2012/7/7 J#17 ガンバ大阪vsFC東京「鬼門で我慢できずに投げやりな采配では負けますよね」

スリランカのホテルでネット観戦。

便利な時代です。

前節大敗で、メンタル的にも心配される藤ヶ谷をまたも先発起用。結果的にはこれで負けたと言っても良いくらい。また、中澤が負傷離脱で、金・今野が急造CB、武井が右SBという、厳しい布陣。内田は前節でのミスでスタメン剥奪。トップは阿部と佐藤の2トップ。前の人数を考えていると言うより、ボランチの枚数から余ったので前を増やした、くらいのことかな。。

試合は案の定、守備の確認が充分取れないところを、簡単に狙われてわずか3分で先制される。

サイドを突破されてとりあえずセンターにボール送られる、金が処理を譲る間にゴールを決められた。やむを得ないけど、藤ヶ谷なんかせえよ・・・。

一方で、攻撃面では、明神-遠藤の縦の関係と、二列目までの距離がコンパクトで、ボールを展開しながらゴールに迫るテンポの良さが戻る。阿部の動きがよくて相手は手を焼き、その結果佐藤もフリーになりやすく、フィニッシュもしっかりとれる。ガンバの時間帯が続く中で、15分にルーカスのスーパーミドルで冷や水を浴びせられる。素晴らしいゴール。

とはいえ、ガンバのできることは変わらない。ポゼッションから圧力を増してゴールを狙う。30分、エリアに持ち込んだ阿部を相手GK権田が倒して、PKを獲得。遠藤がキッチリ決めて1-2とする。

一点差としてオセオセで前がかりになりすぎて、二列目と明神の間が空いてしまい、そこを早いカウンターで返される展開がしばらく続き、試合終了間際、ルーカスに甘い寄せの金が楽々シュートを打たせてしまい、失点。1-3で前半終了。

ガンバが支配できているゲームではあるが、スコアは負けている。変ないじり方しなきゃいいが、と心配したが、さすがに前節で懲りたか交代はなし。

後半は両チームショートカウンターの応酬。どちらも決定的な場面があり、藤ヶ谷が谷澤のシュートを止めたり、阿部が佐藤からのボールでDFを交わしてGKと対峙するが止められたり、心臓に悪い展開。

60分、藤春が左サイドに持ち込んで得たCK、ショートでさばいて倉田があげたクロスを佐藤が決めて2-3。

ここで二川に代えて星原をついに起用。中盤無視のドツキ合い展開を受けて立つ模様。

しかし前で待つだけの星原で中盤が一人減り、しかも二川を欠いてボールがおさまらなったため、その後は東京の時間帯となる。

ここで、今季よくないのは、前でゲームを作れる倉田が孤立しているのが悪い、という判断で下げられてしまうところ。なぜか丹羽を投入して、前節に続きご乱心か!と思ったが、金とコンビで今野SB、藤春を上げる奇策。

しかし東京が抑えきれなかった藤春を前に出すのは悪くない。

後ろからの押し上げも効いてきて、再びオープンな展開になる。遠藤が前でタクトを振るが、流れと言うよりはセットプレーが続いて、決定的なチャンスは作れず。

80分には阿部を下げて佐々木を投入。縦への動きは作れてないのに・・・。

それでも人数をかけて攻め続け、ボールを回しながらセットプレーにつないだり、なんとかゴールに迫るものの、守りに入った東京の守備を割るだけの決定力がなく試合終了。

最終盤ではそれなりにリスクを負って攻め続けたとは思うが、それも投入・交代での人材のバランスの範囲内で、という制限が付いており、やはり最後の段になって相手の陣内で崩しを仕掛けられる選手が気づけばだれもいない、というのは痛恨。PKとセットプレーでしかゴールできていないのは、中盤の流れが悪いからではなくて、監督がゴールアプローチの遅さに我慢できないからではないかな。

苦手東京アウェイでビハインドのまま、采配でそがれる勢いを選手が耐えてよく戦ったと評価すべきだろうか。

採点

藤ヶ谷:棒立ち。開始早々、フィールドプレイヤーと同様に試合に入り切れてなかったり、失点後同じように落ち込んでいるだけでは、GKの仕事の半分もこなしていない。なぜ藤ヶ谷チョイスなのか、契約書でもなんでもいいから目の前に示しながら説明してほしい。もう少し

武井:もちろん不慣れな右SBだが、最初のミスで失点、あとは臆病になってドン引きだった。専門職でないのだから自分の良さを思い切って出す開き直りが欲しかったのだが。もう少し

金:急造とはいえ本職CBとしては絶好のアピール場面でミスを連発、失点にも絡んだが、ガンバらしい中盤へのつなぎと、カバーの良さは見せた。できました

今野:後半途中からまさかのSBだったが守備はもちろん攻撃でも武井よりはずっとよかった。一人で4人分仕事をしていたともいえるけど、古巣相手に気の毒な試合となってしまった。できました

藤春:後ろからでもポジションをあげてからも、最後まで東京守備陣を翻弄し続けた。右が不調だった分だけ、左偏重になったのはやむを得ない。よくできました

明神:早々にビハインドとなったこともあり、攻撃で目立っていたし、前のポイントでボールを奪えることで押し込めた。これを監督が覚えていてくれれば。よくできました

遠藤:攻守に奮闘したものの、最後は相手陣内で孤独にボールの出しどころを探すしかなかったのが気の毒。よくできました

二川:戦術的な交代はやむを得ないが、少し人任せになりすぎたかな.二列目がゴールを狙う意識が出てこないと、いくらボールを回しても対応されるよね。もう少し

倉田:サポートが徐々に減っていく中、周りを活かしたり、狭いエリアに仕掛けたり、懸命に打開を試みていた。倉田の交代で、追いつく目が消えてしまった。よくできました

阿部:PKを得たプレーを含めてエリア内でのプレイは抜群。振り足の速いシュートも宇佐美を彷彿とさせた。あとは連携かな・・・。あと決定機は決めて・・・。できました

佐藤:勇気を与えるゴール。潰れ役のプレーが決まらなかったのは阿部との相性か、相手の守備がうまかったとあきらめるか。強引なプレーで打開するのは期待し過ぎかな。できました

星原:スピード系の選手を投入してパスの出し手を減らすなんて、何考えてんの、と監督に憤慨しておいて下さい。残念ながら特徴を活かせず。もう少し