5/2 ガンバ大阪vs大分「悲哀と幸運」

6連敗とどん底状態の大分のアウェイに乗り込む。やりにくい、というのが正直なところだろう。とはいえ、今の状態の大分に負けていては、勝点は積み上がっていかない。

聞きしにまさるアクセスの悪さが、播戸のブログから実況で報告される。ま、これがアドバンテージにもなるし、出かけるときには障害にもなるわけだから、大変だよね。

ガンバは、CBを前節から山口中澤のコンビに変更。そして左SBに下平、右SBに橋本を配置。ボランチ遠藤と明神。お疲れの遠藤はもう前に顔出さなくていいよ、と試合前に念じる。この日は二列目がルーカスと佐々木で、前がチョジェジンとレアンドロ

佐々木も前節に続いて先発出場。

ターンオーバーじゃなくて「外されたっ」と思わせるような使い方をするから、毎年辞めていくんだと思わないか?(この場合寺田を想定)

大分は、家長が先発。なかなか出場時間が増えないが、スクランブルな状況で、古巣相手と言うことでの抜擢だろう。試合結果に影響のない範囲で、西野監督を固まらせる活躍をして欲しいというのが本音。

試合は、序盤からガンバのゲーム。連戦とはいえ国内移動だと負担が小さいようだが、暑い中少し飛ばしすぎのような気も。大分はボックス内の守りを崩さず、ウェズレイと家長を前に残して、中盤をケア。ホームとはいえ仕方ないだろう。

ガンバがパスを回している中、一瞬の隙をつかれる。23分、金崎から家長にスルーパスが出て、中澤?が置いて行かれる。一人で持ち込まれて先制を許す。

複雑な気持ちだが、大分にとってはこれしかない、というところが、ガンバの守備の弱いところと合致。高いラインの裏を取る役割を家長がきっちり果たしたと言うことで、家長にとってはチームの中での必要性をアピールできて良かったなあ・・・という複雑な気分。

先制点の時間帯が早すぎたこともあり、大分はさすがに亀にはなれない。守備の意思統一が不十分で、ガンバにとってはつけいる隙が出てくる。どのみち最初から守備のリスクは背負っていたのだから、やることは変わらない。

相手に付き合わず、じっくりとパスを回して隙をあぶり出すガンバのサッカーで、大分守備陣を振り回す。集中力は意外にあっさりと切れて、37分に同点。レアンドロに出たボールに対して、相手DF、GKが交錯して、ボールキープしたレアンドロ無人のゴールにボールを流し込む。ピッチが悪く、GKの前で少しイレギュラーしたようだが、ホームなんだから仕方ないよね。

前半はこれ以上リスクをかけずに、クローズ。

それがアキラの逆鱗に触れたか、かなり強いハーフタイムのコメントが出た。

ピッチ状態と、後半勝点1を守りに入る大分を予想してだとは思うが。

しかし、そんな心配をよそに、後半開始早々に逆転に成功。

下平のクロスが、中途半端な密集を直撃するが、それに慌てたか相手DFがクリアミス。チョジェジンにプレゼントパスで、フリーでゴールへ突き刺す。2-1。

大分にとってはあまりに時間帯が早く後半のプランに明確な修正が出来ない。負けていても、ガンバの裏を狙うようなカウンターのチャンスを待つ他ない。

ただ、ガンバの方も、それにお付き合いするかのように変わらず攻撃に出てしまうあたり、相変わらず狡猾さに欠ける。

佐々木のサイドから攻撃が続き、跳ね返され、セカンドボールを支配して・・・という時間帯が続くが、何もそこまでリスクを負わなくても、と冷や冷やしながら、時間が過ぎるのを待つ。

後半10分には、その佐々木を山崎に交代。

佐々木の運動量は落ちてはいなかったが、内に絞ってポゼッションを高めるってか?それとも山崎の凱旋試合か?

しかしこの日も采配は的中。

山崎が右から入れたクロスがチョジェジンにドンピシャ。ヘッドで叩き込んで3点目。クリアに奪った点はこれだけ。

その後も、ガンバは賢くなく無理をしてしまい、金崎に決定的なシーンなど作られてしまう。

大分が、全く足の止まったウエズレイと家長を下げてきたので、活性化される。左CKからヘッドで決められたかと思ったが、藤ヶ谷が-1点級のスーパーセーブ。

業を煮やした監督、レアンドロを下げてパクを投入。

運動量増加に備えたようだが、これが功を奏した。右SBの位置に入った3バック気味のDFラインで、パクのはっきりとしたクリアとロングフィードが、バタバタした守備に余裕を与えてくれ、これまでになかったガンバの守備のリズムを生み出す。

そこからは時間の浪費。大分も誰も走れず、途方に暮れてガンバのポゼッションを眺めているだけ。

40分に安田を投入して、ゼロトップの二列目三人組を形成して、安全にボール保持。

そのまま試合終了。

大分には申し訳ないが、去年の札幌戦のように、確実な勝点を落とす事態を避けることが出来た。

正直J1でやるには不釣り合いなピッチコンディションだった。本来もう少し何とか出来るはず。

ただ、大分としては通常ではない状態に保たない限り、「何か」を起こすことは出来ないのだろうから、芝を刈ったり水を撒いたりするのと同様、このコンディションを維持することはやむを得ないのだろうか。

でもこんなピッチで家長をプレーさせたくないな、そう思えてならなかった。

大分がなぜこうなってしまったのかは、知る由もない。そのものの前線は決して破壊力があるわけでなかった。むしろ、粘っこくて献身的で(時に汚い)守備で相手のしびれを切らせるのが、持ち味だったはずだが。

家長も、前半30分で動けなくなっていたし、ウエズレイは昔からああだし、ピッチ上のプレーヤーがとても少なく感じた。

欠けている選手が戻ってくれば、多少は改善するだろうし、中断期間にフィジカルトレを積めばプレー内容が改善するという訴えも分かる。

でも今出ている選手もチームの一員、それに春にハワイで観光していたわけでもなかろう。

パンパシに出たから去年ガンバがフィジカル弱かったとはまったく思えないし。

監督からそうした意見が出ること自体、チームのモチベーションや結束の崩壊を物語っているようにしか見えないのが残念だ。

監督を変えない、ということだけでチームを維持できる訳ではないだろうし。

とはいえ対戦相手の状態は急激に変わる。

たとえばガンバにとって、磐田とはイグノが加入する前に当たれてラッキーだった。

大分も劇薬で急回復する可能性があるわけだから、今の状態の大分に対してまずは勝点3を取れたことを素直に喜ぶだけです。

ガンバとしては、収穫というより、厳しい連戦の中、よく我慢できたことが何よりだった。

中澤が取って代わった感のあるCBだが、パクの能力と別の使い方も再認識できたし、安田が回復傾向にあることも確認できた。ただし今日もジェジンと播戸のコンビは確認できず。

採点します

藤ヶ谷:ほとんどなかったピンチでスーパーセーブを披露、集中を切らさずに良くやったと思う。失点シーンは家長への愛が出たか、京都戦の悪夢がよみがえったか、寄せが甘く股を抜かれた。今日は大目に見ます(よくできました)

橋本:SBからボランチへのチェンジをこなした。佐々木とのユニットは見るたびに成熟してます。後半は疲労からかボランチでちょっと楽をしてたが大きな損害にはならず。相手なりに合わせたと言うことで勘弁(よくできました)

中澤:だからオフサイドのアピールで対応が遅れてるって。アレがなきゃアキとのツーショットをブログに載せられたのにね。(できました)

山口:なかなかヘッドが決まりませんね。遠藤のプレースキック不調によるところが大きいけど。金崎に突破されたときには思わず飲み物をこぼしました。(できました)

下平:左サイドで何度もやられましたが、単にスピードに弱いんじゃなくて、走力の弱さをプレースピードでリカバーしているように思えました。早いパスなどにはよく対応できている。今日はさほど怒りを覚えませんでしたので。(できました)

明神:ウーン、お疲れ?スペースを埋める仕事が多くなかったので、そう見えただけかもしれませんが、今日は楽そうだった。下平のコーチングお願いします。(できました)

遠藤:大部分、大分の選手と一緒に消えてました。パスミスも多く、判断が一瞬遅れてボール奪われる。遠藤には早めにチェックに来るんだから、その覚悟で。キックを何回か譲った辺り、自覚されているとは思いますが(もう少し)

ルーカス:前半は2トップとよく絡んでいました。潰れ役をやってくれて遠藤の不在を補っていた。後半はもう少し相手にとって危険なプレーをしてほしかったけど、あのチェイスを見ているとそこまで要求するのはやりすぎか(よくできました)

佐々木:チョジェジンと相性がよくないかな?ガンバのパス交換にひたすら苦労した相手の守備陣にとって、佐々木のプレーの方が与しやすかったかもしれない。充分アクセントにはなっていたし、CKもよかった(よくできました)

レアンドロ:膠着状態で、安易にレアンドロを走らせようとするプレーが最近多く見られるが、それを決めてくれちゃうからね。君のせいではないが、依存症が怖い今日この頃(よくできました)

チョジェジン:2ゴールはさすが。山崎とは近くでも遠くでも良いコンビですね。播戸ともナイスコンビを結成してください(よくできました)

山崎:二列目っぽい仕事が多かった。時々前に顔を出すともっと混乱を生み出せると思うけど。まあ今日はそこまで必要がなかったか。ゴールも意識してね。(よくできました)

パク:スタメンだと色々気になるけど、途中出場だとこれだけ守備に落ち着きを生み出せる。癒されました。ビルドアップ無視で安全第一なところも、今日は良い方向に傾いていた(よくできました)

安田:守備をお任せだったので思い切りよくやれたと思いますよ。ただしその位置ではライバルが多すぎるけどね。SBを下平一人に任せるのは荷が重い。(短いので評価なし)

おまけ

家長:このままじゃ何処に行ったって必要とされるプレーヤーにはなれないよ。今ならあの倉田の方がよく走る。2005年、もっとアグレッシブだったよね!?(できました)