2013/3/3 J2#1 ガンバ大阪vs京都「今年もガンバ平常運転。コテンパンでも勝点1」

2013シーズンの開幕戦、万博ゴール裏で観戦。ファミリーゾーン(椅子エリア)での必要以上の席取りがエスカレートしているのは、カテゴリー落ちしてガラガラになるよりは良しとしましょうか・・・。

昨年はほとんどなかった快晴での試合。まぶしい西日(16時KO)を嫌ってか、サイドを替えての試合開始。

ガンバの先発は以下の布陣。

GK藤ヶ谷

DF丹羽岩下今野藤春

DMF明神遠藤

OMF阿部倉田

FW家長レアンドロ

前半から動きの硬いガンバを尻目に、京都の良さが際立つ。

高い位置でのプレス、奪ったら連動して前への動きだし、運動量に裏打ちされたムービングフットボール、そして人任せにしないでシュート、少なくともゴールへ向かうラストパス。

水をまいたピッチで、運動量の少ないガンバのパスは、わずかにボールが伸びるだけでつながらなくなるが、京都は走る人がいてスペースに出すため、少々伸びてもつながる。そろそろ無定見な水撒きはやめませんか。

中盤でボールを奪われて、前の選手が守備に追わされる状況の中、それでも序盤はガンバの時間帯もあった。ゴール前での阿部の動きは良く、京都の守備も捕まえきれない印象で、何度かシュートもあるが守備ブロックは破れず。

15分からしばらく続いたCKの連続では、ショートや直接など色々アレンジするも防がれ、最後は丹羽のヘディングが外れて終わる。

そこからは京都のペース。速くて細かいパス回しに翻弄されながら、ファウルで止めてしまう感じ。

24分FKはまっすぐゴールへ向かってくる。うまく落とされたボールをすばやくボレーで打たれて失点。こねくり回すよりも早い(速い、ではなく)シュートが効果的なことは明らか。

先制して、ややペースを落とした京都に対しても、ガンバが主導権をとることはできず、パス交換をする中でミスからボールを奪われるシーンが続く。

右は縦、、左はポゼッションでサイドチェンジで攻撃ゾーンはバランス良いが、それぞれが単調。また、斜めにボールを入れようとするが、人は斜めに動かないので、相手DFに切られてしまうシーンが続出。これは昨年セホーン監督がやろうとしていて、ガンバができなかった攻撃パターン。

30分にCKのこぼれ球を倉田が拾ってGKと対峙した決定的なシーンがあったが、わずかに枠をそれてしまったが、前半の見どころはその程度。

後半は、レアンドロのワントップ、家長を二列目に。試合後の監督コメントでは倉田とポジションを替えたと言うことだったが、倉田がそこまで上がっているような印象ではなく、二列目が3人か、せいぜい倉田がシャドーのように感じた。

ともかく、多少は前の動きは改善されたが、ボランチのところからの展開でカットされるのは変わらず。

家長がよりフリーマン的に動くことで相手が混乱したのは事実だが、なかなか前後が分断されてしまって良さが結果に表れない。

ズタズタに切り裂かれてあげられたクロスに至近距離でドンピシャヘッドを合わせられるも、藤ヶ谷の神セーブで凌ぐ。

ようやくボールがおさまって、前へつなげた60分。岩下から速い縦のボールが遠藤へ、下がったラインに生まれたスペースに戻して阿部がダイレクトに蹴り込んだ低いシュートがGKの手の先をスルリと抜けてゴールへ。

相手DFも、そして万博の観客もまさかダイレクトにシュートを打つとは思っていなかったようだ。

こねくり回す効果がここにあったのだとしたらようやく実を結んだことになる。

(前行こうと思ったら間に合わなかった、との阿部談だが)

さらにポジションチェンジの効果が実感できたのは再開後のプレー。ボールを奪って遠藤-家長が縦のレアンドロへ。遠藤、倉田が追い越していく中、DFはつられてしまって、レアンドロの前にスペース。やむなく倒したのがエリア内で、PK獲得。(ちなみにこのシーンでも阿部は遅れて到着)

レアンドロがスポットから動かず、自分で蹴りに行く。なんか去年の初ゴールもそんな感じだったような気もするが、しっかり決めて逆転。わずか2分。

さすがに京都は元気がなくなり、試合はややガンバが支配するも、3点目が奪えない。75分には家長を二川に代える監督に、ガンバには3点目が必要だということが理解していただけているようで安心。

京都は前線の選手を入れてリスクを負って攻めに出てきているのだが、カウンターの下手なガンバはその隙を突けず、中盤でボールの押し合いにつきあってしまう。

76分、左サイドを縦に破られ、マイナスに戻したボールを山瀬にクリアに叩き込まれて2-2同点。

確かに完全に破られてたし、良いシュートではあるんだが、シュートコースには選手が4人もいる。ここで足が出るか、出ないかの守備意識

差は大きいな・・・。藤ヶ谷が逆を突かれたようになったので誰かに当たったのかもしれないが。

86分には倉田に代えて平井を投入。

この展開を打破できるのはどうみてもパウリーニョだろうと感じていたので、一瞬ポカーン。

しかし2年前の平井ではないはず、と期待。

でも、なにもできないままロスタイム。

向こうのフレッシュな途中交代選手に縦に走られ、ついていけずに失点してしまう。

これは昨年何度も見た、サヨナラゴール・・・。

何も変わってないな、という絶望感が支配する中、阿部に変わってようやくパウリーニョ投入。

ガンバも点を取りに行くしかない状況下で、ようやく細かくパスをつないで、二川から縦のパウリーニョに出したラストパス、エリアに持ち込んだところを倒されて、再びPK獲得。

今度は遠藤が蹴る。バーに当てながらもゴールインで同点。なんとか勝点1をもぎ取った。

一昨年の甲府、昨年の鳥栖にやられたように、圧倒されて敗北してもおかしくない差があったが、結果はガンバにとっては幸運なものだった。

京都がJ2のトップクラスのチームであることは疑いようがなく、今日のようにメンバー、コンディション、そしてガンバ相手の高いモチベーションで挑まれて、はっきり言って昨年の負け慣れた仕様から抜け出せていないガンバにとっては敗色濃厚な展開。

よくぞ勝点を積むことができた、というのが正直なところ。

チームが成長していくために、長いシーズンのスタートが順風である必要はない。これで安心、なのではなくJ2の厳しさを知るのはここからだろう。

採点

藤ヶ谷:もっととられるところを防いでくれた。3失点も今日はいずれも相手の素晴らしいゴールといえる。ただ、あそこまでズルズルやられるDF陣と一体になって防いでくれないと、今年も大失点劇は減らせないのでは。できました

丹羽:まあ右の攻撃はあきらめて、ほぼ3バックで右半分はそれなりに封じ込めた。スペースがあるときはもっと前へ行っても良いのでは。ヘディングは惜しかった。できました

岩下:まあ無理だったんだろうけど、1点目、2点目ではシュートコース上でゴールを見送る係になっていた。最後は相手もフレッシュだったが、岩下の足も止まってたね。もう少し

今野:安定のザル守備に貢献。2失点目では、左を突破されたところを藤春に変わって詰めに行くも軽くフリーの山瀬にパスを出させてしまった。もう少し

藤春:左サイドの守備をお留守にするなら、もう少し前で仕事をして欲しい。前半特にライン際のパス交換でミスを連発してボールを失っていた。「水撒くのやめて!」ってYOUがお願いしちゃいなYO!もう少し

明神:相手のプレスに負けてしまってリズム作れず。逆にボールを奪いにいっては相手にスペースを提供してしまっていたかな。最初の失点では、FKに対して競り負けてきれいに落とされたのが失点を生んでいた。3失点目ではラストパスにアリバイスライディングで久保のシュートを許してしまった。もう少し

遠藤:京都に主導権をとられた敗因も遠藤なら、3得点の原動力も遠藤。今日は固かったですし、主将ということもあって特に3失点目の責任をとってもらいます。もう少し

阿部:前半のゴール前での動きやシュート意欲は良かったが、二列目付近でのパス交換でミスも多く、主導権を容易に取れなかった要因でもあった。とはいえ後半のゴールはお見事。とりあえずは悪いところを補うよりも良い方を伸ばして欲しい。よくできました

倉田:ゴリゴリの突破がチームの士気につながらず、分断された前で消えてしまうハメに。ゴールが変えていくのかもしれないが、倉田のチームだ、自信を持ってこのスタイルで王様になって欲しい。できました

家長:前半はフリーにやりたいのに役割と厳しいマークがついて仕事ができなかったが、後半はフリーマンぶりを存分に発揮してくれた。よくできました

レアンドロ:どうもアピールプレーが多かったけど、PK奪取・ゴールで初日を出したのは良かった。昨年も佐藤とペアの時に結果を出していたので、どうにか相棒を見つけ出して欲しい。できました

二川:投入後しばらくは消えていて、なるほどこれがスタメン明け渡した理由か・・と思っていたが、3点目のPKにつながったパスを出せるのならやはりガンバの重要なピース。よくできました

平井:なぜファーストチョイスだったかは疑問だが、ボランチまで戻っての献身的な動きは確認された。「おまえの仕事はそこ(底?)じゃない!」と言いつつも、それも持ち味。でも次はまずシュートから。もう少し

パウリーニョ:チームにスパイスを与えるには最適で、もっと長くプレーして欲しかった。短い時間ながら、PK奪取も、遠藤に蹴らせたのも、満点。よくできました

おまけ

長谷川監督:まだ手探りながら、いろいろ試しながら、ポジションチェンジでスイッチを入れることには成功した。ただし相手の戦術変更に的確に対応できたかは疑問で、まだ松波さんレベルとしか言えない。なお、サポーターへの期待を試合前に語っていたが、失点後のスタジアム全体での意気消沈ぶりを実感していただけたかと思います・・。できました