2012/8/18 J#22 ガンバ大阪vs名古屋「これは・・・監督交代の効果ですか」

アウェイ戦、テレビ観戦。

相性の悪い名古屋戦、とくにアウェイはマイカル茨木の大スクリーンで惨敗を見た悪夢がねえ・・・。

ロンドン五輪が終わって、さっそく永井が先発出場。しばらく一世を風靡していた「フォワード、闘莉王」はこの日は累積警告で不在。ケネディさんも怪我で不在。

ガンバは前節に緊急右SBデビューした岩下が、そのまま初スタメンとなった以外は、前節で同じメンバー。家長はベンチスタート。

キックオフ早々、最初のボールを縦に走られて、そのままゴール決められそうなシーンから、冷や汗もののシーンがしばらく続く。

湿ったピッチにスピードスターを有する名古屋に、裏に弱くて藤ヶ谷な、ガンバ。。。

正直、悪夢再び、をスタンバイしていた。

相手のテンポに合わせて、なんとなくロングボールが多いガンバの中盤に序盤はいらだっていたが、徐々に効果を発揮しだす。

5分、左をゴリゴリ突っ込んだ倉田のマイナスのクロスが、転々と右へ抜けたところ、佐藤がカバーして、中へ入れるも跳ね返される。こぼれ球に遠藤が飛び込んでシュートまで行くがGK正面。

10分には珍しくカウンターでレアンドロがシュートまで持ち込むもやはりGKセーブ。

17分には佐藤が足裁きでDFを置き去りにしてGKと対峙するも、またもセーブ。

ガンバはハイボール、ロングボールが多くて、縦へ走っては好機を演出するも、GKも含めて対応力の高い名古屋を破るのはそうたやすいことではない。

相手のDMFを飛ばして無力化することで、ポゼッションは高まっているが、ゴールにアプローチするにはパスワークも織り交ぜて目先を変えた方が良いのではないか。

お互いに展開が大きく早い、オープンな展開で、名古屋にもバンバンシュートを打たれて落ち着く暇がない。20分の石櫃のシュートは藤ヶ谷の手先をすり抜けるも、辛うじて枠外へ。

30分には藤本のループを、めちゃめちゃ早く見切った藤ヶ谷に絶叫するも、これまた枠外で助かる。

本当に、成り行きでプレーするのはやめて頂戴。

永井のスピードは序盤にやられて以降は今野が良く対応していたが、その分、ゴール前のケアが足りない。岩下と丹羽で3バックのような感じで、右の攻撃は手薄。

それも含めてバランスをとりながら、素早く縦へボールを入れていくガンバの戦術は、現実的と言えば現実的で、昨季までは見られなかった対応力。

最終ラインの混乱を呼ぶのが先か、ガンバの体力が落ちるのが先か。

35分、佐藤が右スペースを縦に走り、倉田が受けてクロス、レアンドロを狙ったが弾かれてCK。

遠藤の速いCKをニアで佐藤があわせるも相手DFがブロック、ボールがファーにいたフリーのレアンドロの足下に転がる。ほぼガラ空きのコースに難なく決めてガンバが先制。

得点後に浮き足立つガンバをよくご存じだからか、前半の内に追いついておきたいからか、名古屋はいっぺんに人数をかけて攻め上がる。人が多いのでパスをつなごうとするが、前半丸々人を飛ばしてロングパスを送っていたので、急にはうまくいかない。

カウンターで岩下が縦に送ったボールを、佐藤がエリア内に持ち込んだところ、増川が倒してしまいPK。高速コロコロで遠藤が決めて2-0。今日はレアンドロが譲った恰好。

(佐藤と楢崎なら、シュート打たせれば五分五分だったんじゃないの、というのは見ている側の暢気な意見だわね。)

増川はレッドカード。その前までにダニエルが倉田を倒してイエロー、さらにその後藤春を突き飛ばして注意を受けており、ほとんど接触プレーは増川の担当になっていたのだが、一発レッドは気の毒じゃないのかね。

ちょいちょい興奮してPKとレッドが出ることがあるけど、ここはPKでイエローが妥当じゃないかね、家本さん。

さらに、前半終了間際には、レアンドロがエリア外からの強烈ミドルがゴールを襲うも、バーの神様がセーブ。

相手は10人だが、鬼門の名古屋、怖い2-0、それを差し引いても、カードが貯まりがちな今季のガンバ、累積を防ぐ意味でも粗い試合にお付き合いはしたくない。また、相手は当然戦術を変えてくるだろうが、松波監督が対応できるかどうか。

60分には、エリア付近で回していたボールに走り込んだ倉田がシュート、CKから回したボールは二川のヒールに反応した佐藤がゴール前に浸入するも枠を外す。

佐藤からフリーのレアンドロへ慎重なパス、レアンドロも落ち着いてコースを狙うがGKセーブ。楢崎の集中力たるやすごいな。

ただ、展開的にも時間の使い方もガンバにとって悪くない。

名古屋は小川に代えて玉田を投入。玉田も苦手だが、もしここで永井を代えられていたら、本日の守備の決まり事が消えてしまってガンバは混乱しただろう。助かった。

66分、遠藤のショートコーナーが再度遠藤に戻って今度はファーへ。真ん中で佐藤が相手守備を引き連れて、慌てた守備が被ったところ、遠くで構えていた今野が頭でゴール。3-0。

さらに立て続けに、ゴール間近で左の藤春から右の二川へサイドチェンジ、中へねじ込んだラストパスに走り込んだ佐藤がコースを変えてゴール、4-0。

ようやく勝てそうな雰囲気を感じはじめた。ベンチもそうだったようで、レアンドロ・二川に代えてのパウリーニョ・武井の投入。

パウリーニョをうまく使おうという中盤の優しさを感じるも、なかなか結果は出ない。

遠藤を下げて大森が投入され、前線はかなり活性化する。大森のテクニックはさすがのガンバユースクオリティを感じるが、どちらかというとそれで目を引いたことで、最後のパウリーニョのゴールに繋がったのかも。藤春の縦突破、クロスに走り込んだパウリーニョが触るだけのゴールで5-0。

名古屋は割り切って若手を入れてはいるが、もう死んでしまった試合では経験にもならんかったな。主力を休ませるという意味合いもあったのかもしれないが、とにかく試合終了。

下手なプライドを捨てて相手なりの試合をできたことが、勝因か。それは現状の成績だからできることかもしれないし、監督のメンタリティかもしれない。いずれにせよ昨季まではできなかったことが今季はできる、ということには大きな勇気を与えられた。

採点

藤ヶ谷:行きずりのGK。強烈なシュートには届かず、ループはとんでもない早さであきらめる、目の前のクロスは見送る・・・。完封とはいえ、まったく評価できない。もう少し

岩下:どっちに転んでもおかしくない時間帯では、相手のセットプレーの跳ね返し、対人プレーなどでゴールを守ってくれた。守備に余裕ができてからは、高いラインを保ってFWへ直接ボールを配球するなど、ガンバらしさの吸収にも積極的だった。よくできました

丹羽:今野が少し前で岩下とのコンビでやってる方がしっくりいってたのでは。大阪山脈の可能性を感じた。よくできました

今野:点が取れる守備の人、ようやくガンバ初ゴール。永井もキッチリ抑えたし、文句なしです。よくできました

藤春:縦突破だけでなくエリア浸入も相手の脅威となっていた。倉田からの独立は正式に承認された感じ。最後のアシストは藤春だけでなく、パウリーニョも、監督も救ったのでは。よくできました

明神:遠藤を「行ってこい」、と送り出す安心感があった。今野が近くにいると燃えるのかも。中盤をとばす時間帯は、相手の長いボールの対応と、パスの出しどころを兼ねていた。あそこから主導権を握れたのは、明神がいるかいないかの差、ってことだな。よくできました

遠藤:二川や倉田とどういうトライアングルをつくるか、に腐心していた。ゴールへの意欲も強かったし、プレイスキックも今日はアイデア満載だった。よくできました

二川:素晴らしかった!裏へのパス、クロス、おしゃれパス等、エリア内で雨あられのパスを通した。今日の途中交代でも納得。お疲れ様でした。よくできました

倉田:攻撃センスのフル稼働だった。自らのシュートもそうだし、ゴリゴリのドリブルでの展開、配球でタクトをふるう姿も、黄金の中盤の一角にふさわしい姿だった。よくできました

佐藤:相変わらず、見た目を利用しての足下のうまさで相手を翻弄していた。PK奪取のシーンでは、「シュートしたらどうだったか・・」などと呟いてしまって反省。しっかりゴールも決めてくれた。でも1対1決めてたら・・・と思わせるのが不思議。よくできました

レアンドロ:一点目は棚ボタか、それとも絶妙の位置取りか。それ以外のシュートは、好セーブにあったり、バーセーブにあったりだったけど、PKをきっちり遠藤に蹴ってもらうあたり、我が強いだけじゃない良い人だったな、とまた思い出した。よくできました

パウリーニョ:皆さんの協力を得て5ゴール目。でもスピードといい、パス交換への相性といい、守備貢献といい、サブにしとくのはもったいない働き。よくできました

武井:落ち着かせに入ったけども、危険の芽は摘めず、決したはずの試合でちょいちょいピンチを招いていた。でも果敢な攻め上がりには、自分の良さをよくわかってるな、とは思った。できました

大森:J初出場とは思えない落ち着きぶりだったが、ややテクニックに走りすぎた。できるのは知ってる。自信を持ってゴールを目指そう。できました