2013/3/31 J2#6 ガンバ大阪vs札幌「非実在完封・・・」

まだ寒いアウェイ札幌。スカパー観戦。

代表帰りの遠藤今野を即戻した以下の布陣。西野がみごとスタメン継続。

GK藤ヶ谷

DF加地西野岩下藤春

DMF今野遠藤

OMF二川家長

FWレアンドロ倉田

前節ボランチでスタメンの明神と武井がともにコンディションを崩し、ヨルダン帰りの代表組を強行抜擢。

うまく休みを取らせながら臨んで欲しいが、今節に限っては仕方がない、という状況。代表戦でもあまりパッとしなかった遠藤が、さらに間隔の短い中では集中を欠くのはやむなし。

しかし、底の位置でなんどか決定的なミスを犯しては冷や汗をかかされた。

札幌は試合の入りからアグレッシブで、ボール保持者と受け手にはプレスをかけながら、選手間の距離を短く保ってブロックで守備を構築。崩しに係ろうとするガンバだが、なかなかチャレンジするところまでさえいかない。

また、攻撃に転じると、迫力のあるカウンターで一気にゴール前まで運び、とりあえずシュート。精度は低いが、ガンバの守備の脆さも頭に入れつつ、フィニッシュまでいけば何かが起きるかもしれない、という怖さは感じさせる。

ガンバは12分に倉田とワンツーでDFラインを抜けたレアンドロが、1対1をGKに阻まれる。

決定的だったのはそのくらい。パス交換では崩せず、倉田がドリブル突破を図るも潰され、縦パスやループには対応され・・・、というもどかしい時間。

もう少し早めのミドルがあってもよかったかな。つないでつないで、我慢しきれず倉田がシュート、みたいなのはあったけども。

J2の厳しさをまたもマジマジと実感しつつあった前半終了間際、先制点は突然やってきた。

家長が右サイドのスペースに出したボールに倉田が反応、スピードにのって持ち込んですぐにあげたクロスの先にはレアンドロ。頭であわせて1-0。

家長のポゼッションで釣っておいて、倉田のスピードでさらに守備をはがしたことで、レアンドロへの対応が甘くなった。ずっとうまく対応してきた札幌だったが、飛ばして入ったこともあって前半いっぱいまで集中力も運動量ももたなかった。

後半になると、前プレがおさまり、ルーズになった札幌相手に、ガンバの攻撃がいかんなく襲いかかる。

48分には、パス交換から抜け出した倉田が決定機を迎えるがシュートはバー。さらにつないだボールをレアンドロ、藤春がシュートまで持っていく。札幌DFがクリアしてCKも遠藤さんに精度がない。

札幌は守備はルーズになったけども、ボールを奪ってからの意思疎通はできており、地力で押し込むガンバ、カウンターを狙う札幌、がともにシュートの応酬という時間帯が続く。

打合い上等、で59分、二川のふわりとしたループの縦パスに反応した家長が抜け出してダイレクトにゴールに叩き込んで2-0。

試合としてはここで勝負あり。バランスを崩して前に出る札幌を、割と落ち着いて守って時間を費やす。カウンターの機会が少なくなった札幌に何度か形は作られたが、決定機には至らず。

73分には二川に代えて阿部を投入。

83分、ガンバのFKの相手DFのクリアがゴール前に上がってしまい、残っていた岩下が頭で決めて3点目。いったんオフサイド判定だったが、岩下がヤンキー魂を発揮して詰め寄り、判定が覆った。いや、なぜいったんオフサイドになったかの方が不明。審判よ。

最後は倉田に代えて岡崎を投入。前節ほど時間は与えられなかったが、緊張感は和らいで上手に試合に入っていた。

ATに攻勢に出てきた相手に対して失点してしまったのは、ご愛敬とは笑えなかった。

長めのクロスを入れられて、一本目のシュートは藤ヶ谷が弾いてが、詰めてきた選手に決められてしまった。昨年何度も食らったサヨナラゴールと同様、人数をかけてラッシュされてきたときにバタバタしてしまう癖は結局解消していない。

ロング入れてくることも想定できて、相手がゴール前に人数かけてることも理解してるはずなんだから、対応できないままでは少々厳しい。点差があるから緩くなった、という問題ではなく、守り方(あるいは時間の使い方)の意思疎通がまだできていない。今野がDFラインに入って5バック化しているだけのようだが、人数を増やしてどう守るか、は、まだこれから。

課題を突きつけられたとはいえ、時間的には大勢に影響なく、そのままタイムアップ。

まあ、兜の緒をしめるのに良かったかもね。モヤモヤは残ったけども。

採点

藤ヶ谷:仕事する場面が少なかったのは、「顔」で古巣をビビらせたんですかね。相手が、シュートにこだわるあまり、精度を著しく欠いていたとはいえ、チームとしては良いことでした。よくできました

加地:前では、トリッキーなパス交換よりも、単純な仕事の方が可能性があることを再認識。ビビリパスも減って、家長に預けて縦に走ったり、家長に前へ行ってもらうためにオトリになったり、右の攻撃活性化に一役。よくできました

西野:細かい(でかいのもあったか)ミスはあっても、落ち着いて処理をできるあたり、試合経験が成長させていることを痛感。縦へのフィードも怖がらずにチャレンジし続けているし。ただし最後の失点については、どうするべきか、お兄さん達とよく話し合って欲しいと思います。未来の代表CBとして。できました

岩下:ヤカラが顔芸でゴールを奪ったみたいになったけど、どうみたってあれはゴール。顔で損してますよねえ~。組み立てが前節よりもぎごちなかったのは、遠藤のリズムにまだ慣れてないってことだね。無理して気の利いたパスを出そうとしてるのかと思ってたけど違うみたい。よくできました

藤春:倉田、レアンドロとの絡みで左を制圧した。シュートが決まらないのは愛嬌、しっかりと打ち切ったところに成長を見た。守備では岩下に多分にお世話になった。岩下がゴール決めてなかったら今ごろぶっ込まれてるで。できました

今野:低い位置からの果敢なドリブル、冷静な読みでのパスカット、西野のケア、SBの攻め上がりサポート、など「便利屋」として奮闘。ヨルダンには弟が行っていたに違いない。よくできました

遠藤:省電力モードで乗り切った。周りのギアの上がった後半に、静かに低い位置で残っていたことも、札幌は困ったに違いない。できました

二川:ややもすると落ち着きがなくなったり、逆にボール保持だけになってしまうところを、広い視野とアイデアで解決しようとすることで、相手DFの注意を分散させた。みごとなループもあったし、阿部への交代で少し攻撃が単調になったところも、監督には感じてほしい。よくできました

家長:人を使うことに終始。ゴールに向かわない姿勢にイライラさせられたが、後半は1G1A。「敵を欺くには・・・」の精神だったと思おう。超絶キープには周りの選手も困っていたようだけどね。よくできました

倉田:チャレンジし続けた結果、前半の1点につながった。倉田さえ止めときゃ大丈夫、が通用しなかったのはさすが。まさに成長中。よくできました

レアンドロ:うまく行かない時間帯も、やたらサイドに開いたり下がったりせずに辛抱強く味方のつくる決定機を待ち続けた。倉田とも二川とも良い関係を築けている。よくできました

阿部:久々に二川にスタメンを譲った。スピード感や突破力は増したが、他の選手と被ってしまうのも気になるし、二川不在を実感させられてしまった。奮起を!できました

岡崎:短い時間でも今は試合経験を積むことが重要。落ち着いて入ったのは良かったが、時間を考えると、二列目の仕事だけに固執せずクローズに参加するフレッシュ感があってもよかったかな。できました