いまさら2010ガンバ大阪:観戦記(1)開幕からW杯中断まで

転職やら引っ越しやらなんやらで、ブログを書くことはできませんでしたが、観戦メモは貯まる一方でした。なんとか開幕までに、観戦メモと評価を簡単にまとめながらガンバ大阪の昨季を振り返っておきたいと思います。

3/6 J#1 vs名古屋(万博)「格の違い」

万博で観戦。大補強の名古屋がチーム力を発揮する前に当たるのはラッキー、と思って望んだがそれでもなお覆せない圧倒的な差があった。ガンバの試行錯誤ぶりを鼻で笑うかのような個の力でしたね。がっちり守られてしまうと、ミドルしか打てない。思えば昨年までの固定型中盤(橋本明神遠藤二川)がスタメンで揃った数少ない試合となりました。

藤ヶ谷:キャッチングに数回ドキドキさせられたが及第点。失点はどちらも君のせいではない。よくできました

加地:守備に追われる時間が多く、しかも翻弄されていた。そろそろ日本最強右サイドという紹介はこっぱずかしいよね。もう少し

中澤:強行出場の甲斐もなく、センターでたびたびケネディを自由に。20本もあったCKで遠藤との呼吸もついに合わずもう少し

高木:安田outでどうなるかと思ったが、中のままでした。普段はつないでくれないので不満だが、今日は君のクリアとフィードの時間だけが安心できた。とはいえ2失点目はフォローを。できました

安田:前半で使い切ったか、後半は別人。というか消えてた。その不安定性が最大の弱点。高木はセンターで信頼を得たようなので、代わりには下平が待ってる。もう少し

明神:故障で運動量は少ないけれど的確なカットはしてくれた。最後は左サイドに張らされたが、いてもいなくても同じ状況でしたね。できました

遠藤:年に何度かの、いない方がよかった日。お疲れ。代表休めないならガンバ休め。その方がマシです。もう少し

橋本:前半はスペースがあったように思うが、うまく連動できていなかった。遠藤の調子に左右されすぎる君の悪癖が出た。早々に代えられたのもやむを得ない。チャリティの前にプレーに精を出せ!もう少し

二川:キレキレ。後半は遠藤そっちのけで多人数で抑えに来られてしまったが、それでも違いを見せてくれた。去年の開幕のことを思えば、テンション上がるよね!是非牽引してください。よくできました

ルーカス:二川の陰に隠れたが、キレキレだった。ただし、またしてもゴールが遠のいた気が・・・早めに回復願います。最後のイエロー余計。減点。できました

チョジェジン:久々のスタメン!も、アタマからブラブラされるとちょいとなあ。他の選手の運動量が増えるので困るのよ。サブに逆戻り?もう少し

佐々木:突破で良いシーンは2-3度みせてくれたが、単発。相手の処理想定内でした。君のせいではない。最後のクロスは、美しかったがね。できました

平井:短い時間だったが、フレッシュさをもっとだして相手に脅威を与えて欲しかった。チャンスは少ないぞ!もう少し

ドド:秘密兵器のまま終わるのかな。宇佐美引っ込めてまでベンチ入りするような選手には見えなかったけど。評価なし

3/10 ACL #2河南建業(万博)「負けに等しいドロー」

雨の平日ナイター、万博で観戦。水原とアウェイで引き分けての二節。ここまで、パッとしないガンバだが、鹿島・水原・名古屋とすべてドローで来ているのは、悪くないというか贅沢言っちゃいけない。この試合から、のはずだった。怪我もあって明神がお休み、GK木村、トップがペドロとジェジンという組み合わせも、お試し感が満載で、少し甘く見たかな。開始直後からラッシュをかけてこられて、ゴール前で左右に揺さぶられて先制点献上。PKをルーカスが決めて同点とする。引いてきた相手を今回も崩せずミドルの山。遠藤も足を痛めたようでセットプレーも期待できず。たびたび裏を突かれたが相手の精度の低さに救われて1-1ドロー。ゼカルロスもお披露目されました。

木村:試合に入るまでに時間がかかったのは失点のせいもあるかもしれないが、アレもガンバのクオリティだから慣れておいて欲しいな。途中からフィードも安定よくできました

加地:相手の勢いに飲まれてしまった最初のプレーが残念。怪我の記憶がよみがえったわけでもあるまいが。ゼロックスで今季のプレーは終了って訳ではないよね?もう少し

中澤:出場直訴はやめて。超危なっかしいパス回しは、今のガンバでは他でも起こることなので命取り。ロスタイムのイエローも余計もう少し

高木:ビルドアップ不参加は、今の状況では吉と出ている。ロングボールの強さはさすが。得点が生まれる匂いありできました

下平:よくチャレンジ。シュートも、クロスもまあまあ。パス交換への参加が安田との違いなのに、今は誰も生かしてくれないのがつらいところ。でも明神不在でもちゃんと留守番できた。できました

橋本:ボランチだがよく攻撃参加。悪くはなかったが、決めて欲しいシーンも何回か。ま、橋本に決定力まで求めるのはさすがに酷だけど、ねできました

遠藤:見つけられなかった。もう少し

二川:調子の良さが少し影を潜めてしまった。後ろのケアに時間を費やされたか。トップとの連動性という部分では、FWだけでなく君にも少し責任がもう少し

ルーカス:さすがのPK。ペドロともゼカルロスとも未だフィットしないのが残念だが・・・山崎呼んできて欲しいできました

ペドロ:連係が悪いとはいえ昨年来たばっかりの頃はもう少しやってくれてたと思うんだけど・・・。良いところだけ抜かれてしまったかな。良い意味で脱ガンバを。できました

チョジェジン:今日はよく走ってくれていた。チャンスを生み出すプレーも数回。でも決めてナンボ。できました

安田:今日は下平のままの方が可能性を感じた。悪い交代でした。もう少し

ゼカルロス:突進力にはバレー以来の重量感。どこで仕事をさせるかできました

3/14 J#2 vs C大阪(長居)「凡戦ダービー」

長居で観戦。街がまったく盛り上がらない大阪ダービー。長居のスタンドはガラガラで、ガンバサポがいなかったら閑古鳥の状態。もうちょっと商売しようね。試合も凡戦。相手はドン引きからの縦ポンを繰り返すばかりで、ガンバは例によって引いた相手を崩せずミドルの山。1-1の両得点もそのケースでした。この試合を見る限りセレッソが降格一番手だと思ってしまいました。実際に上向いたのはW杯で各チームの戦力配分が変わった後かな。ガンバサイドからはブーイングもあったが、ダービー云々ではなくて、いつまでも試合内容が改善しない事へのイラダチだったのかと。帰りに寄った居酒屋で、隣席のセレッソサポがしきりに、「力の差を感じた」「がっくり」と落ち込んでいたのを見て不思議だった。どこに力の差を感じたのだろう・・・。

藤ヶ谷:アドリアーノのシュートも、最後の乾のシュートも、結局何もできていなかった。悪くはないんだけど、相手からしたら迫力もないできました

加地:今日はカウンター警戒のためか引き気味。でも3バック相手にSBが上がらないで得点の気配は増えない。いや、それは監督の指示の問題か?でももっと行って欲しかった。それに肝心の失点シーンでケアできなかったもう少し

中澤:失点シーン以外は、まあまあの出来だったと思ったんだけど・・・。なんとなく山口がいないと気合いが少ない気がする。もう少し

高木:対人の強さが生きた。だからこそ中澤が突破されることになるんだろうけど・・・お互いカバーしあって。よくできました

下平:好調を維持。今ならFKは遠藤と半々で良い。チョジェジン起用が続くうちに、二人で結果を。よくできました

明神:復帰後即ゴールはさすが。しかし中澤のしつけももう少し頼む・・・よくできました

橋本:今日もミドルが不発。パス交換も、なんだか乗ってこないね。心の問題ですか?もう少し

遠藤:今日は二、三回は良いシーンがあった。遠藤にしては少ないし不満だけど、多少はマシになってるできました

二川:消えてしまったのは、相手が遠藤を軽視して君を抑えに来たからか。やむを得ないが、だったらもう少しひきつけてほしいなもう少し

ルーカス:数回チョロった。献身的な守備は良かったが、前を向いて仕事をしてほしいこの時期。たのんますもう少し

チョジェジン:悪くはなかった。でも下平にも遠藤にも良いボールもらっといて結果が出ないのは痛い。厳しくもう少し

ペドロ:なぜこんなにフィットしなくなったのだろう?もう少し

平井:出場時間が短いので評価なし

3/20 J#3 vs新潟(万博)「慰めあった?」

強風で席に荷物さえ置いておけない万博で観戦。佐々木をシャドーにしたルーカスのワントップ。中盤はまだ固定メンバー。3バックの前節にこれをトライして欲しかったがやむを得ない。前半は押されまくる。マルシオが自由自在すぎた。佐々木は前半途中で肩を痛めてジェジンと交代したが、先発の佐々木は機能しない、の格言通り、これは不幸中の幸いか。ハーフタイムでブーイングもやむなし。55分に痛んだルーカスに代わってペドロが入る。ボール欲しさに下がっては潰されてボールを失いペドロ、イライラしてカードもらうペドロ、わずか25分で再交代させられるが、ユニフォーム投げ捨てベンチに向かって大怒り。そのまま退団となりました。安田の攻撃スイッチが入った後半30分頃の時間帯は見応えはありましたが、とにかく両チームの状態の悪さで、お互いに低め合うといったような、醜いスコアレスドローでした。

藤ヶ谷:天候に負けず、またそんなことも気にせず平気でボールを戻す中澤にも負けず、好プレーを連発してくれた。今のチーム状況ではこれ以上は臨めない。大変よくできました

加地:最後のシュートシーンだけでも、見に行った価値はあった。復調気配と思いたい。よくできました

中澤:悪くはなかったが、セットプレーで全く可能性を感じないのもどうかと思う。娘が君のユニを欲しいと言い出したのも、評価を下げる要因。理由は「イケメン」。次はプレーでも魅了して。できました

高木:CBとしては最低限の仕事を常にしてくれていると思う。だからこそ、勝利が欲しいのだが・・・このままでは山口復帰時にチェンジされてしまうのは君の方になりそうで怖い。できました

安田:最初のシュートから、最後にスイッチが入るまで、あの間隔を短くしてくれたら、ガンバの未来は安泰なんだけど、ね。でもまだ贅沢は言わない。とにかく70分からは楽しませていただきました。よくできました

明神:まさかの連続ゴール決まるかと思ったが残念。橋本とのコンビの方が安定はしているようだ。よくできました

橋本:低い位置から上がっていった方が、持ち味出るのかな。前だと窮屈そうだったけど、今日はノビノビプレーしていたようだった。戻らなきゃいけないから、プレーを切って帰るのが良いのかもね。その調子でリズムを。できました

遠藤:佐々木もルーカスも生かせなかった前半の罪は重い。巧く操りさえすればペドロ投入さえしなくてよかった。もう、船かなんかでケープタウンに出発すれば?もう少し

二川:最後にシュートするまで、前向きな仕事は見れなかった。ルーカス交代後は特にサイドのケアに時間を割かれてたけど、決定的な仕事にも意識を。もう少し

佐々木:戦術の犠牲、と言えなくもないが、与えられた役割を気にしすぎだったかも。今一番足りない、アグレッシブさ。君が持ち込めないなら、寺田や倉田に頼るしかない。帰ってくるまでに信頼回復を。ペドロの途中in-outで、二年前の国立を思いだして欲しい。もう少し

ルーカス:怪我したシーンは少し無駄なプレーだった気がするけど・・・不在になって影響の大きさに気づく。というより今日の他メンバーの出来では、ルーカスがいないと守るしかない。できました

チョジェジン:悪くはなかった。でも下平にも遠藤にも良いボールもらっといて結果が出ないのは痛い。厳しくもう少し

ペドロ:今日のは君が悪い。まずプレー、そしてその後の行動も。西野監督のことをわかってないんだろうし、もうダメなんだろうね。失格

平井:飛び出しのセンスの良さ、連携は見せてくれた。ただ、シュートを!できました

3/28 J#4 vs仙台(万博)「三月未勝利はないと思ってた」

寒風吹きすさぶ万博で観戦。メモには、「ホットワイン凍る」とあるがそれは気温のことか試合のことか。山口が復帰してセンターへ。高木が左へ入る辺り、監督の相当の信頼感が感じられる。ルーカスは痛んだまま長期離脱の様相。試合前半は引いてくる仙台のカウンターにしばしばドキドキしながらも、高い連動性からのシュートもたくさん見られて、今季始めてガンバらしい試合を見た気分。しかし無得点で後半へ。好事魔多しで、橋本がPK献上し先制される。しかしその後橋本がPKを取り返し、さらにシンガポール(ACL)のハットトリックで覚醒した平井が加地クロスを豪快にけり込んで逆転。今季初のお祭り騒ぎであと5分乗り切るだけだったが、やはりガンバらしさは失っていなかった。山口が終了間際にPKを献上して2-2ドローで終了。現地ではかなり憤慨したが、帰宅して確認したら確実なPK。

藤ヶ谷:PKはしかたがないとはいえ、ストップする可能性がまったく感じられないので、これからは見ないようにします。カウンターでくるのは分かってるんだから、しっかり守備陣との連携でファウル無しで止められるようなコーチングを!できました

加地:平井に決めていただいて御礼を言わなきゃね。でも今季はなんだか可能性のあるクロスが多いよ。色目を使われても代表復帰はしないで欲しい。よくできました

中澤:勝ったら買うと約束してきた娘用の君のユニがまだ買えない。崩されるシーンはあまりなかったけど、ちょっとお互いの距離感が悪いかもね。カバーが遅れて関口やらリャンやらの選択肢を多くしてしまった。もう少し

山口:CBを三人で回していくのが今年の理想かもしれないけど、今日の出来ではちょっとまだ戻ってきてないかな。フィードやセットプレーでの強みをもっと見られればまた変わると思うけど。もう少し

高木:左サイドからの攻撃をたびたび許してしまったが、大事には至らず。ただ強豪との試合ではズタズタにされる可能性を感じた。パス交換もまだガンバのリズムに乗り切れていない。もっともチーム全体が乗り切れていないからね。できました

明神:体が言うことをきかない、という感じでしたね。カバーリングが遅れる分だけ、相手に余裕を生んでしまった。明神の回復・中盤が安定・得点パターン増・失点リスク減という青写真は描けている。もう少し

遠藤:PKはさすが。とはいえFKでもフリーのシーンでも今日は良いシュートを放っていた。ちょっと後ろでのプレーが多いのは明神のケアもあるからやむを得ないかな。でも遠藤が消えている時間帯を減らしていかないと状態は上向かない。よくできました

橋本:往復運動に無駄が多かったが、PK献上の分、なんとか取り返してやろうという気持ちは感じた。佐々木とゼカルロスが入ってからは後ろに下がり気味。バランスはとれていたし、崩されることがなかったのはあなたのおかげかも。できました

二川:キレてるなあ、と思いつつも、なぜか連動性を生んでいかないことが不思議。美しいプレーではなく、アジリティも見せてくれたが、一人何役もさせることが良いのかどうか。よくできました

平井:あんなゴールを決めると思ってないから、どうせあわせただけだと思ってました。興奮したね。まさか、まさかの覚醒か。よくできました

チョジェジン:誰と組んでもフィットしない、ていうんじゃ困るんだけど。ジェジンの強さを生かせるような、プレーの選択枝をとるべき時間帯もあると思うんだが、とにかくゴールが必要だなあ。もう少し

ゼカルロス:突進力が今のガンバにない魅力なんだけど、ガンバのサッカーにあわせようとしすぎて自分の良さが消えてるかな?だれかバレーのビデオを見せてやってくれ。もう少し

佐々木:アジリティと槍のようなゴールへの目線で仙台を混乱させた。しっかしサブでは別人のようき機能するね。良くも悪くも相手がガンバのまったり感にハマってから出すべき選手と言うことか・・・。先発で機能するのもみたいけど。よくできました

安田:よく分からなかったが、前線待機で良かったのかな?平井に代わって入って、高い位置で潰したりできればよかったんだけど、何もできずに同点とされるPKを近くで見に来ただけになってしまった。評価なし

4/13 ACL#5 vs水原三星「今季と未来の星を見た」

夜、珍しく原付で万博へ。リーグ戦のアウェイで磐田に3バックを葬られ、大宮相手に初勝利の代償に平井と橋本を失った。予選グループ首位の水原を迎える「家電ダービー」。まああちらさんは重電なので柏とやってもらったらいいんですけど。勝てば決勝T進出が決まる。DFの不安定さに四苦八苦の状態を表すように、スタメンにずらっとDFの名前。中澤高木山口の3人がCB、加地は右SB。安田は宇佐美に近いのでSBではなくウィング。高木も左ケアする変則布陣。前半はとにかく裏へ抜けようとする宇佐美と大塚に対して、水原の守備が慎重かつうまく対応し決定機なし。GK李の安定感がハンパない。宇佐美の強引さにサポーターもイライラ、本人もイライラ。前半残りわずかで水原は徐々にカウンターにも人数をかけだし、サイドを振り、ボールをゴール前で動かして、ガンバの穴を丹念に突く。CBが3人いるとは思えないザル加減にイライラは募るが、終わって思えば、2人なら突破されてたよね、と納得。HTを挟んでも水原ペースで60分、CKを最も苦手なファーサイドに振られ先制ヘッドを決められる。首を振ってゴール前を往復するするボールを眺めていた(ように見えた)ガンバDF。誰かがあわてて近づいていったが飛んでもいやしねえ、と現場では激怒したが帰って確認したら明神だったのでやむなし。明神しかそこにいないのが問題。

沈滞ムードの漂うスタンドとは対照的に、スイッチの入ったピッチの選手たち。宇佐美が強引なドリブルで切れ込み、止めにかかったDFに倒されるが、こぼれたボールがエリア右の二川へ。DFラインの前だが浮きぎみのシュートを逆隅に蹴り込んで同点!相手からしたら完全に対応していたのにどうしようもないゴール。二川の個人技。70分に大塚を佐々木に代えて、宇佐美を前へ。推進力のアップを図るが、水原は無理せず勝点1狙いの様相。疲労の色の濃いガンバの選手たちだが、脚をつった宇佐美も含め、交代する様子はない。もっともベンチにも確実なカードはないが。集中力を欠いてピンチを作られる度、寝ているかのような西野監督を起こそうとする声が飛ぶ。ドロー濃厚になってきたAT2分、審判が時計を見ている間に、二川がふわりと浮いたパスを右サイドに張っていた佐々木へ。佐々木はマッチアップされているDFからきれいにそろった最終ラインとGKの間に低いクロス。GKから離れていくようなカーブがかかり、その先で飛び出した宇佐美がタッチして逆転ゴール。ゴール裏に駆けてくる宇佐美に対して、悲鳴しかでなかった。試合終了。2-1で今季ホーム初勝利。一つ勝つのって、こんなに劇的なシーンがないとあかんのやったっけ。何も勝ち取ったわけではない、予選グループの一勝。なのに、原付での帰路はずっと涙が止まらなかった。思ったより冷たい風のせいか、花粉症のせいか。勝って泣かせるなんて、どんだけサディステッィクなクラブなんだ。

藤ヶ谷:おされた時間帯はあまりなかったのだが、大チョンボはなかった。ただ先制点のようなシーンを防ぐためには、チーム全体での意思統一というかコーチングというか、とにかく一度話し合って。できました

中澤:今は守り方にも混乱があって、DF見極めの重要な時期だが、こういうときは無類の安定感を発揮する。申し分なかったけど、狭いエリアにCB3人並ぶと交通整理が必要。よくできました

高木:跳ね返しの安定感は日本でもトップクラス。いつもだと繋ぐのか跳ね返すのか、ガンバ独特の選択に一瞬躊躇するが、今日は相手のこともあり、こっちのメンバーの都合もあり、徹底。よくできました

山口:何度もあったCKだが、遠藤がいるときはサトシがおらず、サトシが復帰したら遠藤がおらず・・・。じれったい。ホットラインもっと開通して~。ずるずる下がりそうな渋滞気味のラインを良く上げてた。よくできました

加地:実に調子が良さそうだった。気持ちよくクロスを上げてるので、またゴール入るんちゃうかとドキドキ。あの布陣であれだけ押し込んだらそりゃ相手は逆サイドを選択するよねえ。よくできました

明神:まだ本調子ではないのか、それとも武井の分二倍働かされてからか、危険察知能力がいつもより低下していた。その分後ろでの仕事が多かったかな。7バックか、という時間帯もあったし。ボランチが推進力を生み出すガンバのスタイル、など贅沢言える状況ではないので、お身体ご自愛を・・・。できました

武井:中澤、高木に続く、出てきたら勝たせてやりたいとチーム一丸にさせる愛されキャラですな。今日はなんと言ったら良いんだろう。インターンというか教育実習というか仮免というか、とにかくまずは明神力をできるだけ奪わずにピッチで仕事することを。もう少し

安田:仕事はもう少し前で要求されていたのかもしれませんけど、加地の圧力がすごすぎて、閉鎖系で左サイドの煽りを食っていた。ゴールに向かって開口部があったら良かったのですけど。でも前向きの仕事は安定してました。失点シーンの時どこにいたかがちょっと気になるけど。できました

宇佐美:持ちすぎというか強引なのはスタイルだし、今のガンバに一番欠けているので、貴重な選手。結果が出ないとおじさんたちはどうしてもあたりが強くなってしまうのよね・・・。とにかくプレーでも結果でも黙らせた、さすが。よくできました

二川:きついプレッシャーの中、トップ下の仕事をこなしてくれた。ただ、ボールを追う時間がちょっと多かったかな。ゴールは圧巻。あれはフタさんしか決められない。大変よくできました

大塚:現状では宇佐美の方がストライカー的だな。悪いときの高原を見るようだったが、やっぱりガンバの選手。前からの守備もいとわず、パス交換への参加もスムーズだった。宇佐美に遠慮してるわけではないだろうが、もっと我を出しても良い。ブレイクするのに平井ほど待たんでも別にいいんやで!もう少し

佐々木:今日もアクセントマンとして活躍。ゴールへの意識があれほど高いのに、決めきれないのはなんだろう。しかし逆転ゴールのシーンはもちろん、同点後のピッチは二川以上に佐々木が支配していた。よくできました

4/17 J#7 vs清水(万博)「絶好調の苦手相手に贅沢は申しません」

花冷えが一転、陽気な万博で観戦。苦手の清水、しかも今季無敗って。今日も遠藤・ルーカスを欠いてるので、もうほっといてください。ACLと同じスタメン。実際、大塚宇佐美の若手二人の推進力と裏狙いしか機能しなかった。とにかく清水にやられ放題で、平岡、兵藤、藤本あたりが絡んでくると止めようもなかった。ところが不思議なもので35分、CKのシーンでボスナーがなぜか明神を抱きかかえて倒しPKゲット。明神が決めて先制。後半もやられっぱなし。58分の小野のFKからは3点ぐらい入れられたように感じたが、ポストと藤ヶ谷の神セーブでゴール割らせず。しかし70分ついに耐えきれず失点。中澤と競ったヨンセンが落としたボールを岡崎がシュート。倒れ込んだ中澤に当たってゴールへ。シュートにはガンバの選手も3人行っていたししょうがない。下平を入れて5バックで守りきったガンバが、「不当なスコア」(西野談)で勝点1をゲット。負けなくて良かった。

藤ヶ谷:頼んだ!と思うのが早すぎるDF陣を前に置いて、獅子奮迅の働きだった。去年までなら圧力に屈していたはず。ノーミス。大変よくできました

加地:サイドをあれだけ良いようにやられてはいけない。加地でなきゃもっとやられてたかもしれないけど、あれ以上は攻められないと言うぐらいぶっこ抜かれてた。暑さで若さの差が出たかなあ。もう少し

中澤:下がりっぱなし。気圧されるというか。あれはこっちの問題じゃないよね、ていうくらい清水は出色の出来だった。ところでPKじゃなくて聡太のヘディングゴールでよかったんじゃないか。できました

山口:3人を生かすにはこれだ!と監督が思っているのか。それともジワジワと山口に引退勧告をしているのか。何人寄ったってオロオロするばかりじゃ、ねえ。失点シーン、もしCBが二人だったらしっかりカバーできたんだろうか。それとも、やっぱり間に合わなかったんだろうか。もう少し

高木:古巣相手に昨年の再来を期待したけど、そこまでではなかった。高木を左サイドと見立てるのは無理があるよね。パス交換はともかく、あれだけやられる時間帯が長いと、フィードが雑なだけで腹が立って仕方がなかった。もう少し

明神:前半はたびたび攻撃参加をしていたけど、やはり手のかかる武井のフォローをしているウチに、徐々に消耗していきました。試合が終わったときにはなんだかしぼんでいたような・・・。でも今季3ゴール目。できました

武井:いつもよりも心配な目で見ることが少なかった。というのも、他の誰もが対応できてなかったから。とはいえ、決定的なミスがなかったのだから今日に関しては悪くない。少しずつ成長していこう。できました

安田:下平を入れずに、5バックにシフトできればいいんだが、今日はやられている割に、落ち込まず前へのチャレンジもあったし、最後はバテ気味だったね。よく頑張ったよ。でも宇佐美との連携が悪いな。同じユースとは思えんくらいに。よくできました

二川:ちょっと宇佐美、大塚に対してアイデアが尽きちゃった感じ。受け手の一本調子につられて、パスに変化がなくて、ボールを失うのはリスキーだった。二川頼みの現状では厳しい目で見てしまう。もう少し

宇佐美:勝てなくても攻めることはできた今までの試合と違って、圧倒的不利な形勢でどうしていいかわからず、ちょっと道に迷った。オレが打開する、という力が、きっとあなたのこれからの舞台では求められるよ。違いは作れなかったけど、人数が絡んでこないのでやむを得なかった。できました

大塚:試合開始早々からしきりにゴールを目指していたのは相手の混乱を生んでたし感動的だった。そのあとアクセントがつかなかったのは、大塚だけのせいではない。あとは宇佐美のコメントと一緒。できました

下平:試合をクローズするのは本来あなたの役目ではないのだが・・・。役割は果たしたと言えるでしょう。次はゴールに向かうボールを見たいね。よくできました

チョジェジン:大塚に代わって出てきたが、仕事できず、ラフプレーでカードもらっただけ。昨年のアウスタのようなゴールを期待するのはこれが最後。もう少し

佐々木:評価なし

4/24 J#8 vsFC東京(万博)「苦手が弱り目で」

少年サッカーの開会式でごった返す万博。久々に試合間隔が一週空き、ルーカスも遠藤もベンチに復帰。スタメンは三試合連続で同じ。苦手のFC東京戦は前半からサイドをバッツンバッツンに切り裂かれた。しかしスカスカのDFを弄ぶだけで満足したのか、ゴールの匂いはしない。まあガンバの方も相変わらず若い二人に放任主義だが。後半開始時に、武井が遠藤、大塚がルーカスに代わって状況が一変。大混乱の東京を尻目に、明神のミドルがポストを叩き、これは惜しくも外れるが、その直後ルーカスのミドルが相手GK権田を叩きゴール。ブレ球でしたな。さらに宇佐美がルーカスとのワンツーからシュートして、ブロックされたボールを遠藤がもう一度宇佐美へパス。権田はなぜか遠藤に反応していて、無人のゴールに宇佐美が流し込み2-0。すっかり余裕のガンバは星原を送り出す余裕も見せる。星原はスピードを遺憾なく発揮するが、ついていけない線審が東京への情状酌量で上げたオフサイドフラッグなどで、ゴールは生まれず。しかしガンバの武器として充分期待できるレベルな事は確認できた。

藤ヶ谷:あまりに安定していたので、誤解しがちだが、東京の攻撃を難なくしのいだという印象は、藤ヶ谷のところでハラハラしなくなったことが大きい。近いシュートもしっかりさばき、遠目のミドルも集中を切らさず対応できていた。フィードもいいし、文句なし。よくできました

加地:サイドのケアで自重気味だったのかもしれないけど、左サイドがあれだけ押し込まれているのだから、もう少し上がり目でも良かったように思う。でも密集を作って東京を困らせた。そういえば古巣だね。最近はルーカスや聡太に持って行かれてるけど。できました

中澤:声はよく出ていた。アジリティに弱いのでカバーに回った方が良かったかも。でも危険への反応はCB3人の中でトップだよね。明神仕込みか。できました

山口:ゴールが生まれれば色々良くなっていくと思うんだけど、遠藤が入ってからのセットプレーでもチャンスはなし。その迷いは、自分のプレーに対してか、守り方に対してか・・・。ホームの駅員バリにスピードボールを見送るシーンがめだった。完封なので甘めに。できました

高木:東京相手では、高木の目立てる場面が少ない。3本の棒のうち、一番しっかり立っていた印象(ほめてないよ!)。しかし平山にはめっぽう強かった。できました

明神:ミドルが決まれば、かっちょよかったんだけど。しかし相手GKのスキを見逃さず即シュートを打つのはさすが。あらゆる判断能力が上がってきてると信じたい。掻き乱された前半を経てなお、後半の攻撃参加が目についたのは、いかに武井に手がかかっているかということの証。よくできました

武井:注文は多いが、実は武井が入ってから負けてないのも事実。何か持ってるのか。今はとにかくこの経験があなたを成長させることを祈るのみ。大混乱のまま前半で退いたがとにかく失点ゼロだから。できました

安田:皮剥き器でクルクル回される野菜のごとし。守っても攻めても長友に太刀打ちできず。今の長友を抑えられる選手なんかそうはないのはわかってるが、やられ方というか、ビビりすぎというか。トークで勝てないんだからサッカーでもうちょい頑張れ。もう少し

二川:遠藤とルーカスの引き立て役になってしまった。二川だけじゃ埒があかなかったピッチが、後半ガラリと変わってしまった。でも先制点、ルーカスへの配球はさすが。仲間とともに二川らしさが戻ってくればいい。奮起を期待。もう少し

大塚:前半で交代。おされる時間が多く、じっくりとビルドアップされない中で、よく前へ向かっていた。縦ポンをやったことないチームなので、しかたないけど。できました

宇佐美:ごっつあんゴールです、ってルーカスと二人でこじあけたゴール。正当な報酬やで。消える時間帯も少しずつなくなって、よくボールを追い回しているよ。90分体力が持っているとは思えないけど、交代させないのは西野監督なりの精一杯の成長への配慮。よくできました

遠藤:万全ではないと言うことで、できれば切りたくなかったカードだろう。2-0から引っ込めるんじゃないかと思った。いつもの遠藤からはほど遠かったけど、今のガンバには50%の遠藤でも充分な起爆剤。よくできました

ルーカス:「ただいま弾」決めちゃうところがさすが。孤立していた二川を救ったことも見逃せない。よくできました

星原:緩急のつかないガンバにあって「特急」スタイルで三段階目のギヤが入れられることを確認。期待大。よくできました

5/1 J#9 vs 鹿島(カシマ)「環境も試合も完敗」

アウェイ中国での引き分けでACL2位通過となっての鹿島戦。車で参戦し、駐車場の広さと近さに茨城を実感しながらの観戦。昨年Jでの大敗を思い出さずにいられないが、万博の駐車場事情と同様に今回も実力差を十二分に示されて帰路につくことになった。

スタメンは、遠藤の復帰が大ニュース。後ろはいじらずの3バック(中澤、山口、高木)。明神と遠藤が久々のボランチコンビ。加地と安田がハーフ気味だが5バックに押し込まれるのが容易に想像される。二川が左右に動いてルーカス、宇佐美とポジションチェンジしながら・・・という意図だったのだろうが、そうはうまくいかなかった。試合開始直後は、二川が宇佐美を生かそうとする意図でやや鹿島を押し込めたが、人数をかけて宇佐美がしっかり囲まれると、ルーカスがちょっと下がりすぎる悪癖から決定的な形がつくれない。遠藤はまだ上がれるような体調ではなく、切れもなく重そうでミスも多い。明神はその遠藤のケアで自陣に張り付いている。好機はセットプレーで高木のヘッドが枠をそれたことくらい。鹿島もさほど出来が良いわけではないが、ボールを保持すれば興梠とマルキーニョスで二人だけでも違いを産みだしてくる。藤ヶ谷の好セーブもあり無失点で時間を使えたが、小笠原が好調ならもっとやられてたと思う。W杯を見据えて遠藤のリハビリタイムだったとも思える前半、ロスタイムにCKから岩政に先制点を決められる。後半はボールを持たされている感はあるが、シュートに持ち込めるのは宇佐美だけで、何人もDFを背負った苦しい体制でコースのない中でひたすらゴールを向き続ける。安田のクロスが一本宇佐美の頭に合ったシーンがあったが、相手も(サポも)安田ということであまりケアしてなかった。90分に一度の仕事がそれにて終了。70分に安田に代えて星原が投入。高木がSBかな?とか確認するまもなく、すぐに高木がFK献上してそれを野沢にあっさり決められる。試合を殺されながらのセットプレーから2失点。堪えた。それでも懲りずに前がかりの指示に5失点の再来かとおののく。鹿島の緩んだこの時間にシュートまで持ち込む機会が増え、80分、二川の縦パスに星原が反応し、鹿島DFを置き去り。ダイレクトで押し込んだJ初ゴールで溜飲を下げる。85分には潰されつづけて体力的にも精神的にも少し落ちた感のあった宇佐美に代えて佐々木を投入。ちょっと引っ張りすぎじゃないかな、と思いました。試合終了まで相手陣内で執拗につつき続けたが、ゴールは割れずタイムアップ。1-2ではあるが、惜敗というでもなく鹿島らしく勝点を積み上げられた、という完敗。

藤ヶ谷:マルキーニョスとの1対1を止めるなど、決定機阻止に関してはこの日も神がかっていたが、セットプレーや簡単なDFラインとの連携などで「おい!」と叫ばされる。鹿島のポジション外すうまさもあるんだろうけど、そちらの方も対応していただきたい。エリア内で大人数でウロウロされることで視界も悪いんだろうけど、その仕切りもGKの仕事だしね。二失点で敗戦しては高評価は出来ない。もう少し

加地:右サイドが負けていたわけではないが、ハーフで仕事する度胸がないというか、見慣れた視界を求めてついつい下がり過ぎちゃった。相手に楽をさせてしまった。クロスはゼロックスの再現を狙ったのか、ゴール一直線の気のないボールばっかりだが、同じミスはしてくれなかった。もう少し

中澤:藤ヶ谷の視界を防いだ一人。仕事しないんだったらウロウロしないで!って子供か。岩政のゴールの時どこにいたのかな。先に戻ろうとしてなかったか。もう少し

山口:セットプレーで何度か遠藤からの求愛がありましたけど、可能性感じず。遠藤の出来ももう一つだし、智だけのせいじゃないけど、二人で回復してくれないと得点オプションは確実に減る。できました

高木:与えたファウルと惜しかったヘディングは相殺できる程度のものだが、出力結果の違いが大きすぎた。ポリバレント適性は低い。西野監督ももう二度とSBでは起用しないんじゃないでしょうか。もう少し

安田:喜んで守備から解放されるはずが、ずるずると下がって先輩に押し込まれた。今日イチの仕事が惜しいクロスとかシュートだけではちょっとねえ。安田が効かなかったところが今日の敗因だし、今季の今後も安田がもう二、三仕事できるようになるかどうかにかかってる。もう少し

明神:じっと自陣深くにいましたが、武井のケアで癖がついちゃったかな?それとも遠藤が不安だったかな?バランスが悪かった。ボランチの上がりがないとそのうち監督の雷が落ちますよ。もう少し

遠藤:W杯に向けたリハビリの場でしたな。中国遠征も回避したんだが、フレッシュさは感じられず。今日の出来なら武井を使ってほしかったです。もう少し

二川:試合開始直後には宇佐美、交代直後には星原を抜群に生かしたが、それ以外はチャレンジがことごとくうまくいかず。アイデアはいつもと変わらないけど、二川なりの運動量とスピードが足りなかったかな。疲れが濃厚。アシスト一本で高評価できるようなフタさんじゃございません。もう少し

ルーカス:ちょっと消えてたね。宇佐美とのコンビネーションの問題かもしれないけど、もっと要求しても良いと思う。パス出すのもうまい子だから。二川を助けに行くシーンの方が目立って、ゴールを見失ってる感じでした。もう少し

宇佐美:ギリギリまで引っ張ったのは、監督には珍しく成長を促しているからだと思う。囲まれても潰されても可能性を探して本当によく頑張った。ゴールよりも自信になる部分があるかもしれない。よくできました

星原:スピードスター万歳。鹿島の「誰だよこいつ」感が見事にはまりました。慣れられると厳しいかもしれないが、変化をつけるのはもうちょっとあとで結構。平井に続いてチャンスをつかめ。よくできました

佐々木:出場時間短いが、もっと早く投入してよ、と思わせるだけの働き。よくできました

5/5 J#10 vs 川崎(万博)「とってもとっても」

 A席で観戦。スタメンは変わらず、3バック(5バック)。遠藤は引き続きスタメンで明神とボランチ。二川と宇佐美がセカンドで、ルーカスのワントップ気味か。お互いゴールへの意欲が強く、展開の早い立ち上がり。人数はいても川崎のサイド攻撃をまったく止められずやられるがままの守備陣にイライラしながらも、先制したのは少ない人数でチャンスをうかがっていたガンバ。二川から縦への浮き球気味のパスを受け、遠藤がループ気味のクロス。GKが躊躇した裏のスペースに猛然と走り込んだ宇佐美が頭で決める。川崎は対人にかなり厳しかったのだが、虚を突かれて遠藤にも宇佐美にも十分なスペースをくれた。ここから両チームが、リスクを負って下手な試合をすることになる。40分に左サイドから森に切り裂かれて狭いところのシュートを決められあっさり同点。森はその前にも危ないシュートを打っていたし、この日は高木が全く対応出来なかった。安田は戻らず、だし。同点後も圧力かけっぱなしで、試合を落ち着かせられない川崎に対して、攻め込む機会はあったが、ルーカス・宇佐美とサイドのどちらかの数人でしかゴールに迫れず、決定的なシーンはなく前半終了。

 後半は、開始直後からシュートの雨にさらされる。中村、レナチーニョと、向こう側で遠くてわからないがなんだかずいぶんフリーでシュートまで持って行かれてる。寄せが甘いというか、予測が甘いというか、人はいてもスペースは大量に与えている印象で、エリアに烏合の衆、という印象。しかし均衡を破ったのはまたもガンバ。60分に二川とルーカスが二人で持ち込んで、大量のDFをルーカスに詰め寄ったところをあざ笑うように二川がゴール。2-1。いよいよ前がかりになる川崎に対して、カウンターを狙うガンバ。直後のルーカスのシュートは枠を捉えなかったが、63分には安田の行き当たりばったりクリアを中村が大胆なクリアミスでルーカスに献上、一人で持ち込んでGKを交わして追加点で3-1。なんとなく押せ押せだが、守備の不安定さを考えると残り時間が長い。川崎は交代で推進力を高めてくる。ズタズタのサイドに前でフレッシュなプレーをされると厳しい。73分にはレナチーニョのシュートを防いだこぼれ球を楠神に、79分には遠藤がボケッとしている間にボールをかっさらわれ、持ち込んだ楠神に、続けざまに決められて3-3同点。山口も中澤も棒立ちの時間が長い。疲労感の濃い中、奮闘するルーカスがボールロストせずに粘り、中央のスペースへパス、後ろから駆け上がった明神のグラウンダのシュートは、相手の寺田に当たってコースを変えてゴールネットを揺らす。81分で4-3。まったく油断できない中、足のつった加地に変えて佐々木を投入。少し相手を混乱させたかと思ったが、どっちみち前がかりで来ている相手にはゴール以外ではあまり効果がなく、決めきれないまま最後はロスタイムに、相変わらずプレーの見えない位置でジャッジする家本主審の死角でハンドを駆使しながらゴリゴリ来る楠神に山口が振り切られて4-4同点。どうしようもない。逆転されずに終わっただけよかった。

これだけ疲労感のある中、交代枠を残した監督にも、最後まで修正できなかったDF陣にも、無策ぶりを呪いながらGWを締めくくることになった。下平を左サイドに入れて、高木をセンターにする4バックの方がずっと安定するのかな。

藤ヶ谷:雨あられのセーブをよくしのいだが、一方で割と平凡なシュートを決められた。一点目はサイドからのダメ元のニアへのシュート、三点目は割と視界の開けてる距離のあるシュート、四点目は山口との距離感で止めれたシュート。どれも、「しゃあない」、とは思えなかった。もう少し

加地:クロスは「ときどき」チャンスを生み出していたが、前しか見ない川崎を押し込むほどではない一発感だった。とはいえ右サイドはまだよくしのいだ方。足をつるまでよくやってくれた。できました

中澤:烏合の衆の一人。横とも前とも連携がとれずにアタフタ。あるいは呆然。重力場が違ったのかしら。もう少し

山口:今日のガンバの最大の穴。一人欠いて10人の方がよかった。スピードでも置いて行かれ、ラインも統率できず、エリア内で山口を中心にブラックホールができているかのようだった。いっそボールを吸い込めればいいのだが。もう少し

高木:センターから左サイドを徹底的に崩されて失点され続けた。スコア上、藤ヶ谷の失点じゃなくて高木の失点としても違和感ない。今日の分くらいは得点で返してもらわんと割に合わない。とにかくガンバでは人数かければ守れるなんて幻想だって、監督が思い出してくれることを願う。もう少し

安田:時間限定で一瞬だけ輝くシンデレラ、きょうは前半早々に使い切った。あとは後ろにも戻らず高木を見殺しに。それでも下平をベンチに座らせているのは、監督の信頼の証。頼むよ。もう少し

明神:ルーカスと二人で最後まで獅子奮迅の活躍。相手の前への圧力をわずかでも和らげられた。4点目は圧巻だったが、決勝点には出来ず。よくできました

遠藤:W杯へのリハビリモード。3失点目に限らず、おとぼけの過ぎるボールロストが多すぎた。今日のできなら南アフリカもベンチ要員。もう少し

二川:アイデア満載で、攻撃の起点とはなっていたが、後ろに重心がありすぎて孤立。終盤はルーカスの周りでウロウロするしかなかった。とはいえ4点中2.5点は二川の点。できました

ルーカス:最後まで前線でがんばってくれていた。決勝点につながって報われることを期待したのだが・・・。よくできました

宇佐美:劣勢の中の1点目、しかも頭、というのは頼もしかったが、あれが火をつけたかな・・・。今日も途中息切れ。前の孤立の要因ともなった。もう少し早く星原と代えられてもおかしくなかった。できました

星原:投入直後に同点にされ、少し気負ったか、縦への動きが周りと合わなかった。川崎の強引な守備にもソリューションはなく・・。もう少し

佐々木:相手の重心が左サイドに移行した後の右ハーフなので一概には言えないが、前への推進力がもう少し早い時間帯からあれば楽に追加点が取れたのかな・・・。もっとも失点も可能性が増えるか。できました

5/16 J#12 vs 湘南(平塚)「壮行会モード(湘南サポありがとうございます)」

ACLの一回戦を完膚無きまでに叩きのめされ、改めて現状のチーム力を思い知らされて臨んだ、中断前最後の試合。街中なのに駐車場は近くて、楽。

二試合7失点でついに、ついに4バック転向を決断した西に監督の選んだのは・・・山口中澤。高木をセンターで見たかったのと、山口の劣化がポイントだと思っていたので、ここで成熟を選んだことに驚き。他は、怪我から復帰の平井がスタメン。宇佐美と2トップの模様。ルーカスが二川とトップ下。遠藤明神がボランチ

試合はガンバペースで進むも、ちょっと余裕がありすぎるというか、トリッキーだが雑なプレーが目につく。チームとしてのショックなのか、逆に最下位相手の気の緩みなのか。果たして10分、左から右へ大きくサイドチェンジされて、距離のある位置からミドルシュートをスッポリ決められてしまう。さすがの反町監督、弱点をよくご存じ。相手はいよいよしっかり引いてきて、ボールだけは回せるようになったが、テンポは上がってこず。時間だけが過ぎていく。ボールを出し入れし続けて、40分にようやくルーカスと平井のコンビで同点に。ヤレヤレ、と思う間もなく加地がPKを献上。ゴール裏からとても直視できず、下を向いたままブーイングをしていたが、周りの歓声で外したことを知る。前半は同点のまま。

後半も圧倒的にボール保持し、前半よりも少しテンポが上がり、シュートまで持って行くシーンが増える。そして55分にようやくCKから混戦のボールがDF経由でゴールに吸い込まれ逆転。さらに63分、平井がドリブルで持ち込んで、持ち込んで、ゴラッソ!。持ちすぎや!という怒声が歓声に。その後はペースを落として試合を殺して90分を迎えた。久々に大塚、そして下平を試してくれたのは大満足でしたが・・・。試合後はヤットに寄せ書きの日の丸を渡したり、すっかりW杯気分。そして今シーズンのタイトルの厳しさを改めて実感。

藤ヶ谷:PK止めたの初めて見たんちゃうか(正しくは見てもないけど)。さすがに今日は活躍するシーンが少なかったが、余計に距離のあるシュートへの集中を切らさんといて欲しかった。良いシュートではあったけど。できました

加地:少し、運動量が少ないというか、緩慢だったか。PK与えたファウルもどうも後手後手で対応していたツケが来たような。藤ヶ谷に感謝しといてね。最後までペースは上がらなかったが、事なきを得た。もう少し

中澤:4バックに奮起したか、いきなりの劣勢に対しても、終始懸命にピッチ上を声で牽引していた。プレーも激しく久々に熱血ぶりを感じた。よくできました

山口:なぜ先発だったか・・・。西野監督の温情というか、新選手への抵抗というか、成熟度への固定観念というか、そんな色眼鏡に救われたか。実力でセンターに戻ってきて欲しい。もう少し

安田:今日は最後まで良い安田だった。珍しく途中で消えることもなく。まさか南アフリカを意識してるとか?ここで中断期間は残念。よくできました

明神:センターではほとんど危険なシーンを作らせず、それが相手をサイドに追いやりピンチにつながっていたのか、とも。遠藤も徐々に手がかからなくなってきて、なにより。よくできました

遠藤:CKからのゴールは朗報。運動量はまだまだだけど、試合感は戻ってきたかな。でも代表には明神が(たぶん)いない。誰も助けてくれないよ。できました

二川:相手の密集に潰されがちの一日。遠藤が不調の今なら、二川さえ抑えれば、という相手の意図もわからなくはない。今日はそれを跳ね返すだけのアイデアがなかった。もう少し

ルーカス:粘っこく相手の守備の穴を捜しながら、3ゴールの立役者に。宇佐美とのポジションチェンジは全体としては最適解だった。宇佐美以外にとっては・・・。大変よくできました

宇佐美:ゴールをあまりにも急いで意識しすぎた。二列目からも色気が強すぎて、バランスを崩すことも。ルーカスのフォローがあってこそ無難に試合はまとまったが、ボールのとられ方が悪すぎるかな。高校生には酷なことだが、ガンバのスタメンとしては当然の要求。もう少し

平井:復活即ゴール。前半のモタモタ感を監督に叱責されていたが、まあ愛情と言うことで。三点目は誰もがうなるスーパーゴール。試合を決定づけたという点でも価値がある。よくできました

佐々木、大塚、下平:出場時間短く採点なし