10/24 日本ハムvs中日 あきらめの終盤

シーズン中の中日は、試合終盤に脅威的な(感動的な)逆転劇を何度も演じてきた。その過剰なまでの集中打は、サイン盗み疑惑まで呼んだ。その真偽について何のソースも持ち合わせていないので、議論はできない。だが、試合終了まで何が起こるのかわからないのが、野球の怖さである、とつくづく思い知らされたものである。

第三戦の先発である武田勝と朝倉はどちらの立ち上がりもさほど悪くなかったが初回は点の取り合いとなった。

日ハム3点、中日1点であるが、谷繁の野選の分、日ハムが余計に点を取っただけ。朝倉はシーズン中とさして変わらぬ出来。ただ、第二戦の流れを引きずっているのか、中日の選手のプレーには硬さがみられる。

そして、初回以降、またしても試合が動かない膠着状態となる。武田勝であれば、中日打線は苦もなく得点を重ねるかと思ったが、武田は、打たれても、打たれても、点は許さない。

象徴的だったのは4回表。ウッズのヒットの後森野が併殺打。二死からアレックスと立浪が連打で谷繁が三振。

中日は5回無死一塁・荒木の打席でエンドランを仕掛けたが、これも荒木の今の状態を踏まえて最悪走者をすすめよう、という意図のはずが、二塁ベース真横に打球がいってしまい、楽々併殺。

アップアップの武田勝が5回まで持ってしまった。

6回表に福留に二塁打を浴びたところで、武田久に交代。

ウッズに対して、初戦とは別人のような、攻撃的な投球で、フルカウントから高めの球を空振り三振にとる。まるで藤川の投球を見るような、「力でねじ伏せた」というにふさわしい投球だった。

中日は7回も井上が併殺打

8回、右右と並んだ中日の一・二番を抑えて二死まででお役ご免。

武田久の投入が早いことが気がかりであったが、2回2/3を抑えたことで、帳尻を合わせた。これは日ハムにとってはもちろん大きいが、中日にも「武田勝をとらえきれなかった」後悔をさせるのに充分であった。

朝倉は、2回以降ほぼ完璧に日本ハム打線を抑えた。早いカウントから打っていく日本ハム打線の狙いもあったのだろうが、実にスイスイと投げていた。第二戦のような交代期を逸したわけではなく、替える理由が見つからない、素晴らしい投球であった。

3-1のスコアで、9回となれば、日ハムはマイケルが出てくるだろう。

そして、そういう場面で、中日は何かを起こしてきた。

逆にいうと、常に緩んだ投手交代をせず、あきらめずに3-1のスコアを維持するのが中日の確実性であった。

しかし、8回裏に森本にポテンヒットを打たれ、田中の今シリーズ5個目の犠打で送られる。左の小笠原を迎えて、ついに朝倉は交代。投手は左の久本・・・じゃなくて、小林。あれ?なんで?

とりあえず舞台慣れさせる場面ではないしな・・・久本が悪いのかな・・・と思う間もなく、初球デッドボール。

あらら、おいおい、どうする。

テレビは、珍しく痛恨の表情を露わにする落合監督の顔を映し出した。

そして、交代。右の中里。まあここは、平井か中里だろうから、やはり舞台慣れ優先なのかな・・・

中里のストレートは素晴らしく、セギノールを三振に切って取る。お、こりゃなんとかなるか。きっとまた落合がしつこく出てきて、左の久本に替えて、ブラウン監督が怒る・・・と思いきや、中里続投。は?あれあれ?嫌がらせ級の投手交代はどうしたの?日本シリーズはテレビ中継が終了しないから、嫌がらせの意味がないとか?

まあ、敬遠気味で、新庄勝負かしらね・・・ほら初球からボールだよ

・・・・とそれをスクって稲葉がダメ押し3ラン。

んんー。勝負あり。

なんだけど、釈然としないのは、中日のあっけない試合運び。

継投のタイミングといい、投手といい、監督の選択は最善だったのか。

併殺が三本、というのも、運が悪いのを通り越している。

プレーでミスがあったとすれば、結局初回の谷繁くらいだ。

日本ハムサイドからすれば、まともに攻撃できたのは初回と八回だけである。投手もやっとこさ抑え、守備も当たり前のプレーがあっただけである。ベンチワークの差・・・としか言いようがない。

あるいは、中日には、シーズン中の、粘っこさを失うような、何かが、監督とチームに起こっているのか。

不思議な、

しかし、日本ハムには大きな二勝目だった。

中日は得意の「普通の野球」ができなくなっている。

そのことが三戦を通じてはっきりしている。