ガンバ大阪の2013シーズンを占う

昨季のレビューもすべて終わってはないですが、シーズン予想を行ってみたいと思います。

戦力比較はできないので、ガンバがどういうシーズンを送るか、ということをいくつかのポイントに分けて考えてみたいと思います。

1)怪我とマルチロール

怪我自体は、予測はできないものではあるのだけど、怪我人が出たとき、代えの効かない選手であるほど、戦力ダウンが大きい。そのリスクは回避したいところ。(もちろん遠藤が長期離脱してしまえば、今度はチームの方向性から変わるんだろうけど)

そもそも高年齢の主力を複数抱えるガンバにとってはここ数年ずっと怪我に悩まされてきた。加地、明神はもはや年間を通して戦力としてはカウントしない方がよくて、サブ的な働きを期待するチーム作りをしないと、不在時(しかも長い)のチームがブレてしまう。

明神については武井だけでは不足。内田・岡崎の育成も必要。あるいは昨季天皇杯で再確認された今野の適性を無駄にするのは惜しい。

加地については、オジェソクでカバーする予定だったのだろうけど、こちらも怪我してしまった。星原の転向も試されているが、現状では昨季緊急的に対応してくれた岩下なんだろうか。

また、すでに長期離脱中の佐藤、あるいは昨季終盤ようやく復帰した川西、あるいはこれまた怪我がちなスピードスター星原やパウリーニョ。この辺のFW陣はいかにして試合勘を取り戻しながら大事に使っていくか、頭を悩ませることになる。

レアンドロが軸で、去年は佐藤が相手にはまったわけだが、中盤でスピードを活かせた佐々木が移籍してしまった今季は、FWにかかる役割はより大きい。セカンドトップだけでなく、二列目としての仕事もこなしながら、になる。

ここで名前が挙がってこなかった、平井・・・期待してます。

またGK木村も故障上がり。昨季ようやくつかんだかに見えた正守護神の座をもう一度奪い返さないといけない。それでなくても、「藤ヶ谷を含めての」GK3人態勢は非常に不安。ここは強化部にはなにかアイデアがあるんだろうけど、早急に補強を。(まさか韓国の新人入団させて終わりじゃないよね~!?)

2)契約と補強

家長とレアンドロの契約が夏までになっている。どちらも今季の主力として相当期待される訳で、強化部には頑張ってもらわないといけないわけだが、こればっかりはレンタル元の意向は無視できない。

毎年心配していたオイル強奪は今年は大丈夫そうだけど、一方で仮にチームのテコ入れが必要な場合、夏の移籍期間終了までに選手獲得ということになる。

A契約選手は開幕時点で24人なので(これはGKで埋めてほしいんだけど・・・)、レンタルの継続の有無にかかわらず枠は空いている。GKも補充せず、2人ともレンタル終了ということになれば22人(!)。これはなんとかしないといけない。

強化部さんもさすがに、J2のチームに今までのような感覚で余所から選手が来てくれると思っちゃいないだろうね・・・。頼みのバレーは一足先に清水戻ってもうたし。安田がトップパフォーマンスで戻ってくればSB問題も解決するんだけど。

3)代表組

今年の代表スケジュールは、JFA関係では、3/22カタールと3/26ヨルダン、5/30ホーム(vsブルガリア)6/4ホーム(vs豪州)、6/11イラクが確定している。

また、FIFAコンフェデレーションズ杯がブラジルで6/15に始まる。日本はブラジル、イタリア、メキシコと同組で6/22までに3試合、各組2位に入ろうものなら、準決勝-決勝(3位決定戦)で6/30まで拘束されることになる。

代表戦で当面ガンバから招集されるのは遠藤、今野だろうけど、今の所どちらも行けばフル出場が見込まれるし、3月にWC出場を決めてもザックさんは手加減もなさそう。

どのくらい拘束されるかもわからないけど、少なくとも4-5節、17-20節は離脱だろうし、最近の遠藤のパフォーマンスを見る限り、代表帰りの6節、19節の働きは期待できない。

この8試合は、単なる二選手の穴埋めとかサブの選手のチャンスとかではなく、普段できないことを試す機会としなければ、来年にはつながらない。極論を言えば、この勝点24を拾うために手堅いメンバーをそろえるよりは、捨てたつもりで思い切った起用をしてほしい。

ボランチを明神・武井とするのではなく、武井・岡崎にしてみるとか、CBは西野・丹羽にしてみるとか。

もちろん前述したような怪我人の大量発生でスクランブル態勢になっていればそれどころではないですが。

来年はWCイヤーなので秋にも当然代表戦が組まれることは想定される。救いはアジアカップの予選が免除されていること。2009年は大変でしたね・・・。こちらは状況次第でそれなりに気を使っていただけないでしょうか。

以上のことを踏まえてシーズンを予想します。

すんなり開幕したとして、それなりに勝点を積み上げていくとしても、開幕直後には怪我人が多く発生する。また対戦相手も厳しいプレーを見せてくるだろうし、疲労の蓄積する夏には戦力ダウンを見込んでおく必要がありそう(加地が復帰してまた離脱、とか夏でしたね・・・)。

6月までの16試合で32前後の勝点をベースとして、6月の5試合は代表戦の影響含みで勝点5程度で覚悟する。7-8月の10試合はホームの4試合だけでも勝点12を死守するとして累積の勝点49。

この時点で怪我の程度や人数に合わせて、必要な選手を補強できれば、戦力ダウンがあっても立て直せるが、それが間に合わない時期、あるいは補強選手がフィットしなかった場合は相当苦戦することになると思う。

楽観的なシナリオでいけば、9-11月の11試合を勝点23積み上げれば、終了時の勝点は72まで伸びる。

ここまでで昨季の5位相当。つまりプレーオフ進出圏内。これに勝点3上積みできれば自動昇格、さらに勝点1積めば優勝が見えてくる、というハッピーエンド。

悲観的なシナリオでいけば、9-11月のホーム6試合で勝点18。これで終了時の勝点67。昨季の6位相当。やっぱりプレーオフ進出圏内。秋の代表戦離脱までに、底上げがしっかりできておらず、これさえ積めないようだと、そこから滑り落ちることになる。

ということで、独走を狙って序盤から固定メンバーで勝点の積み上げを狙っていくよりも、ガンバにとっては未知数の「ターンオーバー」でうまく若手やサブ組のレベルアップを図って秋に備えることが重要なんじゃないかなあ、と思います。長谷川監督も得意そうではないけど必要性は感じていることでしょう。

それはそれは苦しいシーズンになると思うけど、最後に笑いたい。そして来季笑いたい。

安易にブーイングに走らず、ともに耐えるシーズンにしたいですね。