第96回日本陸上選手権二日目短観

二日目は陸上の華、100mの決勝を控えているが、世界を狙えるやり投げにも注目。

男子10000m:

A標準突破者3名がすべてエントリー、またB標準突破者9名のうち、昨日5000m優勝した渡邊と駒大勢2名を除く6名がエントリーするなど、五輪に向けて非常に楽しみなレースとなった。

やはりというか、A標準を狙うようなペースにはならず、東洋大設楽や富士通柏原なども新たにB標準を狙うような積極性は見られなかった。興味は早々に勝負に移った。

なかなか見ごたえのある集団の争いから、スパート合戦で宇賀地・宮脇のA標準突破組を追いていき、B標準突破組の大迫と佐藤のラスト勝負を制したのは佐藤。タイムも28'18と悪くないし、佐藤を五輪に選んでやってもいいのではないかな。

他の二選手はA標準突破組(宇賀地、宮脇、鎧坂)から選考されるんだろうけど、個人的にはこの日の1-3位(佐藤、大迫、宮脇)で選んでもまったく問題ないのでは。大迫の調子もよさそうで、外すのはもったいない。正直A標準組も記録会でやっと切った、というレベルだし、競技会での勝負強さを優先してはどうだろうか。

男子400m:

大混戦となったけど、金丸がわずかにゴールを制した。

マイルを考えると、B標準を突破している廣瀬の不調(7位)は心配だけど、46秒前半でレベルの高い選手が4人以上揃いそうなのは朗報。

男子400mH:

第一人者の岸本が自己ベスト48"41の好タイムで優勝。B標準を突破していた今関、小西、阿部を抑えて、二着の中村、三着の舘野が一気にA標準を突破。大学勢三人で五輪当確。世界を狙えるお家芸の健在ぶりを見せ付けた。感動してしびれました。

男子やり投げ:

村上が自己記録を更新する83m95を出しながら渋い表情をしていたのは、ディーンの好調ぶりを肌で感じていたからなのか。

84m03で逆転したディーンが日本選手権初優勝。技術と経験と怪我と強力なベストミックスで本番に臨んでほしい。三位の新井も順調のようだったし、五輪ほぼ決定だろう。

女子100m:

埼玉栄の土井をわずかに制して福島が優勝。さすがの福島も硬くなったようで、優勝して心底ほっとしているようだった。圧倒的第一人者でもプレッシャーを感じていたのだね。

残念ながらB標準を切れずに、気持ちがインターハイに向いていたかのような土井だが、リレーメンバーとして検討はしないのだろうか。元関連校の和田さんに期待したが、タイムも平凡、6位に沈んだ。

男子100m:

九鬼が最高のスタートで逃げたが、中盤から伸びた先輩、江里口が差し切った。10"29の凡タイムながら五輪内定。

一方、今季織田記念で10"08を出していた山縣は九鬼をとらえきれず三着。

このレベルのプレッシャーで硬くなっていては五輪も心配だが、リレーもあるし当確でしょう。