたら試合はそこで決まっていたかもしれない。

うまいこと、ゴニャゴニャする寝技に持ち込んだことを褒めるべきか、相手の過剰なリスペクトか・・・。柳下さんに限ってそんなことはないか。

<採点>

東口:雨あられのように打たれたシュートを良く防いだ。失点シーンは複数のミスが重なったもので東口は最後までよく頑張った。個人的MOM。よくできました

オジェソク:1カ月ぶりの復帰は、好調の米倉とのターンオーバーを意識したものだったかもしれないが、完全に逆手になってしまった。中盤でのロストボールを懸命に追走してはくれた。できました

丹羽:岩下との交錯でピッチをでて治療、さらに頭をぶつけて治療、とボロボロになりながらピッチで気迫を見せた。失点シーンは簡単にヒールパスでかわされてるけどね。ああいうオシャレプレーに対応できないのは織り込み済み。できました

岩下:宇佐美がGKのボールを狙ってるのに気づいて、早く戻るよう促していたのが唯一のファインプレー。ただ自身のプレーでは、うまいビルドアップを意識しすぎてかミスが目立った。最終ラインからの組み立ては安全第一ですよ。あと、バーを叩いた山崎のシュートシーンでは東口の目の前でスッテンコロリと転がされてた。バーにお中元送っておくべき。もう少し

藤春:一番疲労していてもおかしくないのにアグレッシブなプレー。前半のシュートは相手を完全に置き去りにする素晴らしいものだった。相手の潰しも強さに、暑さも加わってかわしきれないシーンも散見。怪我には注意を。よくできました

今野:DFが新潟の猛攻に曝されてボロボロになっているなか、身を挺して失点を食い止めた。マンツーマンだと余裕が出ちゃうので、もてあまし気味になっちゃうね。よくできました

遠藤:レオシルバは巧かったですねえ。食いつかせて散らそうとしても出しどころがなかった。ならばポジション前にとるとかもうひと工夫ほしかった。もう少し

阿部:ポストを叩いたシュートが・・今年はアレが決まらない。阿部の2列目プレスが若干鈍る時間帯と、ガンバ劣勢の時間帯が重複するけれど、それは一人の責任じゃない。ただ本人は78分での交代も含めて、納得いってなさそう。よくできました

倉田:バーをがしんと叩いたシュートは不思議と入る気はしなかった。動きながらシュートを打つ倉田の良さが、疲労で失われているからかな。しかしパトリックに通したロングパスはお見事だった。あれしかなかったという逆転機に免じて。よくできました

宇佐美:おもしろいからやってみよう、というサッカー小僧魂を感じたけど、同時に、大前の様にただ無人のゴールに流し込むわけじゃなくて、こーづにズドンと叩き込んだあたりがインパクト大きかった。リンスももっとこき使ってみたら。できました

リンス:途中出場と先発では別人のようで違いは作れず。宇佐美が気を遣いすぎているのもよくない。もう少し

パトリック:前半ポイントが作れなかったのはリンスのせいだけではない、ということを証明するように、周りの運動量の少なさと投げやりなロングボールに苦労したが、それでも少ないタッチであっというまに逆転ゴールを決めたのはスーパー。フラッグで時間稼ぎ要因として宇佐美に呼ばれたが、足下の下手さが体の強さを凌駕してすぐロストしていたのはご愛敬。よくできました

米倉:後半から入ったというのに、守備でヘルプができず、早めの滑り込みをかわされては大ピンチを招いた。失点シーンでは最後の砦になるべきだった。同級生の山崎とユニ交換してる場合ちゃうで、精進してちょうだい。もう少し

大森:短い時間でめいっぱい相手を混乱させた上に、中盤の守備でも大活躍。リードしてからの失点の心配を限りなくゼロにしてくれた功績は、サポーターの心臓への優しさ。よくできました