2013/5/19 J2#15 ガンバ大阪vs群馬「ポゼッション放棄のパウリーニョ・スタイルもガンバのオプションに」

万博観戦。雨。

前節、アウェイ福岡でトライした、パウリーニョ二川の2列目をこの日も採用。

一方で、前節3-0のリードから2失点した守備をどうするか。

GK藤ヶ谷

DF加地西野今野藤春

DMF内田遠藤

OMFパウリーニョ二川

FWレアンドロ倉田

試合開始直後、倉田が横の二川へパス、ワンタッチで縦にスルーパスしてパウリーニョがそれを落ち着いてゴール。いきなりの先制。

スリッピーなピッチ状態で、ダイレクト指向が指示されていたのだろうし、それがまたパウリーニョとのプレースタイルともはまった。

その後もパウリーニョのプレーがこの日は相手を押し込む。

レアンドロの落としをシュート、左サイドからまた二川のスルーパスに反応して早めのシュート、FKも直接狙うなど、なかなか珍しい早めのシュート指向でテンポは良いが、リズムは途切れがち。ガンバにとっては不慣れなスタイルではある。

滑りやすい芝の状態で、お互いパスのミスが多いが、群馬はサイドから縦へ入れてサイドチェンジ、DFを振りながら縦にボールを入れようと徹底している。

それが結実したのが、18分。群馬が縦に入れたボールは西野の前に来たのだが、相手FWが縦へ走ってきてるのに、サイドの選手を気にして正面へクリアしようとしてしまう。みごとにかっさらわれて、ゴール張り付きの藤ヶ谷さんの手をすり抜けてゴール。1-1。

仮にシュートが外れても、焦った西野が遅れ気味に後ろからスライディングで相手を倒したプレーはPK献上だっただろう。

思ったよりボールが早く足下に来たから焦ったのかもしれないが、もう慣れても良い時間だった。

群馬の縦走りは明確な意図があるのだが、対応できないわけではないので、その後もガンバの時間が続く。

パウリーニョのグラウンダーのシュートは、状況判断もよかったし、パウリーニョからサイドでパスを受けた倉田がドリブルで持ち込んでシュートしたのも、ショートパスの確率を考えれば正しかったし惜しかった。

押している割にゴールが遠いことに嫌な予感が漂ってきた25分、倉田が左サイドからレアンドロにパスアンドゴー、レアンドロのワンタッチがそのまま倉田の足下へ転がり、エリア左隅からシュート。これまた早めのシュートが実って2-1、再び突き放す。

31分には、パウリーニョのスルーパスに抜け出したレアンドロがGKと対面するも、攻守に阻まれた。

ずっとパウリーニョの頑張りで決定機を産み出してる。

39分、加地のスローインを受けたパウリーニョが粘って縦に走った加地にパスを通し、クロスをセンターでレアンドロが滑り込みながらあわせて追加点、3-1。

前半は、ピッチ状態に応じたクレバーな選択でリードを広げたが、慣れないスタイルに少々疲労も溜まっている様子。

群馬は3バックで始めたが前半途中で4バックに代えてきたようで、サイドの低い位置からターンオーバーで前を狙ってくる模様。愚直にできることを狙ってきており、まだ安心できない。

後半もガンバが押しながら、たまにミスしたところで群馬が縦へボールを入れるのを狙ってくる。守備にミスが出れば危ない、という展開で、55分には内田に代えて明神を投入。DFのケアと早めのボールチェックを高める指向が長谷川監督らしい。

60分、右サイドで相手DFに一度はカットされたボールをパウリーニョがかっさらって前へ運び、左の二川へロングパス。GKと対峙した二川のシュートはいったん弾かれるが、足下にこぼれたボールを横のパウリーニョにパス。ゴールに流し込み、4-1。

二川へのパスも、ゴール前に走り込んだのもお見事だったが、この試合相当前で引っ張ってくれたパウリーニョが2点目を決めてくれたのは嬉しかった。

さらにその直後、西野がロングフィードで二川へ、二川が縦を向いて倉田へスルーパス。ドリブルで持ち込んで、エリア内で粘るDFをかわそうとするがスリップして膝をついてしまう。しかしそれに釣られて逆方向にスリップしてしまい、体勢を立て直した倉田がGKの股を抜いてゴール。5-1。

点差はついたが、今日の展開だとボールを落ち着けることもできず、早めのシュート指向は変わらず。加地のミドルは久々のゴールには繋がらず。

74分にはレアンドロに代えて川西を投入。

81分には、相手のフィードに対して西野が対応を誤り、ゴール前に決定的なパスをボールを送られてしまうが、シュートミスで事なきを得た。やや遅れがちだったが藤ヶ谷も飛び出して圧力をかけたのが奏功したか。

結局5-1で完勝。

たまにはこういう少ないプレーでゴールへ向かうプランも良いんではないかな、と思いました。

次は雨でなくても、トライしてみて下さい。

採点

藤ヶ谷:「かもしれない」守備をやってほしいところ。予測が少ないので、ミスをリカバリーしてやることもできなかった。俺は俺、で済まさずに改善して。点差があっても振られてオロオロ。もう少し

加地:パウリーニョが無双でその恩恵を右サイドで受けた。とはいえ広大なスペースを疾走してチャンスを演出したりゴールに迫る姿は全盛期さながら。よくできました

西野:凡ミスを2回。相手の速さにビビってた。気にせず良いフィードから1点は生み出したけど、試合決着後なので参考になりません。もう少し

今野:シンプルな相手の攻撃意図にも関わらずリトリートの場面で相手に良い形を作られた。もう少し

藤春:右サイドほどではなかったけど、左サイドもしっかり制圧していた。止められないな、という群馬のあきらめたようなディフェンスにかまけず精進して。よくできました

内田:監督のコメントから察するに途中交代は明神の試合時間を増やしたかったことだけのよう。すかさずにガツガツと守備に行って、相手に思い通りさせなかった。よくできました

遠藤:ここ数節の不出来から多少の回復の兆しが見えた。FK、CKをパウリーニョに譲るあたり、状態も良くないんでしょうけどね。当たりの強いプレーを内田に任せることができたのも楽にプレーできた要因かね。できました

パウリーニョ:スーパーでした。一人で90分を支配した。大変よくできました

二川:決定的なパスを配球し続けた。アイデアはもちろん、体調が良いのか運動量もすばらしかった。ゴールも惜しかったけどね。よくできました

レアンドロ:お膳立てされた決定機を外して、難しいクロスをゴールした。パウリーニョ、倉田との関係性が非常によかった。よくできました

倉田:落ち着かない時間帯に、前線での守備とエリア内へのドリブル突破で、高い位置での攻撃時間を増やした。結果的にも2ゴール。助けてもらうばかりじゃなく、自分が助ける。いよいよ倉田のチームになってきたか。よくできました

明神:試合をクローズさせるような出来ではなかったが、出場機会を増やすことが目的とあらば、まさに達成。早く試合勘戻してね。もう少し

川西:「最後まで前でゴール目指すんや」というメッセージは伝わって来ず。フレッシュな選手がやってあげないと、飛ばした選手たちが気の毒。もう少し

阿部:出場時間は短いけど、スイッチを入れる気がなかった。おこぼれをもらいに来ただけのような。自分で奪い取れ。もう少し