2015/3/22 J1#3 ガンバ大阪vs甲府「今野頼みの○○サッカーで今季初勝利」

ACLJリーグで2分け3敗と苦しんでいる状況で、苦手の甲府へ乗り込む。

ブリーラム戦ではようやく阿部を先発起用できて、攻撃面では改善がみられたけれどもやはり勝てず。この日も阿部がスタメンで、倉田がベンチにまわった。その他、今野、西野、二川もベンチ入りを果たしたのが楽しみ。

風が強くて両チーム苦労する中、6分に明神が負傷退場。小椋の適応が遅れたこともあって、しゃあなしとはいえさすがに酷使させすぎやろ、と思っていたけど、最悪の形で問題が露呈してしまった。代わって倉田が投入される。

前半での交代といえば、西野監督時代に、加地の負傷でチョジェジン投入、昨年も今野の負傷交代で佐藤投入、などで大胆なポジションチェンジを図って活路を見出すことが多かった。この日もそれ込みでの交代だろうという感じはしたが、まずは倉田は今野の位置に入った。

前半はサンドバックとまではいかないが、甲府にしっかりと形を作られる時間帯が続く。決定的なシーンこそ多く作られないが、ガンバはうまくボールを運べず、すぐに自陣に戻されてしまう。SBも前で起点を作れず、大森と阿部もボランチ脇のエリアを潰しに走るため、宇佐美やパトリックとの距離が空いてしまう。ATにロングボールを阿部が落として、宇佐美がエリア深くに切れ込んだシュートが惜しかったが、おおむね我慢のまま前半は終了。

後半開始から、怪我で離脱していた今野が投入される。45分がどうなのか心配ではあったが、まずは今野がボランチに入ることで中盤から後ろの守備は安定。三角形を作りながらSBが安心して高い位置をとって前を向くことで、ようやく相手ゴールに迫るような形を作り始める。

ただ、そうなってからフィニッシュ精度に欠けるのも、今季のガンバの問題。宇佐美、パトリックなどが決定的なシーンを決め切れない展開で、60分、エリア内を固める甲府に対して左脇で倉田に縦に出して中央にクロス、DFラインの前で宇佐美が決定機もボレーを打ち切れず、流れたボールを阿部が左足一閃。弧を描きバーを叩いてゴールネットを揺らす。ようやく先制。

さらにその直後、中央で宇佐美が競り勝ったボールを阿部がアウトで縦に蹴りだしパトリックを走らせる。エリアまで運んで守備を背負ったまま阿部に戻し、阿部は前の宇佐美に出してゴール前に走り込む。パトリックと阿部の献身で宇佐美の前はDF一人だけとなり、左足でワンタッチしてから、空いたコースを右足でシュート。ズドンと突き刺すミドルで2-0。シュート前のワンタッチが、絶妙にコースをつくったという城福さんの(悔しそうな)解説。ただ、もしかしたらACLで厳しくコースを切られるのは、やっぱそのワンタッチが余計なのかもな、とも思いましたよ。

結局この試合も、前半での負傷交代というスクランブルを逆手にとって、絶妙なゲームマネジメントでようやく今季初勝利をつかんだ。

前半から今野を使うのは故障明けという点でリスクが高かったし、倉田ボランチがはまればそのまま行きたかったかもしれない。結果的には、それがはまらなかったことで、今野投入の決断ができて、倉田も後半からポジションあげることで、甲府の守備タスクを増やすことができた。たぶん「ボランチのところ狙えよ」っていう指示が相手には出てただろうからね。

<採点>

東口:前半はばんばんセットプレーを浴びたが落ち着いて対応。落ち着いたままACLのように決められても困るんだけどね。よくできました

米倉:普段は期待しないクロスが、この日は風をついて低くて速く、ゴールを感じさせてくれた。よくできました

丹羽:やられっぱなしの時間帯をよくしのいだけど、今野が入るまではとてもじゃないけど完封できるイメージではなかった。ボランチとの距離を自分で工夫してやってほしい場面も。できました

岩下:ミスもなくキレることもなく辛抱強く耐えた。特にアドリアーノを無力化したのは秀逸。よくできました

藤春:スピードを活かした決定的なプレーはなかったけど、駆け上がって宇佐美や倉田が起点となれるよう支えた。スプリント数は19回だが走行距離が11.5kmということからもこの日の特徴が伺える。よくできました

明神:前半で負傷交代。元々違和感があったのか、疲労からか、キックオフから動きはすぐれなかった。しっかり治してここ一番でのクローザーとして戻ってきてほしい。もう少し

遠藤:相棒が倉田の時も、今野が入ってからも、いつものようにフラフラせずに責任感のある守備に徹した。倉田へのリターンはさすがだったし決めてほしかったね。よくできました

阿部:変化する跳ね返りのボールだったとはいえ、珍しくシュートを吹かした直後のシーンで、しっかりと抑えたシュートをゴールに叩き込んだ。体調はどうなのかわからないけど、阿部を外しちゃだめだよな、と思うこと多々。よくできました

大森:苦しかった前半に献身的なボールチェイスを見せてくれたが、結局違いを作ることはできなかった、マネジメント上しかたないけれど、倉田が後半担った役割で輝く選手だわね。もう少し

宇佐美:パトリックが守備をブロックしながら待って、阿部が絶好のボールをくれたお膳立て。さすがにきっちり決めてくれた。その前にミートさえすればというのもあっただけに。やはりゲームを動かすスコアラーとしての期待を込めて。できました

パトリック:米倉のクロスも、宇佐美のお返しスルーパスも、絶対決めてほしいやつではあったけど、フィニッシュが下手なのも込みで、よくボールを納めたことでこの日は満足。よくできました

倉田:前半はスクランブル的にボランチ発進で苦戦。過剰に相手を追い込むことで2列目がサポートに下がってきちゃう。それよりDFとの距離感ケアして欲しかった。やはり倉田ボランチ大作戦にはまだ時間がかかりそう。後半は定位置で抜群の働き。低い位置からのポジションチェンジということもあってかいつもよりも優しい配球とわかりやすいプレーだったかも。よくできました

今野:大丈夫かよ、は杞憂に。広いエリアをカバーして交通整理で甲府を押し込んだ。生まれたスペースを活用して持ち上がり、食いつかせて左右に散らすなど、絶好調。無理はしてほしくないが、今野にもらった勝点。よくできました

赤嶺:なかなかプレー時間が増えないけど、短い時間で結果を出すことで今後の大事なシーンでの起用も増えると思います。採点なし