欧州CL準々決勝・リバプールvsアーセナル:さよならヤングガナーズ
欧州の舞台で弱い、というレッテルをようやく脱したのは2年前。
当然これまで、欧州CLのトーナメントでビッグクラブを続けて撃破したことは、ほとんどなかった。
(強豪ではないからやりやすかったか、と言うことは別にして)
違う言い方をすれば、一回の大会中、強豪に勝てるのは一回だけ。
アピールが一度できれば、満足してしまう、というか・・・
決勝まですすんだ2005-2006シーズンには、銀河系の最終年だったレアルマドリーと、後にカルチョッポリのユヴェントスに続けて勝ったが・・・マドリーの状態を考えると胸を張って、強豪を連続撃破とはいえないかな。
2003-2004はセルタに勝ってチェルシーに敗れ、翌年は初戦バイエルンミュンヘンに敗れ、2006-2007は初戦PSVに敗れ・・・
そんなアーセナルが、ミランに勝ったのだ。それも、敵地で、パスサッカーを封じ込められながら。
少し酔ってしまった。
準々決勝の相手がリバプールになった時点で、なんとなくイメージは出来た。イングランド勢の対決なら、どちらかというとチェルシーの方が良かった。
チームの強弱や調子だけでなく、カップ戦でのリバプールの賢こさ・うまさ。若いアーセナルイレブンは、ミランに向かっていく勢いはあっても、いなされると弱い。
「カップ戦巧者のリバプールが、第一戦をしのぎ、第二戦をものにして、準決勝進出」
という新聞の見出しは、最初から用意できたんじゃないか。
はてさて、ホームでの第ー戦、立ち上がり、攻守の入れ替わりは早いが、リーグ戦に比べて慎重なため両チームとも決定的なフィ二ッシュには至らない。
アーセナルはショートパス主体、リバプールはサイドチェンジとスルーパスでスペースを狙いながらの攻撃。どちらかというとアーセナルの方が足止め
過度にリスクを負わない状況でー進ー退がしばらく続くかなあ、と言う矢先、前半20分すぎに、ギャラスのクロスをアデバイヨルが頭で合わせて先制。
ところが、その直後サイドを突破されるシーンが続き、最後はジェラードのクロスをカイトが押し込んで同点。
ああ・・・これが若さか。
その後、しばらくリバプールの時間帯だったが、何とかしのいだ。
このあたり、リバプールの試合運びがうまい。続けてカウンター気味にチャンスを作った後は、ゲームが落ち着かされてしまう。アーセナルはボールを支配してはいるが、ゲームを支配しているとはいえず、ワイドに展開しながら、守備の穴を伺う。
ウオルコットのミドルや、ベントナーのミスショットなど、チャンスはたまに作るが、圧倒的に攻めまくるというふうでもない。
フレブが倒された場面で笛がなかったのは、残念だったが、総じてリバプールの守備陣が慌てる風でもなく落ち着いて対応していたことが、そうした判定になったとしても、文句は言えまい。
1-1でホームは終了。
さて、いやな第二戦。0-0ならホームのリバプールが勝ち上がる。ただし、こうした状況では、しばしば波乱が起きるもの。しかしあいてはカップ戦巧者。下手をこくとはおもえない・・・
間の週末にリーグ戦での対戦も挟み、三連戦だったが、両監督ともに工夫をしてきた。ベニテス監督は、いつもの1トップから、クラウチ・フェルナンドトーレスの2トップで4-4-2気味にしてきた。ヴェンゲル監督は、センデロス、フレブ、クリシーなどをリーグ戦では温存し、CLに照準を合わせただけでなく、アデバイヨルの1トップ気味に変更してきた。ホームで過度に守備的にならず中盤での支配率を高めたいリバプールと、ターゲットにあてて二列目の選手で崩しにかかりたいアーセナル。
思惑が先に当たったのは、アーセナルだった。
前半13分、上がっていったアブディアビがパス交換から強烈なシュートで先制。これで、リバプールのアウェイゴールポイントが失効。
第一戦の反省を生かして?その後は慎重に守ったアーセナル。しかし、引きすぎて、徐々に押し込まれる。アンフィールドで、じわじわと真綿で首を絞められて、我慢できるほど辛抱強くない、アーセナルのヤングマン達。ヤングメン。
前半30分に、CKから決められて同点に。
センデロスがいたんですがねー。付ききれなかったですねー。
どうも第一戦からコンディションが悪いのか、契約問題が尾を引いてるのかフラミニの動きがイマイチだったが、前半で足首を傷めたようで、早々にジウベウトシウヴァとスイッチ。
この交代がなかったら、後半頭からファンペルシかウオルコットの投入があったんじゃないかなあ。
延長も見据えて、後半はそのままスタート。
リバプールが、ボールを支配し、攻めまくる。ああ、もう勘弁してーと、朝から悶絶。少し、ペースを落としたかに思えた後半25分、トーレスに渡ったボールを、センデロスが見失ったの?まかれたの?テレビでは何が起こったか一瞬分からず。とにかくなぜか、置いて行かれてトーレスがフリーになって、シュート。ついに逆転を許す。
これを受けて、ファンペルシとウオルコットを続けて投入。
一方、リバプールは得意の4-2-3-1型に戻して、守りきる様子。
はてさて、後半40分、ミラノで点を取ったのもこの時間だよな、と思った矢先、ウオルコットがドリブルでつっこんで、中央のアデバイヨルにパスが通る。本日、決定機を外しまくってきたが、ここでようやく同点ゴール!!
2-2。合計3-3でアウェイゴール数で逆転。
しかしここでは、第一戦の反省は生かされず。
冷静さを失い浮き足だった、ヤングガナーズ。バベルをエリア内で倒してしまいPK献上。
「判定はひどいが、我々の集中力が欠けたことも認めないといけない」
との監督コメント(公式サイトより)がすべて。
第一戦のフレブの件も含めて、納得はいかないが。第二戦の後半42分にやってしまっていいプレーではない。
気が付いたらバベルがボックスにいた、ってアンタ・・・
さらにロスタイムに前がかりになったところでカウンターをくって4-2で万事休す。
今年のアーセナルのCLはベスト8進出で幕引きです。
今日の先発イレブン、平均年齢は25歳を切っており、アルムニアとギャラスをのぞけばみな20代、ほとんどが前半。
昨年のことを思えば、今年はプレミアシップも、CLも本当よくやってくれた。
いや、リーグ戦はまだ終わってないけど。
でも、期待しちゃった分、落胆もある。
去年のように、「若いチームだから将来に期待」という転換はしにくいよなあ。若さを希望と読み替えることは、もうこれでオシマイにしたい。
まずは、気分を入れ替えて(これが下手なのは知っての上で)目標はプレミア逆転優勝だ。
・・・明日の朝、バルサの試合でアンリ見たらまた落ち込むかなあ。