2012/8/11 J#21 ガンバ大阪vsセレッソ大阪「勝点を奪ったのは雨か、ドローを受け入れる意志か」

またも雨、の万博ゴール裏で観戦。

清水から新加入の岩下がベンチ、ところが向こうには苦手の枝村が加入していた。

現状で最もコンビネーションが良さそうなレアンドロと佐藤を2トップにした以外は大宮戦と同じスタメン。

試合は序盤からガンバが攻め立てるが、GKの好反応でゴールは割れず。レアンドロを意識する相手守備の空けたスペースから二列目の倉田、二川がそのまま好機を演出していた。

徐々に雨脚が強くなってきて、さすがに水は浮かない万博のピッチでも、トラップが流れたり、ボールが走ったり、プレーへの悪影響が出始める。

こういう状況だと、ポンポンシュート打ってった方が良いよね、などと言ってるそばから、セレッソのシュートを弾いたボールが枝村の足元におさまってしまい、ゴールを決められてしまう。28分。なんぼほど苦手なんや・・・。

相手FWとの接触でまたまた負傷してしまった加地に代わって、新加入の岩下がそのまま右SBに入る。

急造ということもあり、連携でも縦への攻撃参加でも推進力にはならなかったが、しっかりとした対人能力で守備の安定感はぐんと増した。

天候なりの試合ができないガンバは、ゴール前でグズグズしてる間にボールを奪われ、シュートまでいけない。プレイスキックからしか好機を生み出せず、準備された守備を破るまでには至らないまま前半終了。

とにかく、早め早めにシュートを打てば何かを起こせる、という豪雨。一方で、ボールを手放すことを極端に恐れるガンバの戦術。どうなるのかと思っていたら、後半開始早々に失点。グラウンドの早いクロスを合わせられてGK脇をスルリ。決めたのはまたも枝村。

どうにもならんかな、と思っていた矢先、レアンドロが自分で持ち上がって、センターの二川をくさびにしてGKと対峙。ループ気味にGKをかわしたボールがゴールイン。敵味方大量の選手がなだれ込んでごちゃついたが、佐藤のゴールと認定された。

2-0が怖いスコアだというのはよくいわれる話だが、いったん気持ちが緩んでしまった相手はズルズルとラインを下げて、ガンバの攻撃陣は上がり放題。

二川のタクトに対して、佐藤がシャドー的にレアンドロへとつないだり、遠藤が後ろから追い越したり、かなりのゴールアプローチが続いた中、とうとう同点ゴールが生まれる。

急造SBの岩下があげたクロスが、DFのあいだを転々とすりぬけ、逆サイドの佐藤がきれいに決めた。62分。

ガンバはさらに攻勢を強め、後半消える時間帯の多かった倉田に代えて家長を投入。

遠藤のループはわずかに枠を越え、二川、レアンドロの波状シュートは相手守備陣にことごとくブロックされる。

豪雨の中シュートへの反応が衰えないあたりこういう展開で守り慣れている相手の守備能力が発揮されていた。

攻め続けるもゴールが割れない展開で、監督がご乱心。二川を下げて金を投入し、ポジション的に藤春を一列あげる。攻撃面ではパスの出所が減り、守備面では重心が後ろに下がってしまった。皮肉にもこれが試合を殺して、そのまま試合終了。

勝点1を守りにいった采配だったとしたら、その通りになったわけで、采配的中なんだが、そもそもその指向・目的が正しかったとは到底思えない。

オートマティックに、倉田・二川を代えることが、アクセントを生むと思っているんだったら、前節で何も学習していなかったことになる。

大きな失望を味わった、ドローでした。

採点

藤ヶ谷:GKが逆だったら夢スコアもあったんじゃないかね。良いGKのチームと対戦すると、残念感を強く感じてしまう。ただそこにいるだけの男、だった。もう少し

加地:今年も、怪我・復帰・即怪我、となってしまった。今季絶望のようなのですが、選手生命も心配になってきますね。(神戸が拾ってくれるかな)もう少し

丹羽:遠藤のCKに合わせたヘディング、タイミングがすごくて、「よっしゃ!」と叫んでしまいました。豪雨に曇る反対側ゴールに吸い込まれてほしかった。守備機会は少なかったけど、意識が前へいきすぎて失点を招いた。相手の守備集中力を、真似なくて良いからエッセンスだけ入れて欲しい。できました

今野:丹羽同様、前へ、の気持ちが出過ぎだった。その割に前で活躍できず、今日は危険察知も明神にお任せだった。最後SBに入り、「岩下・丹羽・金・今野」というDFラインに絶句。もう少し

藤春:雨はお嫌い?ダイレクト指向が強まってきた倉田に放置されるようになってきたので、ドリブルで切れ込んでシュート打ったシーンがありましたが、あれを見せていくことで、パス交換もクロスも活きてくる。例え精度が低くても、スペースさえ作れれば、受け手が何とかしてくれるよ、ガンバなら。もう少し

明神:最近バテ気味だったのが、雨で最後まで体力が持った模様。久々に「ゼロの関所」を感じました。(2点とられとるけど)よくできました

遠藤:雨の中、多くの選手が遠藤にボールを預けてくるので、ミスが多くなるのはやむを得ないけど、前半はそれが停滞要因となってました。ハーフコートゲームとなった後半は上がりっぱなしで、プレイスキックも、シュート意欲も高くて、だからこそ逆転したかったんだけどね~。よくできました

二川:好調をキープ。好機を生み続けて、相手もどう抑えて良いか分からない状況の中、監督だけが見誤っての途中交代。よくできました

倉田:前半は一人肉食の気合いが入っていて、相手を圧し返していたが、徐々に空回りするようになった。いろいろあったがやっぱりピンクはダサイよね。次は結果をだしてやろう。できました

佐藤:人を活かすための良い位置取りが、この日はうまく人に活かしてもらえた。報われるこういう試合があっても良いよね。よくできました

レアンドロ:1点目はまあレアンドロが0.9点、ってとこだろうけど、それよりも最後の悔しそうな顔が忘れられない。頼りにしてます。よくできました

岩下:なんで清水で干されたのかさえよく知らなかったが、気合いの入ったプレーと強い対人能力に納得。でもガンバに不足している成分を補充してくれる存在になりそう。攻撃はあきらめていたけど、きっちりアシストまで。よくできました

家長:2戦目とは思えない馴染みっぷりに強心臓ぶりを実感。断固、ゴールへは向かって行かないところも、変わってない・・・。最後まで二川と家長を並び立たせたかった。できました

金:どこに入るかと注視していたが、ボランチ・・・からCBに下がっていったときに仰天した。プレー自体はそつなかったが、前への推進力は生まれなかった。それはポジション上げた藤春だけの責任じゃなく、あそこで入る選手は勝利への執念を見せて欲しかったかな。できました