2012/4/22 J#7 ガンバ大阪vs清水 「改善の手応えを感じた横綱サッカー」
テレビ観戦。
雨で冷え込み、チーム状態もあって、とうとう一万人を切ってしまった万博。
調子がいいという清水を迎えて、スリッピーなグラウンドで、前半から飛ばして入ったガンバ。遠藤のグラウンダーFKは相手GKを慌てさせたが、同じことは藤ヶ谷にも起こりうると思うと居ても立ってもいられない。
プレスをかけてボールを奪って回す割には、ゴールまで持ち込めない時間が続いて、やや間延びしてきた前半20分、後ろ目から遠藤がロングフィード、ターゲットの佐藤に当てて、落としたボールを武井がダイレクトシュート。漫画のように決まって先制。
続いて25分には、エリア内で佐藤がGKに倒されてPK。ラフィーニャが蹴ったボールはいったんセーブされるが、セカンドボールを落ち着いて決めて2-0。
後半は、間延びしたラインで中盤を崩しきれずに、後方でボールを回し、藤ヶ谷のところで相手に突っかけられて冷や冷や、これを繰り返しつつも、相手にはボールをほとんど渡さず、シュートまでは持ち込ませず。
かなり攻めっぱなしのはずの清水に焦りもあったか、今季珍しくリードしたガンバが、明神遠藤武井の3ボランチ、場合によっては寺田も守備的に回って、中盤で落ち着いてピンチを摘んでいけたのは安心材料だった。
寺田を倉田に代えてゴールに迫ったが、惜しいシュートやGKとの1対1を決め切れず。しかし、前がかりのまま脚が止まってきた清水の守備を十分かき乱し、CKからの佐藤のヘディングゴールにつながった、と思う。
3-0になって阿部やスンヨルの投入で、連動性が欠けて徐々に前線の選手が孤立することになってしまい、守り切れずに一失点してしまったところは、今日の試合に限らない不安材料。8人で守るような状況を改善することができないのが大きな問題なのだが。
とはいえ、90分を通したマネジメントで、リーグ戦ではじめて上から目線で勝点3を挙げたこと（ACLブニョ戦に続き今季二回目）に、チームの改善が見えた。
藤ヶ谷：飛び出す勇気がなくてフラフラするのは相変わらず。ゴールラインで寺田のカキ出しにも助けられた。プレー自体は安定はしてなくても「藤ヶ谷を助けよう」というのも大事なチームのまとまり方かもね。できました
加地：クロスに飛び込んだり、押し込まれる中で終盤の三点目をお膳立てするなど、攻撃面で躍動した。勝利の立役者といっても過言ではない。よくできました
中澤：久々のリードで守りに集中はしていたが、後半はオロオロさせられた。とはいえ、今野とのコンビネーションを形成するには相手の攻撃力からいって格好の試合だった。よくできました
今野：ラインにこだわらず、中澤と前後関係を作って守るのは良かったと思う。ただ、ポゼッションへの参加はまだ無理。早めにいい相手に預けることにするか、縦ポンでもいいことにしましょう。よくできました
藤春：攻撃面での問題はなかったが、相手のサイドがヤケクソ気味で上がりっぱなしなのに引っ張られて下がり気味だったのが残念。前半の推進力。よくできました
明神：お互いが間延びしていた時間帯に、存在感を発揮。危険の芽を摘み続けた。今野と離れて中澤と近かったのがよかったかな。よくできました
遠藤：スリッピーな状況でGKの嫌がるグラウンダーのFK蹴ったり、一点目の縦パス、三点目のCKなど決定的な仕事を連発。リードした展開もあって、後ろでゆっくりしていた。よくできました
武井：佐藤の落としたボールをミドルで先制点、二列目で起用されて積極性が生きた。前半のプレスも相手を混乱に陥れていた。あとは、間延びした時間帯にもう少しコンパクトにできれば。よくできました
寺田：エリア内で、巧いを超えたもう一仕事を期待してしまうと、やや物足りない。今日は前線での守備的な仕事がメインだったと思えば評価できるが、それはガンバ的ではない。できました
佐藤：一点目のアシスト、二点目のPK奪取、三点目のゴール、ガンバの前線にターゲットができた幸せを実感しています。試合開始からチェックを続けて、最後はバテたかと思ってたけど、失礼しました。大変よくできました
ラフィーニャ：PK一度失敗するとかなにそれ。動きは悪くないが、FWとしての何かが欠けているような気がする。ガンバにフィットしすぎたね。できました
倉田：寺田に代わって入ってアタッカーとしての能力を見せつけた。ただ、ゴールにつながらないんだよねえ。大事な試合でほぞを噛むことにならなければいいが。この日に限っては大勢に影響なく、再度相手を押し込んだことを評価。よくできました
阿部：良く走り、クロスに飛び込み、ゴール前に顔を出したが、もうちょい有機的な仕事の中で生きるタイプ。使われる側の仕事に徹してもよかったかもしれないが、勝ち試合でそういうことができるタイプではないのかも。できました
イスンヨル：佐藤を失った弊害ばかりを際立たせてしまった。もう少し
