2015/4/26 J1#7 ガンバ大阪vs新潟「風上でスローテンポにつきあってくれたのは新潟さんの優しさか・・・」

ACLJ1リーグ戦とあわせて4試合連続でアウェイが続き、久々のホーム戦。中国アウェイからの中3日というコンディションを、6連勝という結果で相殺できるか。

コンデイションの差を意識してか、新潟は対人に早く強く寄せてきて、ガンバに容易に思うようにボールを回させない。 

パスミスも、疲労から来るものか試合に入り切れていないのか。ただ新潟も、そこから攻撃につなげるというよりは、マンツーマンで寄せてボールを奪うことに目的意識を持ちすぎていて、奪ってからさてどうしましょう、というゆっくりとした展開。新潟からすれば、後半にガンバの脚が止まるのを見越して、早い時間帯に無理する必要はないという頭があったかもしれない。実際に圧倒される時間帯はあったし。ただガンバが風下でフワフワした時間帯に、失点を重ねることなく過ごせたのはよかった。

後半は、故障の影響もあったオジェソクに代えて米倉、機能しなかったリンスに代えてパトリックを投入。

早々に宇佐美がドリブルで突破して、相手がたまらず倒して得たFK。遠藤のFKは珍しく早いボール(もしかしたら無回転かも)だったが、すんなりとGKにキャッチされる。帰陣するガンバを追い越していく新潟の選手たち、GKがどこへ蹴り込もうかと足下へボールを転がした瞬間、背後にいた宇佐美がボールをかっさらって、無人のゴールに蹴り込んだ。これはいつか見た光景。思いがけず先制。遠藤がビックリしてたのがかわいらしかった。

しかし、その後は新潟の時間帯。早めに2枚替えしたこともあり、全体の運動量はそれほど落ちてないはずだが、判断が遅れるというか連携が合わないというか、メンタルの疲労がたまっている感じで、新潟の猛攻にさらされる。

山崎にブンブンに振り回されてDFがはがされたシュートは精度が悪かったものの、エリア内でボールを細かく繋ぎながら迫られると全くのお手上げ。レオシルバに決められて66分に同点にされる。

例によって相手の攻め疲れを待って、エンジンをかける展開。風上に立っていることを思い出して、早めにボールを入れて打開しようとする。お互いにバーに助けられるシーンもあり、オープンな殴り合いが続く。こぼれ球がフリーのレオシルバにこぼれたのは肝を冷やしたし、79分には鈴木武蔵の縦パスダイレクトシュートは東口の体がグンと伸びるビッグセーブ。昨年のホーム川崎戦での奇跡のセーブを彷彿とさせた。

ちょっとまた新潟のターンになりつつあるかな、というところで、左の深い位置から対角へとロングボールを蹴り込んだ倉田、受けたパトリックが胸で落として、反転シュートを一閃すると、ゴールの反対側に突き刺さる。鮮やかな勝ち越し弾。前への気持ちが勝っていた新潟にとって、守備の集中を欠いた一瞬だったともいえるし、パトリックの能力でねじ伏せたともいえる。

最後はまったく対応できなかった山崎を相手が下げてくれたこともあって、ようやく試合も落ち着いて2-1で試合終了。7連勝。

決定機の数からみても、新潟が押している時間帯が多かったことは明らかだし、複数失点しなかったのは幸運としか言いようがなかった。それでも一度もリードされなかった以上は、この省エネなスタイルで勝点3もぎ取っていくのが当面は現実的なところかな。

ガンバが風下だった前半に、体が重そうなガンバ相手にラッシュかけられてたら、もしかしたら試合はそこで決まっていたかもしれない。

うまいこと、ゴニャゴニャする寝技に持ち込んだことを褒めるべきか、相手の過剰なリスペクトか・・・。柳下さんに限ってそんなことはないか。

<採点>

東口:雨あられのように打たれたシュートを良く防いだ。失点シーンは複数のミスが重なったもので東口は最後までよく頑張った。個人的MOM。よくできました

オジェソク:1カ月ぶりの復帰は、好調の米倉とのターンオーバーを意識したものだったかもしれないが、完全に逆手になってしまった。中盤でのロストボールを懸命に追走してはくれた。できました

丹羽:岩下との交錯でピッチをでて治療、さらに頭をぶつけて治療、とボロボロになりながらピッチで気迫を見せた。失点シーンは簡単にヒールパスでかわされてるけどね。ああいうオシャレプレーに対応できないのは織り込み済み。できました

岩下:宇佐美がGKのボールを狙ってるのに気づいて、早く戻るよう促していたのが唯一のファインプレー。ただ自身のプレーでは、うまいビルドアップを意識しすぎてかミスが目立った。最終ラインからの組み立ては安全第一ですよ。あと、バーを叩いた山崎のシュートシーンでは東口の目の前でスッテンコロリと転がされてた。バーにお中元送っておくべき。もう少し

藤春:一番疲労していてもおかしくないのにアグレッシブなプレー。前半のシュートは相手を完全に置き去りにする素晴らしいものだった。相手の潰しも強さに、暑さも加わってかわしきれないシーンも散見。怪我には注意を。よくできました

今野:DFが新潟の猛攻に曝されてボロボロになっているなか、身を挺して失点を食い止めた。マンツーマンだと余裕が出ちゃうので、もてあまし気味になっちゃうね。よくできました

遠藤:レオシルバは巧かったですねえ。食いつかせて散らそうとしても出しどころがなかった。ならばポジション前にとるとかもうひと工夫ほしかった。もう少し

阿部:ポストを叩いたシュートが・・今年はアレが決まらない。阿部の2列目プレスが若干鈍る時間帯と、ガンバ劣勢の時間帯が重複するけれど、それは一人の責任じゃない。ただ本人は78分での交代も含めて、納得いってなさそう。よくできました

倉田:バーをがしんと叩いたシュートは不思議と入る気はしなかった。動きながらシュートを打つ倉田の良さが、疲労で失われているからかな。しかしパトリックに通したロングパスはお見事だった。あれしかなかったという逆転機に免じて。よくできました

宇佐美:おもしろいからやってみよう、というサッカー小僧魂を感じたけど、同時に、大前の様にただ無人のゴールに流し込むわけじゃなくて、こーづにズドンと叩き込んだあたりがインパクト大きかった。リンスももっとこき使ってみたら。できました

リンス:途中出場と先発では別人のようで違いは作れず。宇佐美が気を遣いすぎているのもよくない。もう少し

パトリック:前半ポイントが作れなかったのはリンスのせいだけではない、ということを証明するように、周りの運動量の少なさと投げやりなロングボールに苦労したが、それでも少ないタッチであっというまに逆転ゴールを決めたのはスーパー。フラッグで時間稼ぎ要因として宇佐美に呼ばれたが、足下の下手さが体の強さを凌駕してすぐロストしていたのはご愛敬。よくできました

米倉:後半から入ったというのに、守備でヘルプができず、早めの滑り込みをかわされては大ピンチを招いた。失点シーンでは最後の砦になるべきだった。同級生の山崎とユニ交換してる場合ちゃうで、精進してちょうだい。もう少し

大森:短い時間でめいっぱい相手を混乱させた上に、中盤の守備でも大活躍。リードしてからの失点の心配を限りなくゼロにしてくれた功績は、サポーターの心臓への優しさ。よくできました