2013/3/24 J2#5 ガンバ大阪vs千葉「ムキになって後ろをお留守にしなかったご褒美の勝点1」

万博ゴール裏にて観戦。

#3ホーム横浜FC戦、#4アウェイ熊本戦をいずれもドローで、今季無敗とはいえ1勝3分。それでも5位という順位のあたり、J2的な混戦。

横浜FC戦を最後に、代表で遠藤と今野を欠き、先発は以下の布陣。

GK藤ヶ谷

DF加地西野岩下藤春

DMF明神武井

OMF阿部二川

FWレアンドロ倉田

加地も復帰しており、西野が先発でそつなくこなしてくれてるのは、ここまでに失った勝点以上の収穫ではある。

キックオフ直後から、ガンバが攻勢。

二川の縦への浮球に飛び出した阿部がうまくあわせるも、枠をわずかにとらえず。

倉田のロングランを見逃さない加地のフィード、左の阿部から右のフリースペースを駆け上がるレアンドロへのパスなど、守備の固い千葉にポゼッションで隙を見つけるのではなく、裏を狙っていく姿勢があるのは好感触だった。

千葉もブロックを作ることに集中していたはずで、守備の連係が少々混乱し、Gkからのミスフィードがビッグチャンスにつながるも、レアンドロ、倉田がシュートまで持ち込めない。

ガンバの押し込む時間が続く中、18分、倉田がプレスを受けてこぼれたボールを武井が受けるがパスの出し手を探してうろうろ。そこをかっさらわれ、囲むが詰めないガンバの守備を一直線に切り裂いてゴール前へ。岩下も簡単にかわされてシュートされて失点。

ワンチャンスを個人技生かして得点した千葉を褒めるしかない。

少し落ち着いてしまって、裏へのチャレンジもなくなり、ポゼッションが相手の守備にはまる展開になってきちゃったなあ・・・という膠着を感じる25分。武井が遠めのミドルを放ち、相手DFにあたるが、勢いが勝ってボールはエリア内まで。二川がおさめてセンターのレアンドロ、シュートもできずボールはこぼれ、左にいた阿部がシュート、これもブロックされたが、さらに左にこぼれたボールを、走りこんできた倉田がフリーのシュートを決めて同点。

「こんなに波状攻撃しなきゃ、ゴール入りませんかね!?」てなくらい千葉の守備に頑張られた。

その後も、ガンバが自在に攻撃できる時間が続き、40分には二川がレアンドロを走らせるキラーパス。GKと1対1も好セーブにあう。

44分には、汚名返上をたくらむ武井がドリブルで持ち上がってマルセイユルーレットでDFを置き去り、もシュートはチョロ・・・。

ロスタイムには、阿部のふわりとしたボールに、レアンドロが頭で合わせるも、当てただけになってGKがキャッチ。

ミスから失点も、試合を支配し続けたガンバのペースで、前半はイーブンのまま終了。

セカンドボールがことごとく相手に収まるのは、必ずしも出足が悪かったばかりではなく、後半もこのペースを持続したいところ。

後半は、千葉の外国人(ジャイール?)の遠めのミドルで幕開け。今季は安定の藤ヶ谷がしっかりセーブ。

ここ何戦か(というか昨年からずっと)、相手の戦術変更に対応できず、運動量も低下して、後半ズルズルとやられてしまうのが定番だったが、この日は比較的よくやっていた。

サイドにボールを展開して、武井がうまく絡んでゴール前にボールを配給。ただ、レアンドロがプレスを嫌ってっスペースへ流れるので、どうしてもセンターが倉田や阿部になる。良いシュートは何本か放ったが、決定的なシーンは作れない。

70分には、藤ヶ谷がフィードできるボールを簡単に跳ね返してしまい、エリア内の相手に渡してしまう。シュートはバーを叩き、跳ね返りを交代直後のケンペスにネットを揺らされるが、ファウルがあったようでゴール判定されず。

(ちなみに、昨年の長居アウェイでロスタイムにサヨナラゴールされたケンペス

両チーム、後ろに重心を残したままの探り合いで、選手を入れ替えながら打開を図る。

ガンバは72分に二川に代えて家長、80分には阿部に代えて岡崎を投入。岡崎は初出場。

82分には、FKのこぼれ球を武井が拾って、センターへ送り、上がっていた西野が頭で合わせるが、枠をとらえず。

ただし、このあたり、阿部、武井、西野などしっかりシュートを打っていくことで、「ガンバはパスコースさえ切っときゃ怖くない」という守備をさせない。

選手とのとの間合いを詰めることで、ようやくスペースが生まれる。生じたパスコースをうまく使って、家長、岡崎、倉田、武井がポジションチェンジしながらゴールに迫った85分前後に、なんとかしてゴールを決めたかったが、粘り強い千葉の守備をこじ開けることはできず。

ほとんどピンチらしいピンチはなく、ボールを回収してはゴール前に迫っていた終盤だったが、後半ロスタイム、ラストプレーの相手FKを山口にドンピシャであわされるも、藤ヶ谷がかろうじてセーブ。サヨナラゴールを免れたところで試合終了。

いくつかの決定的なミスが失点には至らず、代表組不在の中で攻撃の形を模索する姿は、決して悪いものではなく、勝点1はきわめて妥当なものだったといえるだろう。千葉の地力の強さも充分伝わったし、ね。

採点

藤ヶ谷:フィードのミスは本当に肝を冷やしたし、「藤ヶ谷ここにあり」を改めて見せつけたが、ラストプレーのセーブといい、それ以外では安定していた。ただ、発展性のない責任転嫁のパス交換にはもっとキレていいと思う。できました

加地:攻撃でまったく脅威になっていなかったのは仕方ないけど、守備で簡単に突破されていたのは、まだリハビリなのか、劣化なのか、こんなもんだったか。もう少し

西野:寄せられた場合のボール捌きも落ち着いていてよい。ハイボールの競り合いもよい。ただ、縦への楔やフィードはまだまだ。前線に残っている場面でカウンターくらいそうなシーンで、相手を倒してイエローもらったのは好判断だった。高さが得点に結び付いてきたときに、もう一段上に上がれる。できました

岩下:しっかりボールも回収できて、ハイボールへの安心感もある。気づけばいつの間にこんな安定した守備が・・・。岩下さまさまだが、やはり失点シーンではもう少し抵抗してほしかった。できました

藤春:珍しく守備でよく貢献。とはいえディレイさせてみんなを待つ、という簡単なことだけどね。攻撃は縦へ走るスペースも、クロスを上げる時間も与えてくれない固い守備にぐうの音も出なかった。できました

明神:ボールをよく回収した。遠藤と違って武井のフォローの方が楽なのかも。でも、打開するには機を見て攻め上がることも必要だったのでは。できました

武井:失点を生むミスは痛恨だったが、持ち味の前への推進力を何度も披露してくれた。得点も強引なシュートからだったが、ちょっとフィニッシュがヘボい。形を作るだけに留まっていては、二人が帰ってきたら押し出されるぞ。できました

二川:コンパクトな千葉のラインの裏を狙ったプレーをたびたび見せた。ただ、コンパクトな相手に無駄走りをさせるスペースさえなかった。違いは生み出せず。もう少し

阿部:積極的にシュートを打ちまくって、相手の手を焼かせた。得点も最後は阿部のシュートのブロックから。やはりダイレクトプレーを増やしていかないと点は生まれないよね。よくできました

倉田:ゴールは素晴らしかった。シャドウか、二列目か、フリーマンと言うよりも献身的な守備、ボール奪取から連携、運び屋、フィニッシュまで、高いレベルで担当していた。今ならオシムにも呼んでもらえそう。よくできました

レアンドロ:どうしても中央でのマークがきつくて、サイドに流れがち。サイドで起点となってチャンスメイクも多かったけど、そうするとセンターでの決定力が足りないんだよね…。悪い時のメッシ、じゃないけど。でも惜しい縦への抜け出しもあったし、下がっての守備も献身的だった。できました

家長:二川の出来がそこまで良くなかったので、悪さが際立たなかったけど、いた?もう少し

岡崎:初出場でさすがに緊張もあったか、無難なプレーに終始して、打開を図るような決定的なプレーは見られなかった。武井のデビュー時のように、ガンバっぽさをそつなくこなす、ことはできたとして、自分の良さをどうやってだすのか。まあそれは、プラン時間増えてからだろうか。勝点3を狙う中でベストチョイス、になれるように期待。できました

パウリーニョ:出場時間は短いのに、毎回素晴らしい働きを披露。あまり前での脅威になれる時間帯ではなかったけど、忍者ディフェンスは健在。素走りやプレスだけでも相手は無視できない。家長に教えてやって。よくできました