2012/4/14 ガンバ大阪vs川崎「采配決まってドラマチックでようやく勝点3」

万博ゴール裏で観戦。

勝点で7倍もの差がある川崎さんだが、直前の監督解任で大阪にやってきた。守備的にやってたのがいかんということで、ガンバにとってはガッチリ守られると前節広島の二の舞なのでありがたいこと。

とはいえ攻撃的に来られても万博での川崎戦と言えば去年の6-3も含めて実に心臓に悪い。ACLのアキラ棒立ちとか屑紙もとい楠神のハットとか。

そしてそんな不安は早々に的中。開始早々ボールをつながれて中澤がセンターで簡単にかわされて、今野が右につり出されて、右からクロス入れられてセンターがら空きでズドン。18秒でも公式では1分なのが優しい。数学的に言えば0分だぜ。

ガンバは二川がベンチでその位置に寺田。トップはまたも佐藤が先発。明神に加えて、横谷も怪我でベンチ外。

寺田・倉田の二列目コンビは非常にテンポが良く、今野の縦パスをうけた寺田のループは遠目には入ったかと思うくらいきれいだったし、ラフィーニャが裏を抜けたシーンも相手の好セーブにはあったが、少なくとも崩す形は明らかに前節よりも良かった。寺田倉田のワンツーからのシュートなどはガンバサポの嬌声が響いてもおかしくなかった。

この時間帯は完全にガンバが支配したが、リードしており相馬監督が作り上げた川崎の守備は、完全に崩さないとゴールに迫れない、というコレクティブさを感じた。実際、ほぼノーミスだったのではないか。

そして30分、好事魔多し。中盤底で二列目への配球に腐心していた遠藤の気軽なパスミス。攻め込まれてCKを与えてハイ失点。ド・フリーってなんですか、って聞かれたらこのシーンを見せたらいい。試合後にマークを外されたのは藤春だと知ったが、とにかくこれだけセットプレー守れないんだから、気軽にタッチに逃げちゃいかんし、守備ゾーンでファウルをしちゃいかんよ。いっそ体寄せたままシュートさせた方がマシじゃねえか、って思ってた。

2失点して、動揺したかガンバの選手の足がピタリと止まってしまい、川崎の猛攻に曝される。中盤にボールを入れては奪われるの繰り返しで、全体がズルズル下がってしまい、下がったところで守る能力は乏しく、今野の密集掻き出し力、藤ヶ谷のセーブ、そして川崎のシュート精度に助けられてなんとか失点せずにすんだ、というレベル。

これはやっちまったなあ・・・。と思っていた前半終了間際。相手のファウルで得たFK。コナン君にFKの蹴り方を伝授した手前か、この日はターゲットの佐藤に向けて比較的良いプレースキックを連発していた遠藤のボールがゴール前へGK弾くが、こぼれたボールが左の今野へ。今野がふわりと再度クロスをあげて中澤が頭で決めて1-2。

展開的に前半のうちに1点差にしたのはもちろん大きいが、それ以上に、圧倒されているなかいよいよゲームを決められるかという状態でもらったセットプレーで得た1点。

逆に川崎側からすると内容から見てフェアではない結果で前半終了。

前半、ほとんどノーミスだった川崎だったが、飛ばして入ったことは明白で、後半徐々にプレー精度が落ち始める。それでもなかなか攻撃のリズムを変えられず、川崎も対応ができていた中で、60分に寺田に代えて二川を投入。

これが大当たり。二川が周りを走らせ、川崎のボランチが二川のケアに行かざるを得なくなり、フリーになった倉田、遠藤がつなぎ、ガラ空きのサイドに藤春が突っ込んでクロス。佐藤が走り込んで同点ヘッド。

さらにラフィーニャに代えて阿部を投入し、佐藤ワントップで二列目から倉田・阿部・遠藤が二川に操られる布陣。ガンバのポゼッションに目が慣らされていた川崎の守備陣は完全に崩壊。最後は真ん中に寄せられてまたもガラ空きのサイドから加地が早いクロスを入れて、阿部が決めての逆転。

これだけ打つ手がはまらんと勝てんか!というくらいの、実にうまくはまった展開だったがとにかく3-2でリーグ戦初勝利。2-0からの逆転というのも実に感動的だった。

藤ヶ谷:アレヨアレヨの開始直後の失点ではGKも含めた集中力の欠如をみたが、2-0からの精神的崩壊を何とか救ったのはビッグセーブ。それも藤ヶ谷流のチーム蘇生術か。後半0失点。よくできました

加地:相手が弱ると俄然強気な加地。この日は二列目の手助けもあって、自由にボールを動かしました。よくできました

中澤:スタジアムを勇気づけるヘッド。スタンドを埋めた少年サッカーを早期帰宅からかろうじて食い止めた。アレがないと、種々のミス(一点目とか)には目を潰れないよね。よくできました

今野:2-0からの崩壊を防いだもう一人の立役者。さらには今野-中澤で決めた得点。次は今野もゴールゲットでガンバ的守備に目覚めて欲しい。よくできました

藤春:もうちょっと早めからゴールに向かっても良いのにな、と前半は思っていたが、後半はゴールに向かう仲間にサイドからボールを送るだけで良かった。藤春的には楽な展開。しかし、倉田とのコンビは良いようで実はあまりゴールに結びつかないな・・・。よくできました

武井:前がかりになった展開でよくアンカーとしての役目を果たした。「ボールファイター」でした。よくできました

遠藤:二失点目のミスは、今季を終わらせかねない重要なものだった。後半の活躍くらいではとても許容できない。プレスキックはだいぶ回復してきたが、オーバーエイジもなさそうだし、そろそろ目を覚まして欲しい。もう少し

寺田:二川との違いを見せつけられてしまった。とはいえ自信を持って攻撃に挑む姿勢には成長を感じた。できました

倉田:後半は周りに活かされたが、それでは三年前と変わらない。もっと主体的にチームを動かして欲しい。寺田倉田コンビへのこだわりは松波監督ならではのものだと思うけど、いったん解散しても良さそう。倉田藤春の左サイドも、悪くないんだけどゴールへ向かわないので修正が必要。となると、少し倉田には時間が必要かな。できました

佐藤:いよいよ大黒柱化してきた。ガンバ的ポゼッションでもスピード対決でも存在感を見せた。よくできました

ラフィーニャ:いつもよりはイライラせずよく辛抱していたとは思うが、後半半分の時間を残してラフィーニャをアウトさせたことが、逆転に繋がったことは、本人もベンチも自覚するべきだと思う。もう少し

二川:中6日でベンチならば、満を持しての登場。リズムも代えつつ、ポゼッション力も高めて川崎を攻守に封じ込めた。よくできました

阿部:娘に「次のユニフォームは阿部ちゃん」と言わしめるルックス。はともかく、献身的なプレーとサポの心をつかむ感動的なゴールだった。よくできました

金:ボランチが大はまりで、逆転後に捨て身で攻撃に来る川崎をあしらい、みごとに試合をクローズさせた。守備陣のターンオーバーも願う。よくできました