2012/4/18 ACL_QS#4 ガンバ大阪vsブニョドコル戦「日本人だらけのACLで、勢いも経験も失ったチームのなれの果てを見た」

遠藤を置いての遠征。ラフィーニャをついに先発から外し、日本人のみのスタメン。

ワントップ佐藤、アタック佐々木と倉田、二川をセンターにおいて、明神武井を底に置いた布陣。

試合開始からホームでも守備的な相手に対して、しばらくガンバがボールを保持するが、こちらもしっかり守備からという態勢で、探り合い。イーブンで探り合っては分が悪く、CKからクロス放り込まれて頭で先制を許す(15分)。相変わらずゴールラインで地蔵の藤ヶ谷。

しかし20分には、パス交換で相手守備を切り崩して、倉田のゴールで同点に。そこから、30分くらいまでは、二川のシュートがバーを叩いて下に落ちてゴールやろ!と叫んだり、佐々木の惜しいミドルによっしゃ!と叫んだり、ホームでの快勝と同様にこの日も勝利を疑ってなかった。

だがそこから、中盤で奪ったボールが、前線でクリエイティブにやろうとしすぎて失い、カウンターをくらう機会が増えてくる。カウンター、ボランチ下がる、二列目との距離が開く、立てポン試みる、通らない、で徐々にラインが下がってくる。

また、相手も、良く弱点を研究していて、とにかく早めに最終ラインとGKの間にボールを入れて、誰かが走りこむということを単調に繰り返してきた。そこはホームで得られた勇気だったかもしれない。42分、GKの前でクロスを受けてヘッドでふわりと越され、とうとう失点。。

後半開始から、佐々木に代えてラフィーニャを投入。前線で佐藤をターゲットにしたボールを受ける役割を期待されたが、これがシュートにはつなげられず、ボールを失うタイミングをわずかに遅らせる効果しか生み出せなかった。

攻め込まれると、ボールオフなのかと思うくらい集中できずにスルスルとゴール前に持ち込まれる。これは試合終了まで改善されなかった。

ビハインドということで、徐々に両ボランチの上がる回数が増えて(つまり前がかり)くることで、ようやく攻撃も連動し始めるが、ラフィーニャが引きつけたうえでの佐藤のシュートもそのこぼれ球の明神のシュート、がもっとも惜しかったくらい。

65分には、二川を阿部に交代。推進力は増えるものの、倉田がボールの出し手になったことで、前線でのオプションが減り、配球の精度がおちたことで、ボールを失う場面が増えてしまった。

前がかりになってきた場面で割と浅い位置でボールを失うと、あっという間にゴール前に運ばれる。運んでミス、被カウンター、を繰り返す中、粘ってはいたが85分にダメ押しの3点目を失い万事休す。

バランス度外視で攻め込んでロスタイムに一点は取り返したが、試合終了。

ACL予選敗退をほぼ決定づける敗戦となってしまった。

今の攻撃陣の連動性・完成度では追う展開になってはいけないのに、押し込んだ時間帯に丁寧に、綺麗にやろうとしすぎて決め切れず、ピンチを招いた。こんな展開はこの日が初めてではない。

展開の妙で片付けるのではなく、あの時間帯にゴールへ向かっていけないようでは、若い勢いをそぎ、悪い経験が試合勘を鈍らせているだけの集団にすぎない。あのまま90分支配できる、という強いガンバの幻想がまだ拭えてないんだろうな。そこだけ更新できれば何とかなりそうだが。

藤ヶ谷:相手によく研究されておりDFとGKの間にボール放りこみゃ何とかなるだろ、てな策にマンマと翻弄された。集中失った守備陣の犠牲となった面もあるが、それを鼓舞するのもGKの仕事。もう少し

加地:危険なバックパスをはじめフワフワしっぱなし。劣勢で最終ラインの再年長者一番オドオドしてどうする。もう少し

中澤:相変わらず連携とれないCBコンビで、何度も相手に「どうぞ」をしていた。もう少し

今野:連携の問題だが、裏を取られる(オフサイドとれない)のは今野のラインが上げ切れてないから。だったらカウンター置いて行かれないで。もう少し

藤春:クロス良し、シュート良し、惜しいプレー連発だった。倉田との連携も相手の脅威になったが、左サイド偏重で相手に対応されてしまった。よくできました

武井:中盤の底で守備に集中を欠いて、頼りないCBに危機を先送りした。前がかりになった展開ではやむを得ないが、上がりっぱなしで前線で渋滞しているよりはバランスを取っても良かった。もう少し

明神:藤春の守備のケアに回るのが多く、センターをないがしろにしてしまった。個人的には悪くないが、武井とのコンビかCBとの連携を再構築しないとセンターで人手が足りないのは厳しい。できました

佐々木:スピードを活かすパスに反応できず、ポゼッションに参加してはボールロストの悪循環。役割を理解して思い切って右を往復運動してくれれば、相手も困っただろうが。もう少し

二川:クロスバーにバシンと当てたシュートや、いったん同点に追いついたシーンではさすがの精度を見せた。早々の交代は解せない活躍だった。よくできました

倉田:流れるような連携から美しいゴール。「ガンバの子」の成長を見れた。二川交代後は二列目で奮闘も不可解な交代。パスの出し手を失ったことで改めて存在感が浮き彫りに。よくできました

佐藤:ヘッドも惜しかったし、持ち込んで倒されたのもPKだと思った。あの辺で点が取れてれば、まったく違う展開になったと思う。相手がケアしてきてからも、ポストプレー、前線でのチェイスなど奮闘した。こねくり回すラフィーニャよりも思い切りの良い阿部との方が連動性はよかった。よくできました

ラフィーニャ:後半の攻撃での沈滞を生み、三点目を失ってゲームを決められるのに貢献してしまった。もう少し

阿部:25分間の出場だったがスピードと、佐藤との連携の良さで相手を混乱させるには有効だった。二川を欠いたことと相殺したのが残念。試合が決まってからの消化ゴールではなく、ビハインドで決定的な仕事をするには、両者が並ぶ展開を見たかった。よくできました

パウリーニョ:ゴールに向かう早いボールを蹴れるというだけでも、ガンバにない良さが表れていた。10分で決定的な仕事を数回できたし、2点目にも貢献。ただ、硬軟の「軟」が欠けたメンバーでのプレーには限界があった。よくできました