日本シリーズ2007:ざっくり予想

昨年の日本シリーズは予想もせずに、試合の感想を書いていた。

予想したつもりだったが、それはMLBだったようだ。

昨年、事前にどんな予想だったのか、覚えていない。

しかし記事を見ると、ふつふつと、名古屋圏に生きた少年時代の記憶がよみがえる。

川又がチームに野球指導に来てくれたこと。学校で配られた中日優勝記念の下敷き(奇跡、死力V)。下校時に歌いながら帰った燃えよドラゴンズの替え歌。ぼろいナゴヤ球場。帰りに駐車違反で捕まった父親・・・

私はタイガースファンだが、野球経験の原風景はドラゴンズにもあるのかもしれない。

セ・リーグの代表は今年もドラゴンズだ。

日本一こそが真の優勝だ。

どこにも絡めない(一瞬絡んだかもしれないが記憶から消えた)タイガースのふがいなさはさておき、今年こそは日本シリーズの予想をする。

とにかく中日は日本ハムのようなチームが苦手だ。なぜだろう?

中日も日ハムも、投高打低のようなシーズン成績を見せており、ここという場面での戦略と集中打(点を取るのががうまい)で勝ってきたように思われる。中日はもちろんシーズン二位な訳だから、シーズン成績で比べると、不利になるだろうが、短期決戦という事情を考慮せず、戦力比較からシリーズ予想をしてみたい。

まず中日。

得点力で巨人(684)に対して中日が引けをとっているのが事実(613)ではあるが、出塁数では巨人(1786)と中日(1790)はほぼ互角である。つまり、点を取る、と言うことに関して決して中日がうまかったわけではない。得点数518の阪神や546の広島に苦戦していることからも、点の取り方がうまかったわけではなく、試合の展開に応じて必要な点を取るのがうまい、つまり「野球がうまい」ということに他ならないのではないか。

対戦相手である、得点数522,出塁数1613の日本ハム打撃陣の相似形を探したが、残念ながら阪神ではない。広島カープが得点数546,出塁数1669でチームの点の取り方としては近いのだろうか。球場のサイズが違うので、本塁打数は日ハム(73)に対して広島(132)であるが、日ハムは三塁打数(27)で多少カバーできるのではないか。

得点÷出塁数という指標を使うとより明確だ。

巨人は0.383と高い。中日だって0.342と悪くはない。しかしハムは0.324で広島は0.327(念のため我が阪神は0.307)もちろんこれは、出塁しなかったことを含んでいない。

極端に言えば、投手力についてはほぼ互角(失点は阪神の方が11多い)で、出塁数も少なく、点を取るのも下手だった阪神に負け越した、という中日が果たしてうまく野球をやったと言えるのだろうか?

あるいは、日ハムの相似形たる広島に苦戦したシーズンの戦いを踏まえれば、広島よりもディフェンスの強い日ハム(失点数(広島673,ハム489))に対して苦戦するのではないか?

次に日ハム

一方の日ハムは、それこそ、なぜ勝ってきたのか分からない、などと言われているが、印象としては中日同様、野球がうまい、というしかない。

特に日ハムは、とにかく交流戦の貯金がものを言っている。それはなにかというと、短期集中型なんだ、ということ。

ソフトバンクとの対戦成績が悪い(前半に負った借金の影響ではあるが)ことを念頭に、戦力をみる。

ソフトバンクの得点力は際だって高いわけではない。

出塁数1703, 得点575は数年前までの破壊力と比べると、物足りないし、本塁打数106というのも中途半端感が否めない。ただ、日ハムの統計値はいずれも下回っているのだから、力負け、と言えなくもない。失点数はソフトバンクの方が20(508)ほど多いのだが、打力の差で勝ち越した、と言うべきか。

打撃陣の成績では中日はソフトバンクをさらに上回っている。従ってハムは打ち合うと、順当に力負け、ということは充分考えられる。

確かに中日の失点数550は日ハムより60以上多い。しかし得点数の差は90あるのだから、打ち合いで活路を見いだすよりも、投手陣の踏ん張りに期待するのが現実的だ。そうでないとシリーズには勝てない。

二チームの戦力比較だけをして浮かび上がったのは、

「中日はディフェンスの強い日ハムに苦戦するのでは?」

「日ハムは投手陣が抑えないとシリーズに勝てない」

つまり一方的にはたぶんならずに、もつれるだろうが、日ハム投手陣と中日打撃陣の勝負が命運を分けるだけでしょ、ということでした。(そんなの分析しなくても分かるだろ・・・)

最後に、戦力分析ではない部分について。

日ハムが短期決戦に強いのは承知。勝負強さは健在とも言える。日本ハムは人事面でゴタゴタしすぎ。チーム全体がスタッフ含めて万全の態勢で臨めているはずがない。

対する中日は短期決戦にあまり強くない印象もあったが、今年は交流戦も好成績で、クライマックスシリーズも5連勝で日本シリーズを迎える。

落合監督は、普段通りの野球などとうそぶいているが、今年は明らかに短期決戦用の野球にシフトチェンジしている。そういう点で、始まる前の準備は中日の方が万全。

ということで、結論。

打力だけなら7戦やったら5-2で中日。

日ハムが投手力で中日に勝てる試合が5試合のうち1試合しかなければ4-3で中日、2試合できれば4-3日ハム。

しかし短期決戦の対策という点で、中日にアドバンテージ。ということで4-2もしくは4-3で中日日本一。おめでとう!

あー、試合までに間に合うんかな。