いまさら2010ガンバ大阪:観戦記(2)W杯後から夏休み終了まで

地震もあって、さらに期間が空きましたが、備忘録だと思っていまさら2010観戦記を・・・なんとか中断期間中に、お邪魔にならないように、と・・・。

7/18 J#13 vs 浦和(万博)「劇団ガンバ大阪

 二ヶ月ぶりのJリーグ、他チームに先駆けて水曜日に京都戦を引き分けての週末。中断期間にイグノを補強したが、当然ベンチスタートなのは西野クオリティ。また、怪我から復帰した橋本が先発。一方、体調不良の二川がベンチから外れる。その他は中断前と同じ布陣で4バック。

 試合は、両チームとも万全の状態と言うこともあってがっぷり四つではじまる。ポゼッション指向の強い浦和は細かいパスを(意味もなく)交換している。ガンバは、宇佐美と平井の縦へのスピードと中盤でのパス交換の緩急で穴を捜す印象。しかし個人の守備能力という点で浦和には力があり、シュートはいとも簡単にブロックされがちで、必然的に遠目のシュートが多くなる。そうこうしてる中、浦和にサイドから崩されて、エジミウソンが飛び込んでダイビングヘッドで先制される。結局ゴールはパワープレイで持って行かれるあたり、パスサッカーをうまいこと目くらましに使われた感じ。もっとも試合自体はガンバが支配していて、浦和ならそのうち崩せるだろう、という満員の期待を前半のうちにかなえてくれたのは宇佐美。遠藤が浦和DFの密集に向けてグラウンドのパス、平井を含めて全員がスルーした先にいた宇佐美が倒れ込みながらボールを蹴り込む。前半は1-1で終了。

 後半も終始ガンバペースですすみ、いつ点をとるのか、時間の問題。浦和相手にこれだけワクワク感の強い試合を見れたのも珍しいが、それも長くは続かず。64分に遠藤が裏を狙った浮き球のパスを出し、走り込む安田。しかし相手にクリアされたボールがふわりとゴールに吸い込まれて2-1。これでますます安泰かと思っていたが、70分、痛んでいたルーカスがラフプレーで一発退場。骨折してたんならその前に言ってよね。。。そこからは浦和が一気に押し込んでくる。雨あられのシュートはパスを繰り出す分だけ時間がかかり、少し焦り気味なので助かったが、とにかく残り時間が長い。宇佐美を武井に、安田を高木に代えるのも逆効果でラインがズブズブに下がっていく。そんな中89分に、相手の山田がファウル後の暴力行為で一発退場。これでまあ乗り切ったかな、と安堵したのもつかの間。直後に相手に与えたCKでエジミウソンに決められて2-2。

 まあ、押された時間帯のこと考えれば勝点1もやむないかな。と思ったラストプレー、遠藤が左の武井にはたき、縦に切れ込んだ武井から、平井に代わって入っていたセンターのイグノへクロス、DFを背にしたまま遠藤へ戻し、遠藤が正面のゴールへ蹴り込む。劇的なロスタイム弾返しで3-2。途中の余裕から一転、最後は劇場になったが、遠藤が南アフリカから連れて帰ってきた勢いを万博の観衆に見せつけてくれた。

藤ヶ谷:数的不利の状態でのセーブには鬼気迫るものがあったが、その分同点弾食らったセットプレーについてはもう少し相談が欲しかった。最終ラインも含めて統率するべきは、あなた。そういう立場になりつつあると思うのも、自分のプレーの安定感からか。できました

加地:右サイドを無言にさせた。攻撃では少し遠慮気味だったけど、片方のサイドを制圧できただけで充分です。よくできました

中澤:得意のブラジル人FWに2点決められたのは反省点。藤ヶ谷の言うことをよく聞こうね。セットプレースカスカでは困ります。しかし相手のパス交換に余裕の対応してくれるあたりはさすがガンバのCB。できました

山口:つなぐ意識が消えたのは、高木の台頭を恐れているから?遠藤とのホットラインも開通せず、不安が募るばかり。むしろ「高木と中澤の間にはなんかあるんか?」というサポーターの疑心暗鬼を呼んでいます。もう少し

明神:なぜか、なぜか、浦和は遠藤をフリーにしてでも明神へのプレスを優先していたけど、なんでだろう。まあいつもフォローしているんだし、明神に人が集まったたぶん、遠藤からの3点が生まれたわけで、たまには辛抱して下さい。もう少し

遠藤:中断前とは人が変わったのだね。W杯を経たせいか、対浦和だからか。とにかく今季最高のヤットを見ました。よくできました

ルーカス:京都戦もイマイチだったが、ここもカードの出たプレーの判定は妥当だった。骨折で離脱も残念。もう少し

橋本:プレーできるのが楽しくて仕方ないという躍動感。何度も切れ込んでいっては相手を混乱させていた。人が減ってしまって、後半バテた後も代えてもらえなかった。貴重な選手だと改めて実感。ぜひ早く試合感を戻して欲しい。できました

宇佐美:浦和の厚いDFに対する積極性がみえたし、ゴールは圧巻だった。ただ、ゴールへの意識が直線的すぎて、それ以前に跳ね返されるシーンが多かったかな。今日の交代は、戦術的な要素もあってしかたない。まあ学んで下さい。よくできました

平井:格下キラーと呼ばれつつある現状を打破できず。試合後も監督の愛情のある厳しいコメント。「物足りない」「フィジカルの問題」は期待の表れ。とはいえ、イグノとの交代は(平井にとっての)厳しいポジション争いを予感させる。もう少し

イグノ:まだまだフィットしないという中で、あれだけの連係。「賢い選手」と何度も試合中に語っていたが、ラストプレーも冷静に遠藤に渡すあたり、ただ者ではない。気迫も、韓国の選手ならでは。よくできました

武井:「守りきる」という与えられたミッションは達成できなかったが、3人がかりで止めに来た浦和DFをさっくり交わしたクロスは、決勝点の最大の山場だった。遠藤と二人で7人抜いてる。よくできました

高木:守備固めで入ったあとにセットプレー決められてはCBがすたるというものだ。それにしても、居場所がみつからないなあ。監督の勇気を期待。もう少し

7/24 J#14 vs 横浜(日産)「なにもできなくて」

 この節から、アウェイ5連戦(金沢はホーム扱いだけどね・・・)という「死のロード」を組まれているガンバ。誰が・なんで・そんな意地悪すんの?仕事終わりダッシュで横浜へ。ついたらもう汗だく。フォーメーションは4-4-2で変わらずも、前節のルーカスの故障でイグノを先発起用。体調不良だった二川はベンチに入るが、練習からどうも体が重そう。久々にチョジェジンもベンチ入り。

 試合は気候の悪さもあって、両チームつなぐ意識が強すぎて、もっさりした入り。10分ぐらいのスパンごとにそれぞれの時間帯が続いて、シュートまではいくが、もう一ひねりがないというか、「ええいもうシュートで終わっとけ」感が強い。まあ宇佐美と横浜の小野の若手がそれぞれ勢いよくシュートを打っていくのでそうなったのかもしれない。相手の中盤は、中村が近年見たことないくらいの妙にやる気で活性化して、時々危ないシーンを作られるが、途中明神のところでなんどか芽を摘み、最後は藤ヶ谷の好セーブでゴールは割らせない。ガンバは前節に続いて橋本がかなりアグレッシブ。シュート意識も高い。イグノがつなぎに徹して宇佐美と橋本がゴールを狙うも、どうも正直すぎるのか相手のDF力との差かブロックされまくっていた。ちょうど二回ずつそれぞれの時間帯があって、スコアレスで前半終了。

 後半頭から平井が下げられ(最近のパターン)、二川が投入される。両チームとも蒸し暑い中で疲労感がにじむ試合展開。55分にガンバ中澤が横浜中澤を倒してPKを献上するが渡邉が外してくれる。ガンバは宇佐美を佐々木に代えて縦へのテンポアップを図るが、投入早々からややバテ気味。67分の遠藤のFK、71分の小野のシュートはいずれもバーが防ぐ。87分には遠藤のロングボールに中澤の頭があったがこれもポスト。しかし跳ね返りを二川が決めてついに終止符!と思いきやオフサイド。たぶん中澤の時点で。ガンバにしては珍しいスコアレスドローかと思い始めたロスタイム、安田がボールをとられ、そのあと小野やら天野やらに後ろからぶち抜かれて一人で数的不利を作ってしまい・・・最後は長い距離をランニングしてきた天野を、直前に山口に代わって入っていた高木が見送り、ニアへのイージーなシュートを藤ヶ谷が止めきれず、ゴールを割られる。

 0-1で悔やんでも悔やみきれない敗戦。監督も珍しく試合後の会見で安田と山口を名指しで叱責。やむを得ないだろう。暑さと湿気はあったが失点シーンはプロとは思えない緩慢なプレーの連続だった。平均年齢の高さも影響しているかと思いつつ、安田がメインじゃ、コンディショニングの問題とも。

藤ヶ谷:ミドルに対する集中力や、小野の手当たり次第のシュートには集中力を欠かさなかったし、PKも気迫で(?)今季二本目のストップ。しかし最後のシュートは止めて欲しかった。「なんでズルズルとシュートまでもってこられてんの!?」という心情は理解できるけどね。それはロッカールームで。できました

加地:暑さのせいかいつもの運動量はなかったけど、悪くはなかった。佐々木と加地が縦に並んでお互いに距離感が不明、というか追い越しちゃいけない感が出過ぎてた。攻撃の起点にはなれないがサイド制圧で及第点。よくできました

中澤:中澤へのファウルと、惜しいヘッドで相殺かな。ゴールかと一瞬喜んだけど中澤が頭を抱えたことで得点ではないことを知ってしまった。できました

山口:交代は怪我かとおもったら、足がつったとのこと。まあ厳しいコンディションでしたからね。でも残り15分でCBを代えなきゃいけないとなると、監督の愚痴にも同情しちゃう。でもまだ監督の信頼は続くのかな?もう少し

安田:試合を通してサイドでさほどやられた感はなかったけど、ひとりだけロスタイムなしで試合を終えたかのようだった。「もうろうとしていたのかな」という監督のコメントはそのぐらい走れっていう皮肉でっせ。もう少し

明神:明神のところで中盤を遅らせることでずいぶん命拾いができた。稼いで稼いだ分が最後の劇的な時間帯までずれ込んだだけかもしれないと思えば、多少は納得がいく。攻撃参加するだけの体力はさすがになかったよう。よくできました

遠藤:前節ほどではないけど、今日も悪くはない。FKしかりクロスしかり。ただちょっと中村を意識したのか、テクニカルなことをしようとして若さにかっさらわれていた。ゴールに向かうアイデアがあればなおよかった。よくできました

橋本:今日もとばしてたし、ダイレクトボレーとか早い時間のシュートがどれか決まってたらまったく試合になったと思う。惜しいけど、やっぱりそれがハッシーのクオリティだよね・・・。怪我でW杯逃した(勝手にそう思ってる)悔しさを晴らすことは出来るかしら。よくできました

宇佐美:グイグイいってましたよ。いくら跳ね返されても、愚直でも、ガンバにはそれが必要だと思って見てた。でも今日はそれ以外のこねくり回すガンバが不足してた。それはルーカスが不足してたとも言い換えることが出来るんだが・・・。グノとはまだ連係不足、ショーキとは相変わらずの息のあわなさ。相手を選んでいるようでは早い時間の交代もやむなし。できました

平井:徐々に時間限定感が高まってきました。結果が出せる気配を感じさせないもんね。それでも頭から使ってもらってるのは、信頼じゃなくて、サブで空気を変えられないからだ、と思うよ。奮起してちょうだい。もう少し

イグノ:今日もクレバーな部分を発揮。シュートはちょっと遠慮してるかな?縦へのスピードを生かすタイミングが遠藤も二川もつかめないようだった。はやく熟して欲しい。できました

二川:しんどそうな割には前限定で決定的な仕事をしてくれていた。あとでハイライト見たら、ゴールがオフサイド判定された後の喪失感というか消耗感、ハンパなかったね。早めの回復をお願いします。よくできました

佐々木:上がった加地との棲み分け、とイグノとの前への突進の棲み分け、とまた妙な気を遣ってるんじゃないだろうか。途中出場・途中交代の国立を思い出して、自分の良さを出すことに集中してほしい。もう少し

高木:プレーはさほどは悪くないんだが、なんだか失点フラグのようになってる。どうやったら状況は好転するだろうか。風水かな?できました

8/1 J#16 vs 山形(金沢)「勝負に負けて、開催地選定と運営で勝った試合」

 テレビ観戦。横浜の惜敗の後、何事もなかったかのように週中、苦手のウイングで神戸を撃破した後の、死のロード第三戦。神戸戦からついにディフェンスラインに入った高木が今節もスタメン。また、前節休んだ明神が復帰。前半から、「なんでこんなとこまでこなあかんねん」と言いたげな山形相手にガンバが押しまくる。10分にはCKが高木へ、いったんこぼれてもう一度遠藤からのクロスに高木がダイレクトボレー!空振りしなかっただけでも声が出たが、クロスバーに当たるなんて、もう奇跡。その跳ね返りを安田、と波状攻撃が続く。そして30分に、相手陣内深くでのスローインから橋本の無回転シュートがゴールにスーッと吸い込まれて1-0。テレビだとよくわかるね。スタジアムだと狐につままれたまま喜ぶことになるゴール。35分に平井が負傷退場するが、待ってました、かのように二川を投入。ボールを支配しつつ、相手のカウンターにも十分配慮したまま、前半終了。

 後半も、ガンバペースでスタートするが、この試合も橋本の消耗が著しく全体的に攻撃は沈滞化。山形は選手交代で徐々に盛り返してくる。55分に二川のシュートがブロックされ、明神のミドルはGK正面、宇佐美はGKとの対決を決めきれず、ここが最後のヤマか。65分にグノを下げて武井を投入。武井のプレーは悪くないが、前線でのプレッシャーが消えて、相手が高いラインを保ってくる。試合終了までおよそ25分、雨あられのようにシュートを浴びせられるが、藤ヶ谷の好セーブ連発でなんとか防ぐ。終了直前には宇佐美を下げて山口を投入してくるあたり、監督は何回やってもこりないな、と苦笑いするしかない。確かに宇佐美はバテていたけど。いつ同点にされてもおかしくなかったが、たまたま相手の精度が悪くて、1-0での勝利。監督「逃げ切りに成功」なんて思わないでね。ただやはり18日で5試合目ということの影響は明らか。次節はアウェイとはいえ一週空くので、なんとか回復してもらいたいモノです。

藤ヶ谷:見せ場が多すぎで集中を切らす暇もなかった。勝点3をガッチリセーブ!文句ありません。よくできました

加地:珍しく加地サイドが浸食されがちだった。ということは両サイドから攻められ放題と言うことです。ああもうやられたい放題、東京やら名古屋やらに清水やらにぶっこ抜かれる時はこういうとき。疲れもあるだろうし、完封なので。できました

中澤:頭で落としたのは入ったと思ったんだけど・・・。後半ゲームが支配できない中、前線に積極的に上がってなんとか打開しようという熱い気持ちはよかったですが、それ以上に最終ラインの不安定さ、どうにかしてください。あと、「船頭多くして・・」という言葉を監督にそれとなく伝えるように。できました

高木:スーパーボレーには笑いました(良い意味で)。確実なプレーを選択したって、高確率ではないのだから、あれくらい勢いがあって良いと思う。先発で連勝だけど、最後に数で守備の勝負しようとする監督が当面の敵かな。よくできました

安田:得点シーンの素早いスローインは三年前のバレー@浦和を彷彿としました。相手の監督のイチャモンは最後までわからなかったけど。とにかくサイドが相手の起点になりまくったが、それでも左サイドに関してはここ何試合かの中では比較的良かった。いや、右の蛇口がちょっとあいたから分散しただけかな・・・?できました

明神:人の多い自陣エリア内で必死の交通整理。しかし悪いときの遠藤とか、今日の武井とか、面倒みなあかんときにはいつも以上に冴える。じゃあ武井いつも置いとくってのはどうだろう。よくできました

遠藤:ひとりだけ異次元で、いつもどおりのポゼッションを指向。前半は良かったが、最後になって「あれ、みんななんでついてきてないの?」って状態でした。あれだけ前のメンバーが下がると、ちょっとどうしようもないけどねえ。できました

橋本:今日もアタマからイケイケ。ゴールも凄かった。でも失速したあとの消え方がハンパじゃない。もうダイナモとは呼べないですね。ホームランにしか期待できないあたり、アオダモか。しかし得点時には何点かは入るやろうと思っていたけど、終わってみたら貴重なゴールとなりました。よくできました

宇佐美:相手が対応できず、少し余裕のあった前半に決めに行って欲しかったけど、ちょっと遊んだ感があった。なめてたわけではないけど、安全にというかギリギリのプレーがなかったかなあ。ほぼフルタイムまで引っ張ってもらったのは収穫。できました

平井:負傷交代しなくても、前半のうちに代えられるべき出来だった。とにかく打たないし、打てばお空へ飛んでいく。出直しです。もう少し

二川:アイデアを生かすまもなく後ろへズルズルと後退・・・。それでも55分のチャンスが決まれば、展開もだいぶ違ったんだろうけど。横浜戦といいどうも体調に応じて運気も下降気味か。風水第二号。もう少し

武井:入ってそうそう、フレッシュ感で一瞬盛り返したが、やはり一人では限界があった。それよりも押し返される圧力の方が堪えたが、これは戦術的な問題。明神のエネルギー源としても貴重だったし、遠藤とのコンビネーション(授業?)もなかなかだった。できました

山口:監督の恐怖心を一心に受けて登場。逃げ切りましたが、特にご活躍はなかったし、特段の守備の安定も起きなかった。短いので評価なし

8/17 J#19 vs 鹿島(万博)「カシマりきられるところでした」

 アウェイを4連勝で締めて、ようやく降格のことを気にしなくてよくなってきて、一ヶ月ぶりに万博(なんちゅう日程!)。ゴール裏での観戦。この鹿島戦と次の名古屋戦がガンバの浮上の最後のチャンスともくろんでいた。加地を累積警告で欠いて、右SBは「武井」。CBはここのところ中澤高木で固定。トップは平井とイグノ。二列目は二川と橋本。一方の鹿島はマルキーニョスを欠いていた。試合は前半5分「ボールボーイのナイスアシスト」と監督が言うように、素早いスローインを簡単にクロスあげられゴール前大迫に飛び込まれて先制される。ガンバがよくやるプレーだが、したたかさなら鹿島が先輩のはず。試合開始直後と言うこともあって集中しきれなかったか。さっそく引きこもりだした鹿島に対して、パス交換で崩したり、サイドから仕掛けたり、ミドルだったりと多彩な攻撃を繰り出す。精度の問題で、さほど手こずっている様子ではなかった。点とれないことはないんじゃないの、という楽観的な気分で前半終了。後半開始から鹿島は、ポロポロとボールを失っていた小笠原に代えて青木を投入。しかし中盤の主導権はなおもガンバ。パス交換とイグノのアジリティで混乱させるところまで行くが、シュート精度に難。鹿島は強引な止めが目立つようになってきて、65分にとうとう中田が二枚目の警告で退場。数的有利になったガンバだが、逆に外聞などなくガッチリ守りに入られることでいっそうゴールが遠くなる。二川に代わって入った宇佐美と平井のコンビでのシュートがことごとく跳ね返されるのを目前でみて、ため息。なぜガンバの守備はコースがあいているんだろう。隣の芝生問題じゃないよな・・・。75分には武井を佐々木に、そしてイグノをチョジェジンにして打開を図るが、いかんせん最終ラインで勝負するところまで運べなくなってきた。時間だけが過ぎる中、ロスタイム、跳ね返りのボールを橋本がミドル。久々にコースを抜けたシュートがゴールに突き刺さり同点。1-1で勝点1を念じとりました。

藤ヶ谷:失点はクロスの時点で反応できていたら大迫にあれほど気持ちよく合わせられることはなかったろう。唯一のミスで試合の残り時間を退屈に過ごすことになった。厳しいけれどもう少し

武井:両サイドやり放題、という鹿島側の申し合わせだったろうし、意思統一されていたからやられたんだろうけど、実際は右サイドがそれほど浸入されたわけではなかった。ただし、それほど圧をかけてくる展開ではなかったことを差し引いて考えないと。攻撃は連続性はあまりないけど、思い切りがいいので今日のような展開だと活きた。できました

中澤:回し続けてセットプレーがあまりなかったし、守備でもさほど仕事する機会がなかった。武井の補佐ということで気合いも入っていたし、負けていても冷静すぎるガンバの選手の中で、戦意を鼓舞する存在はサポーターにとっては安心できた。選手も関係ないって顔しながら、助かってると思うよ。できました

高木:横の中澤とも、前後との距離感もすっかり安定。何かを狙ってる選手が多い鹿島相手には、ビルドアップよりも大きく蹴り返すことの方が有効だった。よくできました

安田:相手の意識が分散した分、いつものようにチンチンにされずにすんだ。しかし攻撃面ではお子様扱いされた。ビッグクラブや対面が強力な相手だと、萎縮するときと果敢に挑戦するときがあるけど、この日は萎縮系だった。もう少し

明神:中盤での小笠原とのコントラストが誇らしかった。ミドルも惜しかったんだけど、もう今年のゴールは打ち止めかな。遠藤には手がかからなくなったけど、この日は武井をフォローしていた。よくできました

遠藤:鹿島を追い詰める指揮はすばらしかったけど、追い詰めすぎて中田の退場を誘って、ゲームが難しくなってしまった感がある。縦への出し入れはあるんだけど、そのままゴールまでは来ないでしょ、って読まれているようだった。グノをうまく使ってゴールをさせてやって欲しい。よくできました

橋本:前半失点後から、積極的にゴールを脅かしていたけど得点できなかったので、ああまた消えちゃうのかなあ、と思ってました。謝ります。ゴール裏での喜びの爆発は、ユースの後輩の宇佐美に刺激されたのか、それとも劇的弾だからか。貴重な勝点1です。大変よくできました

二川:グノも平井も上手に使っていたけど、素直すぎたかな。ファンタジーが少なかった。宇佐美とペアだと良いのかもしれないけど、今の両者のコンディションと前線のタレントではそういうチョイスにならない。できました

平井:チョコチョコ、ダーッっていうのが平井の持ち味なんだろうけど、そのチョコチョコとダーッの間を切るのが絶妙にうまい鹿島守備陣に勉強させてもらいました。新井場と何事か話していたけど、呼び捨てにしたんちゃうやろな。もう少し

イグノ:短時間でガンバのスタイルに馴染んだし、早いし崩すしガンバ至上最高のFWになる可能性があると思ってるんだけど、いかんせんゴールが遠い。磐田時代とは前で受けるプレッシャーも全然違うんだろうけど、どカウンターってあんまりないし、前田みたいに前で貯めれる相棒がいないのよ。ルーカスを待つか、前田の獲得を進言してください。できました

宇佐美:勉強させてもらった組。体力的にきつくなってきてパフォーマンスが落ちているのが自分でもわかってもどかしいだろうけど、これがシーズンをフルに戦うっていうこと。乗り越えて欲しい。時間限定なら良いプレーも見せてくれる能力はすでに実証済み。できました

チョジェジン:久々に登場。結構キレていたし(体が)、鹿島が足下ばかりに集中できなくなったことで、分散されたのがゴールを呼んだのかも。サブとしての充分な働き。よくできました

佐々木:そもそもスッカラカンになっていた右のサイドにいつまでも武井を置いておく必要はなかったと思うんだけど、なかなか投入してもらえなかった。疲弊気味の鹿島にとっては嫌だったろうけど、いい時に比べるとさほどの違いを生み出せなかった。できました