ガンバ大阪2014シーズン予想 (1)選手構成編

開幕直前ですが、なんとか滑り込みで予想を。

W杯イヤーになんとかJ1復帰を果たしたガンバ大阪ですが、開幕前から怪我人が出るなど、やはりコンディショニングやトレーニングのスタッフ変更の影響はあるや、なしや。まあ、どんなに順調でも心配に事欠かないのがサポーターの性分ですので、ここは年間の状況を俯瞰してみながら。

まずは選手の構成からみていきます。

ベテランを抱えるガンバにとっては、若手と新戦力によるチーム力の底上げは非常に重要です。

ベテランといえば、まずは明神は怪我からの回復が待たれます。しかしボランチは選手層の厚いポジション。今野と遠藤、内田、岡崎あたりの組み合わせが想定されますので、夏場以降の厳しい試合でなんとか勝点を確保するためのクローザーとしての役割が期待されます。

加地は今季も思いのほか好調。昨季同様、長期離脱がなければありがたいですが、年齢的にもそうは言っていられないですね。ここは米倉を補強したほか、オジェソクもいます。両選手とも攻撃面での能力が非常に高い選手ですが、SHで使っていてはなかなか守備能力も向上しないので、なんとか両選手も含めてうまく回していって欲しいと思います。米倉はおそらく開幕から機会を与えられることと思いますが、個人的にはオをうまく使いこなせないようでは選手構成上厳しいと思います。アジア枠を無駄にしているという意味で。

二川については、長谷川監督の信頼は非常に厚いけれども、一方でアクセントをつけるために交代、という試合が何度もありました。今のところスターター向きの選手だと思っていますが、試合を作るだけでなく、サブとして後半にアイデア連発して違いを産み出すようなスタイルを身につければ、選手寿命は一段と延びると思います。

次に新加入選手。

エブソンは実はどこで起用されるのかよくわかっていないのですが、「ボールを潰せる」という監督の好評価からすると、やはりこの選手もボランチなのでしょうか。あるいは終盤でCBの枚数を増やして必死で守りに行く場面で起用されるイメージでしょうか。今野エブソンの2ボラは、若手の教育という面を除けば、可能性高いんじゃないかと思います。

リンスは、慣れるのを待つよりも、ガンバのポゼッションとは違う形での推進力を期待していいのではないかと思います。ロチャだって慣れてから使ったわけでもなく、スクランブルで結果を出してくれました。彼は見切られるのも早かったけど、リンスはそのあとの引き出しも多そうでいいんじゃないでしょうか。

米倉はサイドでの攻撃力のレベルを引き上げてくれる期待を持っています。ようやく左右の攻撃力バランスがとれるのではないかと期待です。

上述のようにシーズン序盤から機会は与えられると思いますが、守備面とガンバ的ポゼッションへの対応次第で、出場時間は増えていくと思われます。

東口は、守備との関係性や、状況判断など、これまでのガンバのGKになかったストロングポイントが期待されます。反面、藤ヶ谷の至近距離での反応力など、失った部分の大きさにも気付かされるのかもしれません。ただ、フィードなど後ろからの攻撃の組み立ても能力が高いようですので、トータルで見て最高の補強であることは間違いないでしょう。

新加入ではないですが、金正也鳥栖でも決して出場機会は多くなかったですが、それでもガンバのCB争いの一角に名乗りを上げたとみています。バックアップからの開幕だとは思いますが、準備をしておいてほしい。

ユース昇格組は、省略します。なんとか機会があるといいですね。

次に昨季チャンスを与えられた若手選手。

西野は、残念ながら今季の序列はやや下がっている模様。4-5番手という位置づけであり、五輪予選を控えていることもあって試合経験は積みたいところなので、U22選抜T(J3)への登録は正しい選択だろうと思います。ただ、昨年シーズン中の成長も著しかったし、縦パスの質は昨季CBの中では一番よかったと思っているので、何食わぬ顔で出場しているかも。

内田は、ボランチとして使われながら伸びたところがあります。J2相手でもはじめは四苦八苦していたのですが、終盤はスムーズな組み立てと、結構な危機察知能力で、攻守ともに成長を実感しました。ただ、立派な発芽だからといってJ1で通用するとは限らないです。やはり途中交代で入り、攻撃か守備かどちらかの意図を持った起用の中でさらに成長していく必要があると思います。

岡崎も同様ですが、岡崎の方がよりゴール前での仕事で成果を上げています。彼のセンスは、5年後のガンバの中盤を支えるだけのものがあると思っていますので、より前での起用時間が増えることでしょう。

大森は、昨季もっともブレイクした選手だと思っています。

輝くものはあっても、委縮しがちだったこれまでと違い、宇佐美の復帰というイベントも手伝って、右サイドで大ブレイクしました。

良かったのは、プロに入って初めての連続スタメンで、体力的にも精神的にもしんどくなってきた中でも、監督が起用を続けたこと、ではないでしょうか。確かに、調子だけでいえばファーストチョイスにならないような試合でも、いかにして力を出すかという、重要な命題にチャレンジしたと思います。監督の信頼も厚く、打開が必要な時には今季も起用されるでしょう。

逆に阿部は、大森のブレイクで職場を失わないよう、パス交換とゴール意識をうまく織り交ぜながら勝負して欲しい。ガンバのサッカーに埋没しないよう。

最後に、上述した以外、今季鍵を握るであろうプレーヤーを。

遠藤が本当にもう一回W杯まで代表に名を連ねるとは思っていなかった。そしてブラジルW杯までガンバのユニフォームを着ているとも。これは大変ありがたいことではあるし、ここまでの貢献を考えれば、W杯に向けてクラブでの多少パフォーマンスが落ちようとも過度に批判はできない。W杯だって別にメンバーに選ばれたわけちゃうからな、と思ってはいたが、長谷部の怪我でどうも選出は濃厚。どうか怪我のないように。

今野はとうとうボランチ一本ということになりそう。こちらの代表選出・出場は微妙ではあるが、まあそろそろ「良い今野」をガンバでもみたいな。

宇佐美は、狙っていたW杯滑り込み選出を、怪我によって棒に振った恰好だが、よほどの活躍をしたって出場まで持っていけるような序列にはならなかっただろう。それよりもその悔しさを、復帰後のJの舞台にぶつけて欲しい。個人的には、今季中の移籍の可能性もほぼなくなったと思っている。

倉田の成長は、ガンバの次の黄金時代を語る上で欠かせない。もうびびることなく、アタッカーとして自信を持ってJ1でプレーして欲しい。

藤春は俊足という新しいタイプの鉄人としてガンバの左サイドを制圧してきた。守備面での改善は長谷川監督の指導の賜物だし、逆サイドとのバランスや機を見ての自重によって、試合終盤までスピードが持続するという副次的な効果も生まれた。それでもJ1ではサイド突破されることはあるだろう。

でも左右の偏りはずっと少なくなっているはずだ。

佐藤は器用なFWという評価で落ち着いてきたが、J1でゴールを重ねるには器用さだけでなく、武器の強さが必要になる。佐藤の場合、長身を活かしたポストプレーということになるだろう。落としの巧さは実証済みだが、本人がどこまでこだわれるか、が鍵。

選手構成が長くなったので、いったんここまで。

次は、シーズンを追って予想をします。