2007Jリーグ:J1昇格組・J2降格組のシーズン

Jリーグが開幕した。

早速中断期間ではあるが。

J2からJ1に昇格したチームが、例年そこそこの成績を収める。

成功する理由としては、そうしたチームがJ2の頃からビジョンのあるサッカーをしていたから、という例もあるかもしれない。

しかしどちらかというと、J1の残留チームがJ2スタイルにとまどってしまって、勝ち点を失うケースが多いようだ。同じ論法で、J1からJ2に降格したチームが、面食らって勝ち点を伸ばせないケースも例年見られる。

昨年も、東京VはJ2に最後までなじめず一年での昇格を逃してしまった。

J1の残留に必要な勝ち点は、40前後、J2からの昇格に必要な勝ち点は90前後であるが、J2の試合数の多さも含めて、シーズン開始直後の重要性について考えると、J1からの降格組が一年で復帰するため、よりも、J2からの昇格組がJ1に残留するため、の方がより重要そうである。シーズンはじめのどさくさの時期に、いかに勝ち点をもぎ取っていくか、が重要である。

たとえば柏は、勝ち点7を、横浜FCは勝ち点3を積み上げている。柏は、攻撃プランのないプレスで相手の攻撃の芽を詰み続け、横浜FCは自陣のスペースを埋めるだけ埋めて、ボールと人の行き場を無くす。それが面白いのか、というのはともかく、J1昇格という目的を達成するためにはもっとも確実な戦術であることは、すでに証明済みである。チームにとってもサポーターにとっても、J2で面白いサッカーをやるよりも、まずは昇格、というのが目標に上がっているならば、それでよいと思う。逆に、J2で十分魅力的なサッカーを展開しているチームもある。ただ、柏も横浜FCもそうしたチームを跳ね返してきたのだ。

横浜FCは第三節で川崎に滅多打ちにされてしまったが、しかたない。彼らの戦術プランを上回るチームがJ1には存在するということで、それは横浜FCのプランが間違っているということではない。むしろ、横浜FMレベルを抑えたことで、自信を持って良かろう。少なくとも何試合かは勝ち点1以上を積み上げていくことができるという見込みが持てよう。

残留争いに巻き込まれるであろうが、ぶっちぎりの降格決定ということにはならなかろう。

柏はもう少し見通しが良さそうだ。すでに勝ち点を7得ていることが大きなアドバンテージとなるだろう。ボールを奪う位置が横浜FCよりは高い分だけ、得点をとり、勝ち点を1でも3でも稼ぐ可能性は高いだろう。戦術を徹底できれば、J1の下位チームよりは上に行くだろう。ただし、警告の増える守備なので、退場者の出た試合を持ちこたえたり、出場停止の選手への対応をやりくりしながら戦う必要があるだろう。あとは、J2のようにすんなり勝ち続けられないことで、今のチームプランに対して選手から疑問があがってくることがあるだろう。サポーターもいつまで我慢してくれるか分からない。浦和のように、優勝するまでなら面白味に欠けても我慢してもらえる、というならサポーターの支持をバックに戦術を継続することができよう。

神戸は、「普通」に戦っている。サッカーとして、ファンでもないのに見られるゲームは展開してくれる。三浦、大久保、レアンドロなどを駆使して、点を取りに行く事はできるだろう。しかし、正攻法すぎて、おそらくほとんどのJ1チームには跳ね返されてしまうのではないか、という危惧がある。そういう意味では、相手に退場者の出た第三節(vs横浜FM)をきっちり勝ったのは重要だ。つけ込むべきところを、うっかり取りこぼす余裕は神戸にはない。

また、開幕当初こそ、神戸に守備的布陣を敷いてくるチームは少ないだろうが(同じ昇格組はさておき)、終盤、降格争いを繰り広げるチームとの直接対決になったら、がっちり引いてくるだろう。そして、それを突破するだけの攻撃力は、三浦のセットプレーしか望めない。正攻法でなんとか残留してもらいたいが、華々しく玉砕してしまいそうな気配が・・・

J2からの昇格は、正直良くわからない。

東京Vが派手に行き過ぎているが、2クール以降各チームが守備的な対策をとってくることを考えると、あまり開幕から派手に行かない方が得策なのではないか。ただ、あれだけタレント揃えれば面白いゲームができるポテンシャルは高い。

京都ぐらい地味に入った方が(連続引き分け)、良いのではないか。まあ、いくら内容が良くても、勝利が伴わないと、焦りが出てくるだろうが・・・

しかし、第三節のの湘南-C大阪の試合は酷かった。

TVで見ながら、「何かをやろうとしなければ何も起こらない」という代表監督の苦言がひたすら頭の中を回っていた。

お互いがらがらの中盤で、すかすかのプレッシャー。しかし双方それにつけ込む様子もなく、得点の匂いを全く感じない。蹴鞠大会?

湘南の方は、まだ相手のスペースを見つけては、ボールを出してチャレンジしようとしていた。

C大阪はなんでしょう。「なんでプレーせにゃならんのだ」的なふてくされたプレー。自分が動いて、連携してボールを動かして、ボールを奪おう、ゴールを目指そうという、何だかの戦略も気持ちもない。

せめて、失点しないように、ボールをバイタルエリアに入れられないように、という意識でだけでもあれば、守備的な戦術、と捉えられるのだが、セレッソの意図はいったい・・・

特に、ボランチの外国人の怠慢ぶりは酷かった。FWなのかと思うくらいの、中盤でのダラダラぶり。セットプレーでの得点を補ってなお余りあるダメダメぶりだった。

まあ、オフの間に補強がなくて流出ばかりだったのだから、昨年より良くなるはずはないのだが、それにしてもJ1相手よりももっと好き放題やられている。

J1もそうだがJ2もピンキリなのだが、とにかく長丁場なので、最初から最後まで絶好調では行かないだろう。選手の入れ替わりもあるだろう。だからこそ、チームの芯としての方向性は一致していないと、J1昇格までの勝ち点は積み上げられないと思う。

一貫したチームという意味では、鳥栖あたりが、今年は、入れ替え戦でJ1チームを泣かすのかな?