2013/4/17 J2#9 ガンバ大阪vs松本山雅「中2日の省エネ感にお付き合いしてもらえず」

平日ホーム戦はスカパーオンデマンドで観戦。

スタメンは、今野が足の違和感でベンチからも外れてボランチに内田が入った以外は前節と同じ。内田は今季初先発。

GK藤ヶ谷

DF加地西野岩下藤春

DMF内田遠藤

OMF二川家長

FWレアンドロ倉田

試合のアタマは、元気よくガンバが入り、それをガツガツ松本がプレスしようとする、アグレッシブな展開。

ファーストシュートは家長。底で受けた家長がスペースのある左へ長いボールを出して駆け上がる。受けたボールを倉田が縦に突破して、サイドから駆け込んできた藤春へと渡す。早いクロスに頭であわせるも、枠外。

しかし続けてまったく同じ展開から、藤春が今度は足下に送り込んだクロス、レアンドロの前で相手DFがゴールに蹴り込んでしまう。オウンゴールでガンバ先制だが、完璧な崩しだったこともあり、DFが触らなければレアンドロが押し込んでいた。

ホームで先制して勢いに乗るガンバに対して、松本が下がる展開。

右サイドで加地家長倉田がパス交換しながら穴を探す。いつもは使う側に回ってばかりの家長がこの日は行く気満々で、倉田のラストパスを受けて右足でシュートを放つ。相手が出したように見えたがGKに。

家長の右足シュートに翻弄されて、相手の守備が左を切る意識が弱まった結果、ゴール前でのキープや突破が容易になり、多くの決定機を生む。 体調が良いのか、すこぶる運動量の多いこの日の家長。最終ライン近くまで戻って守備に回り、ボールを奪ったらボランチの位置から縦への動きを伺う。上下動が多くなるスタイルをしつこく繰り返す。

一方、ちょっと二川のところでチャレンジがうまくいかない。バランスを崩すシーンが目立つ。

11分、遠藤が高い位置でカット、レアンドロ決定機も、強引なシュートはブロック。

17分、遠藤を追い越すポジションまで上げてきた西野が家長を狙ったスルーパスはカットされる。

18分、倉田が縦に突破して、いったん家長に戻す。レアンドロが左に控えてはいたが家長がシュート。枠上。

このあたりの時間帯の松本は、失点もあり、プレスをいなされ続けているうちに恐れてきたのか、パスコースが空き気味になり、いよいよガンバのペースになる。

ポゼッションが長く、余裕を持ってはいるが、ただ、前を向いてフィニッシュ前のプレーに持ち込めてはいない。

まったく前に出て来ないのであれば、このまま最終ラインで回しててもいいんじゃないか、というくらい圧力のかからない時間帯。

20分に、無理目のサイドチェンジが失敗し、この日はじめてのピンチを招く。レアンドロが左に二川を走らせるが、そこから戻した遠藤のところで危ない、意味ないパス交換をカットされてカウンターを食らう。遠藤はこの日も体が重そう。

その後、倉田が突破を試みて、DFに弾かれたボールをレアンドロがシュートするが決まらず。

23分には、レアンドロから始まった長いポゼッション。時間をかけて穴を探すが、最後は遠藤がやや流れた右へのパスを出して、加地からクロス、二川があっていたけども、倒されてボールが抜けてしまう。笛はない。

遠藤から縦へのループパスは、倉田とGKの前の面白いところへ出るが先にキャッチされる。

29分、二川からレアンドロに出たボール、シュートをブロックされたがボールはつながり、戻して粘るが結局シュートまではいかず。

ただ、相手ラインが下がったことで、レアンドロがその前に対峙し、二川が少しポジションを下げてボールを受ける形が増えてきた。

家長がセンターでフリーの遠藤に送ったパス。なんでもないボールを処理しきれず、ロストしてしまうが、ファーストプレスからの混戦でFKを得る。だがFKはまったく明後日の方向へ。ここまで遠藤さんいいところなし。代わりに、内田が攻撃面でもかなりアクセントが効いてる。近いところ一辺倒にならないのもいいし、よく見えてる。

倉田がセンターを突破して、右の家長へ。ダイレクトにシュートもいけたが、クロスを選択。中には3人いたが、跳ね返される。34分。

37分、レアンドロが藤春を縦に走らせる、いいグラウンダーのクロスはCKへ。低いCKをレアンドロがコースを変えるも、ブロックされる。

前半AT、左から徐々に右へ展開し、最後は二川が粘って自らシュートもGK正面。

前半はゲームを完璧に支配したし、シュートは9本くらいか。ポゼッション一辺倒ではなく、倉田や家長の仕掛けで何度もゴリゴリのシュート狙いに行ってたし、悪くない。もう少し、遠目からでも早いさばきでシュート打ってっても良いんじゃないかな、とも思うけど、充分なくらい相手ラインは下がっているし、リードしてるしこんなもんでいい。

とはいえ、ガンバに勝つのなんか簡単、っと言ってのけた反町監督のこと(新潟時代)。何か仕掛けてくるのは当然だし、ガンバの方の対応力が問われる後半。

特に、遠藤の不安定なプレーを見てると、自陣でのパス交換には不安しかない。

後半開始最初のチャンス、内田と二川がシンプルに縦へと突っ込んでいったが、前へ向けたはずのレアンドロが戻してしまう。

しかしその後の二川のスルーパスに反応してエリアでボールを受けた倉田、GKとの競争で、わずかに先に触れて打ったシュートは惜しくも枠を外れる。決定的だった。

54分、二川のループに倉田が反応、ダイレクトシュートはGKがセーブしてCK。倉田はその前にバイシクル(空振り)を試みたり、ゴールへの意識は高い。

ただし、GKに粘り強く守られており、何点か損している。

56分、内田がミスから数的不利のカウンターを受けるが、珍しく藤ヶ谷が安定した飛び出しで防ぐ。このあたり、状況判断はだいぶ改善されてますし、今はメンタル的にも良い状況だとお見受けします。

57分には、倉田がひどいタックルで起き上がれない間に松本はプレー止めずCKまで。反則ポイントが少ないチームだと聞いていたけど、ファウルや警告さえもらわなければ汚いことをするチームなんですね。

続けざまに直線的に早い攻撃を仕掛けてくる相手に対して、ブロックを作りきらない。フレッシュな選手を投入して、ガンバの弱いところを突きに来た。ようやく松本のペースになった時間帯を、いかに凌ぐか。

こういう展開だと遠藤のところでボールが落ち着くのは助かる。右サイド加地にゆっくり出して、クロス。とびこんだ倉田はわずかに触れずCK。

倉田から左に走った藤春へはたいて、マイナスのクロスでファーを狙ったようだが、タッチラインを早々に割る。

さらには、レアンドロから倉田へのワンタッチで抜ける。エリアにつめながらのラストパスは相手DFがブロックするが、ボールがGK前にこぼれる。遠藤がいたけどわずかに反応遅れて押し込めず。

レアンドロは低い位置で受けたときに、自分がゴールへ絡むイメージでボールを出すのか、戻しが多い。個人的に攻めあぐねている、という焦りもあるんだろうけど、縦に走り込めている倉田、二川を一度くらい使ってみてもなあ、と思わされる。

藤春がボールを持ち、ゴールに向かって広大なスペースがあるが、回り込んでのグラウンダーのクロスを選択。CKを得たが、もう少し直線的な動きをしても。

65分、レアンドロ-二川のワンツーで抜け出すも、間一髪触れず、CKへ。

内田から、ミドルレンジの縦パス、レアンドロが反応して右から倉田へとクロスを上げるが、CKに逃げられる。

このあたりはセットプレーで脅威がない今のガンバを嘲笑うような守備をされてしまっている。

運動量が低下して、前の方で違いを作れない状況で、ベンチも手を打たず、苦しい時間帯になってきた。

71分、エリアで辛抱強く守って、苦し紛れのシュートを打たせた。藤ヶ谷が安定して回収。結果的にうまく守れているが、守備のシーンをこれだけ作られるとそのうちボロが出る。

74分、簡単に上げられて、フリーでバックヘッドを打たれたが、西野が落ち着いてタッチに逃げる。危なかった。

ボランチから内田も絡んで、前で起点を作るが、やはり動きが乏しくなっており苦し紛れのシュートしか打てない。

それにしても今日の長谷川君は地蔵ですな。

久しぶりに藤春が良い感じで奪ったボールも、二川から右へ展開するところで審判にあたって松本ボールへ。

運も味方せずしばらく松本の時間帯が続く。

ただ藤春は、体を当ててのいい守備でボール回収など、守備での安定感も格段に上がっている。

しかし後半消えている家長が、たまに見かけたと思ったらなんでもないところでボールを渡してしまってピンチになるかとヒヤリ。

ただ、松本の選手はかなり足に来ているようで、何もないところで踏ん張りがきかずにボールロストしてくれる機会が増えている。

78分、ようやく最初の交代は二川に代えて阿部。ボールの収まりが心配ではあるが、思い切りのいい阿部の投入で、エリア内でかき回したい。守備でのアグレッシブさも期待できるし。

その阿部が80分、倉田へ流してレアンドロに配球されるも、悩み多いレアンドロはシュートできず、相手の人数が揃うのを待ってからしか動き出せない。ちょっと重症だなあ・・。

81分に家長に代えてパウリーニョ。序列通りの投入。ズドン、と決めてほしい。

早速83分に、無理クリのミドルを放ち、こぼれ球を阿部がシュート。投入した選手が短い時間で活躍することで、少し押し戻した。悪くない采配。

ところが、どのタイミングでか、パウリーニョがどこか痛めたようで、外へ。急きょ川西が投入される。

バタバタしてしまったことが動揺をよんだか、ミスもあって松本に攻め込まれる。

AT5分は長いな・・・と思わざるを得ない。

せっかく川西の前で相手DFがミスしてくれて。マイボールをレアンドロに出すも、またもシュート打ち切れず。

レアンドロの悩みは深いな・・・、というところでタイムアップ。

もっと点は取れたゲームだとも思うが、疲労の残る中2日の試合を、最小労力の1-0でしっかり守り切れたことをまずは喜ぶべきだろうか。

状況を見た早めの選手交代で、いくらでも楽に試合を終わらせることはできたと思いますけどね。J1ならお互い中2日というところで、なんとなくペースダウンしたりするんだけど、最少スコアということもあって、最後までがむしゃらにやってくるチームが今後も多いんだろうな。

採点

藤ヶ谷:カウンターもあったがシュート精度の低さに救われたし、内田のミスを珍しい飛び出しで未然に防いだところが唯一の見せ場だったか。よくできました

加地:控えめな攻撃参加は、リスク管理か、疲労か。もう少し前でプレーできれば、得点機はあったのかもしれないけど、無失点もなかったかもね。できました

西野:バックヘッドには終わった感が出ましたが良く対応してくれた。失敗しても淡々と縦フィードを出す度胸はさすがのガンバイズム。よくできました

岩下:西野と二人でロングボールを跳ね返し続けた。サポーターがパワープレーに心理的に折れなくなった。よくできました

藤春:サイドを制圧。守備でもボールをからめとる好プレーを見せたが、なによりも攻撃面で圧倒した。得点を生んだクロスも、非常に緻密なゾーンへ早いボールを入れてきた。大変よくできました

内田:遠藤の世話もしながら、機を見て攻め上がるバランス感覚はよかった。ミスもあったが、今野の不在を忘れさせてくれた。初先発だということも。よくできました

遠藤:海外遠征帰ってきたばかりのおっさんにはしんどい日程だったね。内田も安心できそうなので、次は「休みたい」、って言ってくれてもいいんだよ。もう少し

二川:序盤は右サイドで孤立気味だったが、少しポジションを下げることで、トップ下的な働きで輝いた。後半は家長とともに少々消えてしまったために、右サイドはレアンドロがぽつんと開くだけだった。できました

倉田:あらゆる好機にからんだ。使っても使われても相手の脅威になった。フル出場は当然。よくできました

家長:前半は運動量といい、ゴールへの意識といい、守備意識といい、素晴らしい出来だったが、どうやら中に誰か入っていたのか、後半は元に戻って消えていた。せめてゴール決めるまでやろうぜ。もう少し

レアンドロ:チャンスが多いだけに悩みが深い。リフレッシュが必要かもね。(今思うとこの頃には契約の話がもめていたんだろうかね)もう少し

阿部:二川との交代で、推進力をもう一度生み出した。攻められっぱなしにならなかった功績は大きい。よくできました

パウリーニョ:交代直後のプレーで追加点を期待したが即交代。今年もだましだましかね・・。採点なし

川西:出場時間短く、採点なし