2007 阪神タイガース展望:野手編

2007シーズンの阪神タイガース、野手の陣容には、ほとんど変化がない。片岡の引退、スペンサーの退団などに加えて、新人選手の獲得はあるが、大勢に影響はない。チームに何かが足りないから優勝できなかったのだ、という視点から考えると、これは由々しき事態だと考えるがどうだろうか。

実は、この記事自体は、キャンプ開始前にほぼできていたのだが、あまりに暗いので、キャンプで若手選手の成長を踏まえて明るい記事にできないかと、待っていた。

しかし、キャンプを通じて(スポーツ新聞は紙面作りのため無理矢理でも若手注目株をクローズアップするが)、何の気配も感じさせない。岡田監督も我慢して起用するので、オープン戦に入ればもしかして、と待ってもやはり変わりなし。離脱した赤星が復帰する、あるいは不調で送り返された濱中が復調する、とかかろうじて現状維持ができるばかり。

もっとも、昨年よりの上積みを見込むとすれば、まずは昨年故障などで活躍できなかった選手たちの復活。それは、今岡であり、赤星である。ただ、同じことは別の選手にも起こりうることであり、すべての選手が怪我もスランプもなく一年を通じて活躍できるわけではないのだから、やはり不確定要素の一つの範疇から出ない。金本が鉄人であることも、とりあえずここでは除外して考えないと。あと十年も連続フルイニング出場やるわけではないのだから

問題は、すべての選手が歳を一つとること。それは、若い選手にとっては何でもないことだが、金本、矢野、桧山などにとっては、動体視力、怪我のしやすさ、体力的な面でマイナス材料といえる。桧山はさておき、金本と矢野は現時点では「代わりの利かない」選手であり、万が一長期離脱することがあれば、相当の苦戦を強いられることになるだろう。

金本が欠けた場合の外野布陣については、緊急的には赤星をセンター固定で、林、浜中、桧山を回すことが可能である。だが、将来的なことも考えると、そこにもう一人若手が入ってこない状況は、厳しい。桜井の長打力が一軍レベルに到達するか否か、がポイントだが、どうもキャンプの状況からは、実力で勝ち取りそうな気配はない。喜田は外野に挑戦しないようだし。

もう一つの選択肢として、足のある赤松がもう少しでも出塁率を上げられるようになれば、赤松・赤星を併用することも考えられる。赤星の離脱もない話ではない。阪神の「チーム」としての機動力は壊滅的で、実際には点(赤星・鳥谷・金本などの個人)で持っているようなもの。その最大の点が抜けた場合にチームとして、打力・守備力はカバーできても機動力がカバーできない。その場合には、赤松の重要性はその他の選手よりも抜きんでていると思う。 

矢野が抜けた場合にどうするか?緊急的にはリード面で野口だろうが、これも打力では大きく見劣ってしまう。浅井の成長が必要なのだが、リード面の成長は結局試合に出ないとといけない。昨年も、故障でも、休養でも、矢野が欠場する際に、浅井にマスクを任せる勇気が、首脳陣に出なかったのだから、きっと今年も出ないだろう。岡田監督以下ベンチの将来構想ひとつなのだが・・・狩野や清水

は現状では無論論外なのだが、数年後(矢野引退後)には、浅井と競争できるように力をつけておかなければならない。というか、抜けるようにしないと。狩野は第二の浅井というか、打力はウェスタンで首位打者とるくらいだから、問題ないとして・・・捕手は何人も伸ばせなかった前例があるから厳しいなあ・・・

内野手は、これまた難解だが、シーツが一塁にいる以上は、今年も喜田のポジションはない。シーツがやめるまで待つつもりか。鳥谷の遊撃も固定、今岡の三塁はケガ次第、であるから、もっとも流動的なのは二塁。藤本か関本か、でいくと

昨年度の実績からは関本だと思うのだが、そうすると藤本の居場所がない。何でもできるようではあるが、スタメンでないとなかなか試合の流れの中では使いどころがない。しかしどんな形でも関本を眠らせるよりは打線のつながりは良くなるはず。守備負担の問題はあるが、シーツは二塁できるんだから回ってもらって、一塁を喜田と関本で争うのが、関本を使いつつ喜田に一軍経験を積ませるという点で良い形だと思いますが・・・。シーツじゃ代えらんないから。しかしそういう様子は皆無ので、結局フリースペースは(皆無事であれば)二塁手。誰か喜田君にそれを教えてあげてください。

打線のラインナップですが、これも昨年と大きく代えようがない。一二番が赤星・関本なのか鳥谷・赤星なのかはそれほど大きな問題ではなくて、赤星が一二番

のどっちか、シーツ、金本、今岡がクリーンアップに固定してしまえば、六番に浜中(林)が入って、あとは関本か鳥谷が上位を打つか下位を打つかの違いでしかない。故障者が出なくても、劇的に変化したオーダーは望めないなー。鳥谷・赤星・関本で並んで、相手チームが驚異だと感じるようになってくれるといいんだが・・・そしたら、その後を今岡・シーツ・金本とか、数年かけて若返りを図

れそうな感じじゃないですか。

先々のことはともかく、とりあえず今年、昨年からの上積みを、どこに求めるか。やっぱり明るい材料が少ない打撃陣でした・・・