世界陸上大阪2007 第三日:日本のパイオニア2人に賞賛を!

今日は、ハンマーが見やすい、バックスタンド中央の席で観戦。ハンマー目当ての人が多いのか、第三コーナーから第四コーナーにかけて、自由席のお客さんが少ない。今日は、スタンドの「OSAKA」は隠れたかな?

女子400m準決勝

丹野が、日本女子短距離界にとってはエポックメイキング的な準決勝進出。前半の腕ふりのリズムが少しかわいらしいのと、組のレベルが高かったので、前半でものすごい実力差があるようにみえてしまったが。後半までしっかりと追い込んできれいだった走りは予選よりずっと良かったんじゃないか、と思ったら、日本記録にあと0.01秒の好記録だった。これまたおめでとう。彼女が切り開いたんだということはきっと後々まで残るはずだ。それにしてもしかし、みんな冷たいよ。罵声まで聞こえてきたのは残念。

男子1500m準決勝

ラガトはいつのまにアメリカ人に?など気になることはいくつもあったが、気になったのは優勝候補がウェッブだという前評価。古い記録(アメリカの大学記録か?)を破ったことで話題性はあって、単なるメディアスターなんじゃないの、と思ったが。レースを見て納得。自分のスプリント力を知った、冷静で賢明な位置取りで、最後きっちりやってきて決勝進出。ゴールデンリーグでの今季世界ランク一位の記録というのも、何とも思ってなかったが、バーラに対して強いレースをしたのかもしれないな。(そのバーラは妨害で失格に)

ラムーシのことが何も触れられてなかったけど、二組トップでちゃんと決勝残っていた。なんで注目度低いんだろう(まさかの「ら無視」か)。ケニアから帰化したバーレーン人の方が期待が大きいってこと?

小林も、これまた、日本中距離界にとっては非常にうれしい準決勝進出だった。日本人がここで走っているなんて、もう、最高。もちろんほとんどレースそのものには影響のない選手ではあったが、最終周まで何が起こるか分からない、と言う位置にはつけていた。

丹野や小林が、どれだけ停滞していた記録を破って、ここに来ているかを考えてやってほしい。ブレークスルー、パイオニア、どんな賞賛の言葉が適切なのかわからないが、日本の陸上界に対する貢献度は、金メダルものだ、といってやりたい。

男子ハンマー投げ

室伏うんぬんの前に、二連覇中のティフォンが二投まで記録なし。だがハンマー目当てのはずの大観衆はあまり気にならない様子。室伏だけが目当て?しかし三投目になんとか滑り込みでエイトに残る。79mから81m台に八人がひしめく混戦。「一位から八位までの記録の差が最も短い記録(確か2mなんぼ)を更新するかもしれませんね!」と場内FMはマニアックに盛り上がっていたが、肝心の室伏君は瞬間的に4位となる80m38を出すも最終的には6位(80m46)。優勝は、なんと六投目に83m63を投げて大逆転のティフォン。いやー、おもしろかった。フィールドはこの一発逆転があるからたまらないね。

男子10000m

ベケレは世界記録を持っていて、オリンピック、世界陸上三連勝中。速くて、強い、という超人だ。だれがベケレを止めるのか、が興味の焦点。誰が、というのはつまりどうやって、というレース内容に直結する。

レースはエリトリアのタデセがだいたい65-66で引っ張り続けた。あまり細かなペースの変化もなく、暑さもある中、はっきりいって見る分には退屈なペース走だった。ただレベルの高いペースで、何もしなくても一人また一人と脱落していく。一瞬動きがあるかと思ったのは、エチオピアの20歳の選手が前に出たとき、しかし、それは限界のサインだったようで、その後失速してしまう。ペースは少しずつ上がっていくが特にアクセントをつけずとも8000mですでに4人。ひっぱるタデセと、エチオピアのベケレとシヒネ、ケニアのマサシ。ひとり27分台とタイムで見劣るスズキのマサシはそのままでは分が悪い。ということでラスト1000mでマサシが仕掛ける。ペースが俄然あがり、ようやくレースらしくなってきた。最終周で前に出たのはシヒネ。バックストレートではベケレを引き離し、ついに二位返上か、と思いきや。

ベケレはその上を行っていた。ギアが入ると、シヒネが落ちているわけでもないのに、簡単に抜き去り、ホームストレートでは一瞬で引き離す。あまりのスピードの変化に、歓声と同時にどよめきがおこる。ラスト一周は53秒台だった(手元の計時)。強いわ。これでは負けない。結局タイムは27分5秒。この暑さを考えると、驚異的な記録ではないか。

しかし、おもしろかったか、というと、ノー。

これが、チャンピオンシップレースだ、というのは理解できるけど、最後のスパートだけでは物足りない。

女子100m

バックスタンドからは遠かったが、しかし混戦なのは分かった。しかし、電光掲示と場内放送と場内FM、混乱しすぎ。公式結果が出る前に、ジャマイカのキャンベルがウイニングランを始めてしまったが、変更あったらどうすんねん。掲示の前に、記者席にはリリースがあったようなので、それを誰かが知らせたのかもしれないが。結果はキャンベルが11秒01で優勝。男子に続く向かい風で、期待した10秒台は見れなかった。