2012/8/8 ナビスコ杯QF2戦 ガンバ大阪vs柏「敗退と引き替えにした収穫にその価値はあったのか」

アウェイゴール裏で観戦。週の半ばで寂しい集客。ホームとアウェイの入れ替えを行ってから初の日立台。ま、こっちの方が圧倒的に狭いね。

リーグ戦で低迷する現状もあり、ガンバの布陣は割り切ってのサテライトメンバー。

GK武田、DFエドゥワルド、金、今野、藤春、MF武井、遠藤、倉田、家長、佐々木、FW佐藤

ベスメン規定はギリギリクリア。レアンドロの連携強化期間はもう終了した模様。また、レンタルで加入した家長が初出場。勝ち負けを意識していない分、各人の思いきったプレーがみたい。

普段のプレー時間が少ない分、連携はもちろん乏しく、試合開始直後は押し込まれ続ける。4日前のリーグ戦ではフワフワしていた武井もこの日はボランチで守備に集中、今野金のコンビも含めて、守備練習としては鍛えられるシチュエーションだった。17分に失点するまでは柏も押せ押せだったが、その後はトーンダウン。

また、二列目で主導権をとった倉田が躍動。二川なしでのガンバの攻撃は自分が握るんだ、という意志を見せてくれたんじゃないか。

DFを置き去りに裏へ抜けるシーンも、ポゼッションの中心となるのも、ゴールへの意欲も、素晴らしかった。

同点ゴールも、相手エリアを制圧した倉田から、空いたスペースで待つ佐藤へのパスから生まれた。

家長とのかぶりはご愛敬。

また、システム、組み合わせ的にもいろいろ試された。倉田を下げてレアンドロを投入し、家長をトップ下にして佐藤と佐々木をセカンドトップに。家長の王様スタイルだがこれが予想外によかった。起点が一つにもかかわらず、とにかくボールをとられない家長が最終的には前にボールを配球する。これは一つのオプションになりそう。

その後は佐々木を下げて明神を投入。遠藤をあげずに、そのまま中盤ボックスの前へ。

その役割なら阿部じゃね?とも思ったが、遠藤、武井との有機的にチェンジすることを想定したのか。ただしこの日は上がりっぱなしの印象だった。

試合は後半に、何でもないハイボールをクリアできずに決められたゴールが決勝点となり敗戦。もちろんナビスコ敗退。

ただし多くの戦力が確かめ、希望の持てた試合だった。

この試合で各選手が得た経験や、チームが得た収穫が、いつ発揮されるのか。今季の苦しい終盤か、来季か、より将来か。

あまり余裕がない状況では、澄ましてベストメンバーを組んでいる場合じゃなかったのは確かだ。

採点

武田:相当のファンタジーだと聞いていたが、なんのことはない、コーチングと良い、前へ出るタイミングと良い、非の打ち所がない出来だった。ハイボールに冷やっとするのは、藤ヶ谷で織り込み済みです。よくできました

エドゥワルド:攻撃面でゴールへの直線性が好感が持てたし、守備でも相手をよく封じ込めていた。勢いよく仕掛けてサクッと抜かれることもあるあたり、安田を彷彿とさせた。よくできました

金:丹羽に持って行かれかけているリーグ戦のポジションを奪い返す恰好の試合だったが、2失点目はクロスの目測を誤ったか。結局ボランチタイプなんだよなあ。もう少し

今野:なんかミスはしてないなあ、と思ったが失点シーンではうまいこと吊り出されていた。フル出場と良い、敵味方ともからリスペクトされすぎじゃないすか。もう少し

藤春:倉田が左サイドを押さえていた分、守備でもピンチになることはなかった。かといって攻撃でもこれといった絡みはなかった。内に絞るでもなく、左サイドのショートレンジをウロウロするだけで暇そうだった。もう少し

武井:明神不在を感じさせなかったのは、最近の明神の低パフォーマンスのせいか。ただしボールカットよりもズルズルと下がるようなシーンが目立ったのは、SB経験の悪影響か・・・。できました

遠藤:お休みをもらえず、フル出場も、終始控えめのパフォーマンス。上がっていかないことで、家長や倉田の躍動につなげる意図があったんだとしたら大したもんだが。できました

佐々木:スタメン時の右SHでは効果的な仕事ができず。スピードを活かせたのは家長より前のポジションを取るようになってから。改めて難しい動きには限界があるな、ということでスタメンは厳しそうだ。もう少し

家長:相変わらず決定的なシーンで自分でゴールアプローチしないが以前よりは運動量が増していたし、ボール保持力はさすが。よくできました

倉田:目に炎が見えた。これまでは藤春を使うことに神経使いすぎてたんじゃないか。自分で好きなようにやる立場だよ、もう。よくできました

佐藤:ゴールよりも、惜しいシュートが印象に残る。あれを決めていければよりスペシャルな選手になれるんだけど。ただレアンドロとの連携の良さは前の試合に続けて見せてくれた。人を活かせるFWだ。よくできました

レアンドロ:ピッチの雰囲気を一変してくれたが、結果には至らず。できました

明神:もうブーイングもされない、という感じだった。悲しいがこれが現実。もう少し

加地:リハビリ出場。評価なし