2013/4/7 J2#7 ガンバ大阪vs東京V「勝点1を守りにいくサッカーにまだ戸惑うサポ」

強風の万博ゴール裏で観戦。

GK藤ヶ谷

DF加地西野岩下藤春

DMF今野遠藤

OMF二川家長

FWレアンドロ倉田

前節に続いて同じメンバー。札幌での快勝を見ればイジル必要はない。

ただ、ベンチメンバーから岡崎が外れ、平井がベンチ入り。今野遠藤のバックアップは内田で充分、それよりも川西、平井を使ってみたい状態なんだろう。

風下の前半、アタマから高い位置でプレスをかけてくる相手に対し、この日のガンバは出鼻をくじかれることなくパスワークでいなしながら攻撃的に攻め続ける。特に、ボールを失った瞬間に前プレをかけるドイツ人もビックリのプレーでヴェルディを追い込む。

ヴェルディは基本的に、近い位置で短いパスをつなぐことを志向しているようなのだが、ガンバ相手に3バックと両SHが下がってしまったことで、いったんボールを奪ってもいつも渡せる位置に味方が顔を出せず、そこをガンバに再び奪われる、という構図だったか(要は、決してガンバが良かったというばかりではない)。

それでも今野遠藤のダブルボランチが、文句なく代表クラスの働きを見せて右へ左へと相手を走らせ、そしてサイドは繰り返し縦へと抜けだし、幾度となくチャンスを演出する。

フィニッシュへの意識も強く、倉田とレアンドロの連携からのシュート、二川ミドル、今野の頭、パスワークでエリアへ浸入してのシュートはバーを叩く・・・。

30分ほど試合を支配して、ゴールへ襲いかかり続けるも、スコアは動かず。

そのうち入るやろ、と、今日はなんぼやっても入らんのちゃうか、が交錯するなか、徐々に中盤がルーズになって相手のカウンターを食うようになる。

圧倒的支配からややオープンな展開になるなか、相手の守備ラインと前の選手の間にポッカリとスペースができる。あまり気味になったボランチ、特に今野が再三にわたる攻撃参加で前に顔を出すも、ゴールは割れず。前半は0-0で終了。

前半の終わりから徐々につかみだしたペースを、ヴェルディは後半も持続。後半8分にはとうとうパスをつながれて攻め込まれ、ゴール前で加地がクリアできるところを何気なく脚を出して相手に献上、GKと1対1を作られる。岩下のPK覚悟の潰しと藤ヶ谷のセーブで事なきを得るが、相手のフィニッシュ精度の低さにも助けられた。

相手CKを防いでのガンバのターン、右サイドを駆け上がった今野がクロス、家長がワンタッチで縦の倉田へ。GKと対峙するが、こちらはバーを叩く。

また、家長からのパスでレアンドロがGKとの対決に向かうが、これは大きく枠を外す。

攻め疲れてきたガンバに、どのようなスイッチを入れるのか、ヤキモキしていたが、監督はなかなか動かない。

25分には、またもきれいにつなぎながらゴール前に運ばれて、最後は高原に狙い澄ましたシュートを打たれるも、幸い枠を外す。つなぎのところで誰も潰しにいけない、そしてよりによって高原を最後にフリーにしておく、など失点の臭いが高まってきたところで、ガンバの交代は二川→パウリーニョ。監督の選んだ戦術は、ボランチ待機でリスク削減して、前の選手のコンビネーションだけでゴール、か。

パウリーニョはフレッシュ感と、スタメンの選手にはないポジショニングで守備を翻弄し、再三決定機を迎える。

レアンドロの右クロスにあわせたヘッド、あるいは中盤からドリブルで持ち上がってのミドル。いずれも相手はレアンドロや倉田に振られて、スペースを与えてくれたが、残念ながらフィニッシュがいまいち。

38分には倉田に代えて阿部投入。阿部も思いきりの良さでゴールに迫るも、相手GKに防がれる。残念なことにパウリーニョ・阿部と家長との連携がうまくなくて、分断されてしまったのはいまいちだったかな。

ATには家長が遠藤を走らせて、空いたスペースをドリブル。ズルズル下がるDFの裏を抜く絶好のチャンスだったが、阿部は囲まれてしまい最後は枠外。

結局スコアレスドローで万博無敗・未勝利が継続。

自分たちの時間帯にしっかりと点を取りきることができず、「そのうち」と思った後半は相手なりのサッカーに終始してしまった。

そこには、相手の一発狙いをうまくかわしながら、無理をしないで90分をマネージする、という長谷川監督のイズムが発露していたように思う。それは、使いたかったはずの川西、平井を、交代枠を残しながらも出さなかったところからもうかがい知ることができる。

ガムシャラに1点を狙いに行っては泣き続けた昨年の轍を踏んではいけないのはもちろんだが、我々サポにはまだ順応に時間が要りそうだ。

もちろん、このレベルでできなければ、上に行ったってできないのは明白。

採点

藤ヶ谷:数少ない相手の好機をしっかりとセーブ。エリア内での味方のミスにはもっと怒っていいと思いました。岩下はガツガツ言ってくる分だけコンビネーションよさげ。よくできました

加地:決定的なミスが失点につながらなかったのは本当に良かった。前での仕事は、家長と絡んでも今野と絡んでも悪くはなかったし、ヴェルディを下げさせる充分な制圧ぶりでした。献身的な走りに免じて。できました

西野:相手のロングボールにスルスルっと出て行ってはじき返す姿を見ては、「これがCBだよね!」と感心してました。つながれてからどうするかばかり考えてきたガンバの守備にあって、繋ぎに対応できるセンスのある守備ができるのはアカデミー出身ならでは。よくできました

岩下:西野を指導し、藤ヶ谷に声をかけ、加地のミスをカバーする。獅子奮迅の活躍。個人的にはMOM。よくできました

藤春:スピードでサイドを制圧したが、ガッチリ引かれてしまうとなかなか持ち味を発揮はできなかった。それでも、ずっと前を狙っている姿勢に相手は最後まで前に出てこれなかった。守備でも貢献。岩下の負担を軽くした、かな。よくできました

今野:中盤がガラ空きと見るや攻め上がり、さすがの位置取りで良いポジションにいるものの、シュート力だけが欠けていたのが残念。監督のクローズ指令を忠実に実行もするし、攻守に非の打ちどころなし。よくできました

遠藤:前は今ちゃんにまかせて、と悠々自適の90分。セットプレーも蹴った瞬間ノーチャンスとわかる感じで、可能性を感じなかった。最後のワンプレーが決まっていれば、それも笑って振り返れたんだけど。もう少し

二川:タッチや配球での二川らしさ、が発揮できない相手に埋没してしまった。シュート意識は悪くなかったんだけど。倉田とも家長とも違う持ち味を生かしてくれないと、一辺倒になってしまう。もう少し

家長:運動量は少なくとも決定的な仕事を繰り返してくれた。守備に下がってもキープ力で乗り切ってくれたし。相手も、動かずにキープしつつボールを配給する選手にどう対応していいやらわからないようだった。たまに動くともっと困ってた。よくできました

倉田:厚い守備にチャレンジする選手がいることでひずみが生じる。予定調和なガンバ攻撃陣の時空を捻じ曲げるべく、一人で大役を担っていた。シュートは決めてほしいシーンだったけど、あれが決まる日はきっと相手のも決まるんだよね・・。よくできました

レアンドロ:中で待つ、ワイドに開く、下がってもらう、など色々と工夫しながらもバランスの良いプレーをしていた。倉田と同じく、バーに当てたシュートが運命を分けたかな。できました

パウリーニョ:サポートが減る中で、「前だけで攻めてこい、あと守備には戻れ」、の指令をこなしてくれる助っ人はなかなかいない。よくできました

阿部:違いを作れず。最後のシュートの場面では、疲れているまわりの選手と相手守備をチギるようなフレッシュ感が出せないと、期待には応えられないよ。もう少し