5/10 ガンバ大阪vs柏「子供に見せられる、誇りを」

万博で観戦。少年サッカーの府大会開会式とかで満員のお客さん。大半が子供で営業的には厳しいが、彼らを満足させるゲームができないと、ね。

一週間前のJリーグ大分戦と同じメンバー、三日前の山東戦とは山崎が佐々木に変わっているだけ。あ、GKも松代から藤ヶ谷。

DFラインは右から橋本中澤山口下平。ボランチは明神遠藤、二列目はルーカス佐々木、2トップがレアンドロチョジェジン。いやあ固定されてまいりました。

対戦相手の柏は、前節浦和相手にホームで大逆転を喫したところ。言葉は悪いがリーグ戦では「大分にしか」勝てていない。ただドローが多いし、何より元旦に延長120分の死闘を演じている。あの時とはガンバの疲労度も違うけど、お互い覚えているだろう。

開始早々から、ガンバのポゼッションに対して、柏の微妙なポジション。守備的ではないが昨年まで見られたプレスがない。

以前は「無定見なプレス」と書いたこともあるが、そこからプレスと走力を引いたら、えらいことになった。

確かに隙が多く疲労度も半端ではなかったけど、ここまでスカスカでボールが回せると、不思議な気分だ。

ガンバの前線からのチェックで簡単にボールが奪えて、高い位置からチャンスメイクができる。佐々木からのクロスをチョジェジンが合わせるが枠を外す。レアンドロのシュートはブロックされる。ルーカスがセンターでシュートコースを見つけるがGKに防がれる。ここまででたった10分。シュート練習か。

いつでも点が取れそうやなあ、と言っていたら、本当に次のシュートで先制点が生まれる。佐々木が前線に出したボールにレアンドロが反応し、DFを置き去りにしてゴール。

この日は佐々木の運動量が抜きんでており、パスもクロスも別次元の精度と速さだった。もちろんそれを可能にしたのは柏が自由を与えてくれたからだろうけど。

二点目も佐々木から。今度はチョジェジンに送ったボールが足下へ。振り抜いたボールはゴールへ刺さり2-0。まだ20分だ。

そこからは少し余裕を持ったポゼッション。ガンバはパスを執拗に回して混乱している柏守備陣を出し抜いた決定機を演出する。パスを繋いでルーカスが再度ミドルを狙うが、これまたゴールにはならず。

レアンドロがドリブルで持ち込んだシュート、佐々木のミドル、遠藤のCKからチョジェジンのヘッド。どれも追加点となってもおかしくなかったし、何のリスクも背負わずにシュートシーンまで持って行けた。

守備でも柏にスピードと運動量がないため、対応が容易なようだ。それにしても菅沼とか大津とかもう少し走ってる試合見たけど・・・今日はどうしたのか、拍子抜け。まさかみんなフランサか。

そのフランサだが去年はフランサに個人技で一点取られてるから、中澤も気合い入っていた。だが、お地蔵さんにも限度がある。審判と同じぐらいボールに絡まなかったのは、意図的だったのか。

後半、柏がどうやって修正してくるのか、2-0は怖いなーと思って始まったが、すぐに三点目が入る。

佐々木が前線のレアンドロに送ったパスからクロスが上がるとゴール前にはもう佐々木が。レアンドロからの御礼アシストで3-0。

これでゲームは完全に終わってしまった。ガンバはポゼッションさえとらず、ロングボールと遠目からのシュートで、相手陣内で時間を使う。それでも遠藤山口のホットライン開通を予感させるシーンもあったり。柏が数的優位だったり、良い形でゴールへ向かう場面はほとんど作らせず、時間を浪費していく。

肝を冷やすことがほとんどないまま、後半20分には佐々木とルーカスを下げて、安田と倉田を余裕の同時投入。二列目をごっそり変えるがこれもなかなかのヒット。

投入直後のプレーで安田が突っ込んでいって得たFKを、遠藤が蹴り、中澤、チョジェジンとヘッドで繋いでゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定。チョジェジン納得いかない。

そのあと、ゴール前でビルドアップに失敗してゴチャゴチャしてしまって、バー直撃のシュートを撃たれる。後半25分前後が唯一ゆるんであたふたしてしまっていた。

だがその後のカウンターからレアンドロがフリーで枠を外すシュートを放った辺りで、柏も白旗モード。3点差あるしこれ以上失点をしないような安全策をとっているようにさえ見えた。

ガンバは後半30分にチョジェジンに代えて播戸を投入。

役割とかより、そろそろゴール取ってこいという監督のゲキか。

ガンバのイレブンも呼応して、再び攻撃が活性化される。

いつもほど安田からの仲良しパスは少なかったが、倉田、レアンドロ、そして極めつけは遠藤からの気を使ったパスが最終ラインとGKの間に。絶好のボールを決めて播戸選手ようやく今季初ゴール。

いやあ、どんだけみんなに気使わすねん。ただ、ゴール決められないときも、前線でのチェイス、アシスト、裏を常に狙う意識、それがチームの大きな助けになっていたことは知っている。だからこそ本職のゴールという結果が重要だったし、チームからのサポートが得られた。人柄ですかね。

今日も優しいガンバを見れたところで、タイムアップ。4-0という大差がついたが、飽きずに試合を見ることが出来たのも、播戸のおかげか。あの交代で、少し所在なげにフワフワしていたガンバの選手達にもう一度スイッチを入れることが出来た。

柏のことは、どうしてこうなってしまったのか分からない。フランサは最後、笛が鳴る前にピッチを去ろうとしていたように見えた。怪我をしてから復帰して、フル出場ははじめてかな?それだけこの連戦が重要だったはずだけど、フランサを90分使うなら「タフな試合」になるガンバ戦より、もっと効果的な試合があったんじゃないかな・・・ま、結果論だし、よそのことなので。

ただ、大勢の少年サッカーのちびっ子達。ガンバが勝って万歳というのんきなおっさんとは違うだろう。彼らはこの試合を見て、プロを感じただろうか。プロのスポーツ選手の厳しさや激しさ。感動。

そんなものが、伝えられる試合ではなかった。

残念だけど、ガンバが勝ったことしか、残らない試合だった。

採点します。

藤ヶ谷:気がつけば被シュート数の少なさがトップなんですね。どうりで仕事してるイメージがなかったわ。今日もフランサの一人緩急シュートを防いだだけだったかな。相手ミドルが建設中の清掃工場へと向かっていくのも折り込み済みだったのかしら。あまりコミュニケーションが取れてなかったようだが相手の工夫の無さに助けられた(できました)

橋本:SBでゲームを終えました。ビルドアップの起点以上の仕事を要求されない日だった。ただ、佐々木の背後をカバーしている安心感は何物にも代え難かった(よくできました)

中澤:柏戦に合わせて明神との対談をGマガジンに載せるとは。暑い試合で暑苦しいゲキを飛ばしていたので柏が怖じ気づいたわけでもあるまいが・・・菅沼を何回か放置したよね?(よくできました)

山口:ゴールいったと思ったけど・・・遠いね。ターゲットが増えたので合わせやすい、という遠藤の言葉はしばらく忘れてください。守備は中澤とのコンビで臨むのは今日はもったいないくらいだった。途中で下がってもらってもよかったくらいだけど、播戸のゴールに免じて許してやってください(よくできました)

下平:FK、ミドル、どちらもいよいよゴールの匂いが高まってきましたね。左右で黙々とビルドアップに励むSBコンビもそうそうないよね。追い越す動きは俺の仕事ちゃうし、的な。いや、誉めてますよ。とりあえず、橋本より先に今季ゴールを(よくできました)

明神:350試合出場おめでとうございます。柏戦で達成できたのも何かの縁ですね。ユースの頃から来ていた黄色いユニホームの不甲斐なさを目の前にして哀愁が感じられた。黄色い血が流れているとまで言った監督ともども、こんな名選手を追い出すなんてさすがに罰当たりでっせ。試合後のアキラからの最大限の賛辞、感動的でした。(おめでとうございます)

遠藤:明神のおかげで遠藤が働ける、という評価は、今の遠藤には不釣り合いです。プレースキックに改善の余地が見られた他、プレスのかからない相手なら慌てずボールをさばけることも確認できた。完全復調しても、キックはたびたび譲るように。播戸に決めてもらえて久々のアシスト(できました)

ルーカス:初ゴールのあとも、思ったほどゴール数は伸びないが、惜しいのはたくさん放ってる。一時のようにトップを生かすことばかり考えているようには見えないのだが・・・今日は佐々木の派手さには負けたが充分な活躍だった。早期交代も同時投入というアキラの自己陶酔に付き合わされたと思って勘弁して。(よくできました)

佐々木:一人だけ別次元の輝きは一ヶ月前万博で柏木に感じたのと同じものだった。まさかゴールまで決めるとは。MOMが播戸だというのはキャラを差し引いても納得がいかない。せめて今度こそブログは更新してね。(よくできました)

レアンドロ:ゴール数もすごいが「先制点」を決めていくのが敬服に値するね。回りも生かせて、自分でも追加点を狙えて、守備も厭わない。大げさではなく欧州向きだ。だからオイルの誘いは我慢してね。(よくできました)

チョジェジン:2ゴールだったはず。大量得点後に気を使う判定は止めてほしいよねえ。しかし、頭から顔から脚まで、全身で存在感を示してくれた。(よくできました)

安田:活性化にはもってこいの人材だが、最初のプレー以降はおとなしかった。アリバイ作るにはインパクトが弱すぎるよ。まだ起伏が大きいけど、サテメンバーの倉田との絶妙な呼吸は楽しかった。(できました)

倉田:あまり評価されていないような気がするが、今は遠藤よりも決定的な仕事ができている。短時間で、地味でも大事なボールを供給し続けた。ボールを持ったときに加速が入るスタイルも戻ってきましたね。ダイエット成功した?(よくできました)

播戸:正月以来、あの時もこっちに向かって決めてくれたね。雰囲気を変えてくれるだけでなく、スイッチを入れてくれる希有な人材。イエローはご愛敬だが、大量点後のゴールで喜ぶ必要がないよう、今後量産してください。安田と同じくクールビューティを目指して(よくできました)