ガンバ大阪2008シーズン回顧:Jリーグ編

新シーズン始まる前に、なんとか昨シーズン回顧を。

11/8 vsFC東京(万博)●1-3

万博ゴール裏で観戦。ACL決勝の初戦を完勝した三日後。CB中澤を故障で欠いた試合。来週の決勝第二戦を踏まえて中澤は大事をとったと言うところだが、代わりのCBが明神というのが笑えない。福元よ・・・西野監督のCB不信はすごいな。加地を右に残したのは、東京対策だったんだろうし、明神も悪くはなかった。遠藤はボランチとしては機能せず、今季序盤の再来。ただ、ゲームは序盤から支配して良い形を作り続けシュートは打ちまくった。ただし形が良いのは監督の好きな「アタッキングサード」の手前まで。良い形でのシュートはほとんど打てない。前半だけで5本のシュートを打った播戸はついに見切られたか。変わって入った佐々木もそうそういつもうまくはいかない。対して東京はシュート5-6本しか打っていないが、シュートに持って行く形は完璧。こちらが攻めているような気になって点が取れない間にあれよあれよと3点取られた後、ルーカスが恩返しゴールを決めただけ。苦手東京相手にアウェイドローのしっぺ返しを食らった。

11/23vs 川崎戦(川崎)●0-4

テレビ観戦。ACL制覇後、遠征から帰って即天皇杯で難しいJ2甲府に勝った後の試合。確かに疲れはピーク、達成感もあってモチベーションも上がらないのに対して、あちらは優勝も見えている。遠藤、二川を欠いた試合、覚悟はして臨んだ。ハナから試す予定だった監督の采配が注目だったが、バックラインは山口、中澤のCBに下平、加地のSB。明神、橋本はそのままで、佐々木、安田を前で使う。これでやれる、という手応えがあれば、かなり今後の希望が見えたのだが・・・安田は、というより下平とのセットが期待はずれか。

それでも前半は、お互いの時間帯があって、まともだったように思う。しかし、前半終了間際に、テセに見事なヘッドを決められたあとはボロボロ。後半も交代なしで臨んだが、ボールを落ち着かせることも、危険なパスもだせないまま、あっというまに3-0にされて、もう何を試すのも緊迫感がない状態なので無駄。二人がいないのはここまで大きいか・・・

安田の代わりで入った倉田、明神の代わりで入った武井、チャンスと言うことで元気にやっていたが、プレッシャーのあるところでやらせないと、使えるかどうかなんて判断できないよ・・・ところで、井川に足で決められた後、藤ヶ谷→松代の交代には背筋が凍った。このまま怒って退団、というシーン、前も見なかったっけ?4-0の大敗。

11/29 vs浦和戦(万博)○1-0

万博バックスタンドで観戦。チーム状態がどちらも良くない状態。ガンバは三日前に天皇杯をやっている。休みなく週二回試合をやっている。しかも浦和とは一ヶ月前にACLで二戦やったところであまり盛り上がりもない。この時期にこんな形で対戦なんてしたくなかったが・・・浦和はセルヒオ、田中達がはつらつとしたプレーを、ガンバは佐々木、山崎が、先発で活気を与えてくれた、前半はガンバがやや押し気味だったが、山崎も播戸病か、決めきれず。前半12本のシュートの締めくくりは、苛ついた山崎の二枚目イエローでの退場と、加地の累積警告で次戦出場停止・・・。後半は数的不利で一転して浦和ペース。ところが苛つくのは、山崎だけではなかった。ガンバ随一の激情家の中澤が、宿敵エジミウソンと対決し、エジミウソンに一発レッド。さらに田中マルクスにもイエローでこちらも次戦出場停止。仲良く同数になったところで、ペースはガンバに。遠藤がトップで自由にポジションを動かすことで、機動的に。ゴールを後半40分まで引っ張ったのも、演出じゃないかと思えるような、遠藤の一人舞台は、加地のクロスをヘッドで決めて大団円。その前のルーカスのスルーにガンバ連携の美しさを感じたが、後日談によると遠藤が指示を出したみたいですね(ディーシャ、ってやつ)。

試合後は、都築がケンカで浦和サポのブーイングを黙らせて・・・はさておき、本拠最終戦セレモニー。「元日の予定は開けておいてください」のキャプテン松代に大盛り上がりだったが、まさか現実になるとは、この時はスタンドの多くが思っていなかった、はず。そのくらい、リーグ戦の失速はすさまじかったし、ここに来てFCWCが重荷に感じられさえしていた。この時はまだ。

12/6 vs新潟(新潟)●2-3

最終節は、降格の可能性を残す新潟とアウェイ戦。TV観戦。これまでの実績からして、優しいガンバはきっと新潟に勝てない。加地を欠いて、左右SBは下平、安田(!)。また、ようやく調子の上がってきた寺田を先発起用。倉田かと思ったが、寺田のチョイス。さて試合は、監督のハーフタイムコメントにあったように新潟の気迫に押されてリアクションサッカー。2-0にされたところで、すぐにその寺田がゴールを返して2-1に。その後前半終了まではガンバペースも、追加点は取れず後半へ。後半は不安定なサイドを強化すべく下平アウトで播戸イン。橋本を右SBにして安田を左に戻す。安定はしたが、ボランチで明神の負担が増して、膠着状態に。しかし15分、播戸のシュートがはずれた後のプレー、再び播戸が、今度はルーカスにキラーパス!見事に同点。降格争い的には、また盛り上がる場面となった。しばらく落ち込んだ新潟に対してガンバが攻め込む時間帯が続いたが、勝ち越せず。徐々に勇気を回復した新潟に対して、受けに回ったガンバは、有効な手を打てず、試合終了直前、中澤が与えたファールから、残留決定の逆転弾を決められ、盛り上がる中終了。寒い雨の中、オレンジのスタジアムからは湯気が出ているのを感じた。残念だが、リーグ中位のチームにとって、このモチベーションの差はひっくり返せるものではなかった。一年間、新潟が見せたような気迫は、ついに感じなかったなあ・・・と思っていたのも、実はこの日までだったことを、まだ知らない。

しかし、うすうす気づいてはいたが、ひどいリーグ戦の終わり方だった。

それでもやむを得ない、と納得できたのは、結局ACLの勝ち上がりと優勝、これに尽きる。

かといって、リーグ戦もメンバーを落としたわけでもなく、故障・病気・出場停止を除くベストメンバーで戦い続けたことも事実。正直、国内ではもう通用しないのか、「朗れた」(「飽きられた」由来の造語です)のか・・・。

一年を通してみれば、編成は素晴らしいチーム構成をした。ただ、CBとFWが途中退団したことは、最後まで響いた。CBの方は、福元を使えなかったことも含めてコマ不足と明神へのしわ寄せが起こった。反面、監督に3バックという変な色気を使わせなかった。試合中のシステム変更という妙技をのぞいて、3バックはほとんどなかった。バレーの退団は、やはり深刻なダメージを残したが、ただ一方で、パスサッカーと言いながら局面打開をバレーに頼っていたシステムからの脱却が、シーズン終盤には見て取れた。リーグ戦では花開かなかったが・・・

また、遠藤と播戸の離脱が、その時期に重なったのも痛恨だった。サッカー選手が、ぎりぎりの体調でプレーをしていることを、改めて感じた。

リーグ戦以外は、後日。