2017/4/16 J1#7 ガンバ大阪vsC大阪 「ハイライト映えはしませんがマネジメントで勝点1」

ミッドウィークにACLアウェイ中国で惨敗して帰ってきてのアウェイ大阪ダービー。久々の大阪ダービーと言うことで気持ちを切り替えたいところ。

チーム状況から言えば、広島戦以上に苦戦しそうなものだったが、ユン監督のチームらしくなく、走力を抑え気味にして守備のセットを重視された前半。足が止まる30分まではともかく、それ以降、さほどボコられることこそないが、得点の可能性というか崩す形は全く見えないまま。この時点で230分間無得点。

後半、まったくなにも起きそうもないところで、なんとなく密集してボールの押し合いになったルーズなシーンを、突然トップスピードだった藤春が駆け込んで先制。セレッソの守備はスピードのギャップに錯覚を感じた印象。陣形をそろえてからの個人間の連携に問題がありそうだったのを狙っていたのか。

その後はクロスあげられ放題スタイルで、ゴールに迫られる。後半27分に同点にされると、足も頭も止まってしまったような感じ。ただ、その後の時間帯は圧倒的劣勢だったにもかかわらず、簡単に逆転されなかったのが良かった。

ヤットさんを後半39分までひっぱって、泉澤を入れた直後に逆転されたが、その時点では割とボールがうまく運べるようになっていた。逆転で相手が浮き足立ったのもあるかもしれないが。試合終了間際の同点ゴールは、キッカー井手口の低いボールに虚を突かれ、藤春がミートできなかった狙った浮き球パスで時間とスペースを生み出したことが重なった。

2-2のドローはチーム状態から言えば御の字。60分-75分の支配率がセレッソ65.5%とされていた時間によく我慢して、最後の15分はガンバ57.4%にまで盛り返した。長谷川さんの采配はいろいろ言われることもあるけど、初瀬を下げてからのファビオの怪我など、アクシデント含みの難しい状況にも対応しながら、運動量のインパクトが活きる時間帯に最善手を打つなど、トータルでのマネジメントは優れているな、と思う。印象が良くないのも事実なのだが。

東口:気合いが空回りして悪い方へ向かう日だった。良いセーブもあったが、相手の2点目は苦手な振られ方をして決められたので、しっかり分析されているのは明らか。弱点を改善できていないことが問題。枠内被シュート4なら2失点は失態と(期待を込めて)言いたい。もう少し

三浦:1失点目、杉本にぶち抜かれた、というならまだ仕方ないが、あのふんわりしたアリバイ的な位置取りは何だったのか。ファビオの交代で少しメンタル的にも弱まったか。それにしても3バックに対応するどころかどんどん劣化している気がする。もう少し

ファビオ:61分負傷交代。杉本・山村ともにほとんど仕事をさせていなかっただけに悔やまれる。よくできました

金:復帰即先発。ときどき縦にチャレンジしようとするが、セレッソの丁寧な組織に全く歯が立たず。ファビオと二人でならFW抑えられたが、丹羽になってからはやられたい放題。それでも最後まで立っていたのは偉い。できました

初瀬:試合の入りは良かったし、ランニングシュートは勢いを感じさせたが、あとは連戦の他の選手と同じようにペースダウン。55分に早々に交代。頭も体も若さをもっと出していって欲しいし、今日はターンオーバー以上の意義は見いだせなかった。できました

藤春:サイドの攻防は見応えがあった。5バック気味に押し下げられる時間もありつつ、それでも長い距離を走り続けてチャンスを演出。両チーム最多のスプリント(28回)も。ゴールはACLでやられたのを狙っていたとのこと。よくできました

遠藤:ソウザと山口を相手にらしいプレーはできなかったが、この辺のキープレーヤーを引きつけたのは事実で、それがIH起用の目的だったし、だから最後まで引っ張ったんだろうと推測。もちろんこの辺を背負っても難なくチャンス演出してた頃を考えると寂しいが、監督の期待する役割は果たした。できました

井手口:アンカー起用には驚いたし、向いてないなと思った。広範囲にボールを刈り取りに行くいつものプレーで、ポジションをおろそかにするシーンもしばしばあり、その辺を指示されると今度はらしさが消えてしまった。もう少し

倉田:劇的同点ゴールはさすがというかあそこでふかさない技術力だと思うけど、ヤットさんに引っ張ってもらって生まれたスペースを埋めに来た相手の組織に怖じ気づいている感じで、チャレンジしていこうという雰囲気は感じなかった。ちゃんとサッカーをする相手にコンプレックスが生じているのかな・・・。できました

長沢:守備の人でした。おかげでなんとなく前に運んだボールを失って、大ピンチを生み出されることは防いでくれるのだけども、本業しっかりお願いします。もう少し

赤﨑:初先発。連携がまだの分、思い切ったプレーで打開を期待したけども、シュートはなし。1点目で密集の一員としてお互いのパスワークを乱すことには貢献。展開上交代できなかったけども、優先順位は下がっていきそう。もう少し

堂安:サイドで全くなにもできず、裏を狙われ続けただけだった。ボールをつなぐなり運ぶなり、苦しいときの自分のバリューを理解してプレーしてくれないと、好きなところでしか良いプレーできません、という先輩のようになっていく。もう少し

丹羽:まったく準備ができていないのが明らかだった。個人技でピンチをしのいだところもあったけど、三浦ともジョンヤともうまくコミュニケーションとれないで、一人でサッカーやるつもりなのかな。もう少し

泉澤:動きが合わなくても、遠慮せずどんどん仕掛けて欲しい。そうでないと、周辺の足が止まった選手の助けにならないし、起用する点も見いだせなくなる。もう少し

今季出場時間の分布(フル出場に対する%)

ファビオの交代で、早くも今季のフルタイム出場の選手はいなくなった。