4/12 ガンバ大阪vs大宮「前半とられた裏と後半見えた可能性」

TV観戦

直前の水曜日のACLには快勝したが、その週末は苦手の大宮戦。西野監督は意識しないっていうけど、しなさいよ。負け続けるには理由があるんだから。

スカウティングをしたからといって、対応できるとは限らないけど、CBに山口パクという組み合わせは、考え無しに決まってそう。SBも、ここんとこ続けてパフォーマンスが低い安田を左SBに、フィットしない橋本を右SBに。大宮のサイドを押し込めるという意味では下平よりは安田かもしれないが、どうせ縦一本のパスが怖いんだから、下平だしといて、橋本をボランチにした方がいいって。本人もいいかげんポリヴァレントはやめて専念したいって言ってるんだし。

中盤は、明神と遠藤のダブルボランチ。二列目はルーカスを左、山崎を右に。監督は山崎の右にえらくご執心だけど、ポジションにこだわってられない山崎の悲壮感が痛々しい。この日は2トップ、チョジェジンとレアンドロ。前線の形は一応相手に合わせているようだ。

前半の入りはえらく慎重、というより動きが鈍い。運動量少なめに、引き気味の相手に動かずにパスを回す、出足良く取られる、縦一本裏を狙われる、この繰り返し。大宮は引いてはいるが運動量が高く、前の選手に預けるまでに迷いがない。それにしてもマト、目立つねえ~。

最近の流れからジャッジが気になって仕方ないが、オフサイドが全く取ってもらえない。スタジアム観戦ではないなので、分からない部分もあるが、12分の大ピンチは、石原かな?明らかにオフサイドの位置だったように見えた。バックパスだとでも判断したのかな?いやー、疑心暗鬼とはこのこと。GK藤ヶ谷の飛び出しは文句ないドンピシャの判断だったけど、京都戦(謎のPK判定)のこともあり、ドキドキ。

相手のオフサイドとシミュレーションに、まんまと騙されている審判もアレだが、パスミスだけでなく、パス交換そのものを簡単に奪われる今日の出足の鈍さでは、ボール支配率さえも上がってこない。

あげく、15分過ぎにはPKを献上。裏に抜けられた市川を山口が倒した。フリーでもなかったし決定的なシーンでもないし、PKはやり過ぎだと思うけど、山口はあのポジションでFWの後ろにいること自体が間違い。なぜCB二人そろって抜かれている?今季はPKづいているが、今日は取られる方。0-1。

まだ20分。広島戦のように圧倒されている前半でもないし、普通にやっていればエンジンがかかってくるだろう。相手も先制して少しルーズになってきて、セットプレーのチャンスも多くなってきた。橋本からのクロスをクリアされてCK。遠藤が遠目に合わせたが、ルーカスと競ったDFが頭でクリアして、逆からのCK・・・と思ったら、なんとGK判定。

え?ファウルじゃないし、アレを間違うって言うのは完全に見てなかったってこと?ああ、今日はこういう審判の日なのね。挙げ句の果てに間違っていることを間違っていると指摘してイエローを出す主審。大宮の選手の、笑いが止まらん、という表情が印象的だった。

テレビ観戦は残酷だ。スタジアム観戦だったら、あれ?おかしいな?でもわかんないよな。ですんでいただろう。

テレビだからこそ明らかになってしまう、選手とは関係のないところで試合の流れを決定づけてしまうジャッジというプレー。

リーグは、コアなファンの固定化、新規ファンの減少という問題を危惧しているけど、こんな試合を見せていることとリンクしていること、気がつかないんだろうか。

スカパーとか、BS、地方のUHF局で、たまたまサッカーを見た人が、こんなシーンばかり見せられて、へー最近のJリーグ面白そうだな、見に行ってみようかな、となるか?そういう人を引きつけるには、選手のプレーだけじゃなく、コンテンツとして魅力的なものにする努力をしないとしないと。ましてレフリーは選手の一番近くでゲームをコントロールしてる、試合の価値に大きく関係する人間なんだから。

囲んだらカード、みたいな訳のわかんないプライドじゃなくて、どうすれば技量が向上できるのか、選手自身がスキルを向上させるのと、せめて同等には考えてよね。

あと、トップリーグの試合がこんな人に裁かれていちゃ発展しない、という西野監督。その通りだと思う。こういうジャッジを跳ね返して、勝てるチームにしてください。そして勝ったときにこそ、糾弾してください。負けたときだけ遠吠えしたって誰もきいてくれないよ。

前半にもう一点失点したときの判断も酷かった。チョジェジンが後ろから足をかけられたプレーを(なぜか)続行。転倒したまま止めもせず、続いたプレーで失点。まずファウルだし、仮にファウルでないとおう判断でもプレーはいったん止めさせろ。主審、大宮の選手が倒れたときはすぐに外へ出させていたじゃないか。

ジャッジは置いておくとして、この追加点のシーンでも、大宮の戦術は徹底していた。人数をかけず三人で勝負できるスピード感で、ボールをGKの前へ左からクロスで右へ低いボール。ニアで山口が防げず、安田は追いつかず失点。ガンバの弱点である、裏への弱さと、左右の振りへの対応の悪さをいっぺんに突かれた。広島戦に続いてストッパー不在を実感させられる。

0-2になって審判もようやく落ち着いたか、ジャッジがまともになり出す。細かいファール、前半は全く無視していたのを突然取り始めた。今度は大宮の選手が困惑。そりゃさっきまで大丈夫だったプレーが急にファウル扱いになったら困るって。選手は基準を図りながらやってんだから。

チャンスはあるものの、その後はガッチリ引いている大宮を崩しきれず、山口の名誉挽回ヘッドもクリアされて前半は終了。前半のうちに1点を取らせなかったことで大宮はずいぶん楽に後半に臨める。ガンバは苦しい。

後半頭から、ルーカスに代えて下平、山崎に代えて佐々木。

一瞬、下平のミネイロ的起用かと色めき立ったが、そんな訳なく橋本をボランチに出す策。この日も懲りずに安田を右SBへチェンジ。ルーカスはカードももらっていたが、ちょっとプレーにキレがなく、受けたパスを出しどころなくウロウロして、奪われるまでキープしておく役になっていた。前は2トップのままのようだ。

後半直後の得点は、入ったばかりの佐々木のクロスから。佐々木のクロスに大宮が寄せられず、合わせられず、あたふたしたところ、いったん下がったボールを安田が再度放り込んで、チョジェジンがヘッドで合わせて1-2。

チョジェジンは、体制が悪く難しいボールにうまく合わせたときの方が、ゴールの期待度が高まる。

後半5分には、安田からすごいクロスが入った。文句なく同点ゴールだ、と思ったが、ヘッドで合わせたボールはゴールならず。遠藤だったか・・・昨年のホーム最終節浦和戦を彷彿とさせたが、残念。

俄然ガンバの出足が良くなって、大宮はちょっと焦り気味。押せ押せの時間帯の後半10分。CKからチョジェジンがポストで落とすが、こぼれて遠藤がもう一度クロス。今度は山口が合わせるが、ヒットせずクリアされる。

センターサークル付近にフワリと上がったボールを、最終ラインに張っていた安田が、足下に止めようとするもトラップできず、こぼれたボールをかっさらわれてGKと1対3の状況に。どうすることもできず失点でスコアも1-3。

安田の超凡ミスとしかいいようがない。CBがともにあがっているセットプレーのシーンで、セーフティという意識がなかったのが、本職ではない選手だからということなら、起用方法を考えるべきだ。少なくともあの瞬間は下平であって欲しかった。

大宮は3点もとれば、あとは引いていようが何だろうが構わない。ホームで勝ち点3が刻々と近づくだけ。押せ押せだったガンバもさすがに気落ちして一気に勢いをそがれた。珍しく裏を抜けたパスにレアンドロが反応しGKと1対1も決めきれず。

また徐々にスイッチ入り出したのは30分ごろから。ルーカスの代わりにチョジェジンのところでボールがおさまると、キープしすぎない分だけ、シュートチャンスが次々と生まれる。もちろんポスト役としても機能するし、シュートの可能性もある。

大宮の混乱を招いたのと同時に、見ているガンバサポも混乱した。多くの役割を与えられて、溌剌としたプレーをみせるチョジェジンを中心にガンバの攻撃は、見違えるように良くなった。

これだけやられないとスイッチが入らないのは困るけど。

後半30分には完全に崩して、チョジェジンからの左からのクロスにレアンドロがフリーで触れるも右へ外れた。惜しい。直後に生気を失ったままの安田に代わって投入された播戸が1トップチョジェジンの回りをウロウロして、レアンドロ、遠藤、佐々木からボールが配球されるシステムとなる。播戸が最も効率的に機能させられる形、スーパーなチョジェジンとのコンビに期待。

さっそく、播戸がチョジェジンの頭に合わせたが、ヘッドはバーの上に。

さらにレアンドロのミドルがブロックされたこぼれ球、チョジェジンが無人のゴール・・・のポストに当ててしまう。

下平のクロスにレアンドロがヘッドで合わせるが、枠外へ。

攻めまくって惜しいシーンが続き時間を忘れている間、大宮にとっては長かっただろうが、ロスタイム表示は五分。

遠藤がゴール前で囲まれるが、戻して下平がミドル。GKは何とか上に弾いてCKに。そのCK佐々木からニアのレアンドロがすかしてゴールイン。オウンゴールか?でも記録はレアンドロのゴールで2-3。

ロスタイムまだ時間はあった。遠藤の後ろからのふわりとしたボールにチョがボレーも、大きく外れる。キープしてもよかったのに、焦りすぎ。

右から佐々木が突破してあげたボール、囲まれた遠藤が頭で後ろへ。レアンドロには人もついておらず、チャンスだったがなぜか大きく上へ。これも焦ったか。

さすがに、ロスタイムでの逸機が続いては、追いつけない。2-3で試合終了。

早く1点差にしておいて、プレッシャーをかけられれば良かったのだが、最後の数分だけでは、足りなかった。

守る方にとって2点差というのは難しいけれど、この日の大宮は90分しっかり守って、ロスタイムまで失点しなかったことで、プラン通り勝点を守りきった。たぶん1-2で守りきる予定だったろうけど、3点目をプレゼントしてもらったことで、余裕が生まれた。

試合に臨む姿勢として、大宮はきちんとスカウティングをし、真面目で忠実に自分たちの出来ることを遂行した。

対するガンバは、試合の数の多さに気持ちが薄まり、大宮にレスペクトを欠く準備であったと思う。

元々苦手なんだから、これでは負けて当然。

ガンバにとっては、ミスもあったし、試合の入りに緊張感がないのが困りものだが、チョジェジンの変身と、後半の攻撃の活性化には希望が持てた。攻撃のオプションが増えただけでなく、強い得点への意識と可能性も感じることができた。こういう展開にならないと試すことのできなかったであろう布陣。

年間を通して、固定メンバーではなくて、調子の良い選手を揃えても、ガンバのサッカーができるというところが、見られたのがよかった。よかったよね、監督!?

でも、いつも試合中に手探りになるのやめてほしいな。

守備の改善はするつもりがないようなので、苦手の相手には、今年も負け続けるって言うことなんですね。神戸、新潟、川崎、清水・・・勘弁してほしいけど。

現状せめて右SBかボランチに違うメンバーを入れることをお薦めしたい。

採点します

藤ヶ谷:裏を狙って来るチームに対して、DFラインとはなにか対策を練っていたのでしょうか?監督が対策を練らないなら、君たちが何とかしてくれないと。失点シーンはどうしようもないけど、1,2点目はその前が問題。(もう少し)

橋本:右SB自体は無難にこなしているが、チーム全体の攻撃力もポゼッションの安定性も著しく低下する。とはいえ他にはいないし。加地のリザーバを放出し続けたチーム編成を恨む。ボランチの後半、シュートは良かったんだけど、スピード感がなかった。(できました)

山口:PK献上もウッカリしすぎだが、裏を通されすぎ。副審が期待できないと最初のプレーで分かって欲しかった。二列目と最終ラインをいかに超えるかの戦術は高度化している。ガンバの攻撃面からはそういった、攻撃モードの研究成果は見られないので、まずは守備の面から情報として仕入れましょうか。(もう少し)

パク:足下を早く通されると弱い。よくわかりました。監督は練習から見てんだから今日のような相手の時はCBの選定を慎重にね。セットプレーでは精力的に上がっていくがマークを外せないので、決定的なシーンが見られない。そのうえに、任せた安田のミスで失点をしてしまった。ロングフィードに少し可能性を見た(もう少し)

安田:ここ何試合か続けた、20分に一回ボケーッとスタイルが、ついに実を結んでしまったね。後半の失点直前までは、非常にいいプレーだったのに。右SBと左SBを行ったり来たりするのが合わないのかな?ミスを取り返すような勢いのあるプレーのできないところが気の小さい大阪人らしい。ガンバのジュニアでは「集中」という言葉教わらなかったかな。(失格)

明神:前半は攻撃面でパス交換の重鎮となっていたが、守備ではボランチをすっ飛ばされてしまって2失点。後半は得意の橋本とのコンビで安定していたが、カウンター警戒で少し自重気味だった。あなたの攻撃参加があったら最後の方の逸機を得点に変えられたかもしれない。失点増えたかもしれないけどね。一人通常のクオリティを維持。(よくできました)

遠藤:ボランチは向いてない。何回確認するつもりなんだろう、監督。下がり気味の位置での細かいパス交換は、ダラダラ感を醸し出すだけでなく、ボールを失うリスクを高める。後半のようにアタッキングサードでの遅攻ではじめて効果が出せた。(できました)

山崎:二列目での仕事はこなしていたが、前半は前線のその他3人のふがいなさのせいで生きなかった。交代させられてから、攻撃が活性化したのは皮肉なもの。レアンドロとポジションチェンジした方が良かったかもね(できました)

ルーカス:前線3人の中で最もぐうたらしてた。ボールを取られるためにキープしていたようなプレー。遠藤の悪さが際だったのは、ルーカスのせいか、二人のポジションが離れ気味だったせいか。どっちにせよ、ガンバパス交換のうち、誰か二人がイマイチでは、ポゼッションなど取れない。しばらくはルーカスが心臓とはいえない。前半で変えたのは監督の好判断(もう少し)

レアンドロ:連係が見られなかったが、他のメンバーがイマイチと見るや、自分で打開しようという姿勢を見せてくれた。後半はチョジェジンの変身と遠藤の進出でいつも通りのレアンドロとなった。しかしゴール遅すぎ。(できました)

チョジェジン:前半は消えているだけでなく、イライラして余計なアピールをしていた。後半ルーカスが抜けてから、別人のようにルーカス以上のパス交換能力とラストパス配球を見せてくれた。タフな仕事が求められてイキイキするのは、俺様系なのかMっ気があるのか。ゴールももちろんだが、今季のガンバの可能性を広げてくれたという意味で高評価したい(よくできました)

佐々木:小気味の良いプレーが、後半のガンバの号砲になった。安田のミスさえなければ、後半早い段階で追いついていたと思う。クロスやシュートにも期待するけど、パス交換に参加しても違和感がなくなってきた。(よくできました)

下平:安田と二人で低いレベルの争いはしてほしくない。今のミチなら置いていっていいよ。今日は惜しいシュートあり、守備も破綻してはいなかった。加地下平で上下動するSBコンビが見たい。近いうちにゴールも。(よくできました)

播戸:ポスト(ゴールポストはやめてね)の回りで仕事をするのは、スタイルにあっているし、今季いちばん良かったとは思う。今日も時間は短かったけど、不当に多くのチャンスをもらっているのは期待と信頼の証、腐らずに続けてください。(できました)