いまさらガンバ大阪2007シーズン回顧と新シーズンへの一瞬の希望

まず、時機を逸したこの記事、完全に思い出し愚痴、になっています。

でも、この半年間まったく記事など書けない精神状態のまま、天皇杯は広島にぶっこ抜かれて終わり、そして昨シーズンは終わった。

それっきり、あっというまに三ヶ月、2008シーズンの到来。でも、まだ立ち直れなかった。

しかし、昨日の開幕戦の記事を書くには、気持ちを刷新する必要があり、去年の総括が必要だ。

ガンバ大阪が2007シーズンの優勝を逃すことが決定した神戸戦。

ロスタイム、目の前で、神戸に同点に追いつかれた瞬間、競技場では結構な人数の人が、鹿島と浦和の試合を気にして携帯電話(ワンセグ)を手にしていた。

選手だけでなく、サポーターも集中が切れていたと言えるシーンだった。

優勝争いと関係ない最終節広島戦も、重圧から解放されたとか関係なく、窮屈で退屈なプレーの挙げ句、集中も対応もできず、追いつかれドロー。

結局三位なりのチーム力なんだね、と納得するほか、やり場はなかった。

 疲労だの、プレッシャーだの、僕ら自身を納得させる言い訳(納得できないけど)はいくらでもあるけど、その理由を考えると、結局毎年同じ問題が浮上している。シーズン序盤の素晴らしいゲーム内容、中盤での独走、そして夏以降に失速。終盤はつまらないゲーム。

サッカーには相手のいることを忘れて独善的なポゼッションにこだわりすぎていないか。

イデアがたくさんあっても、すべて引き出しから出せる訳ではない。限られた展開でシュートを打ちまくっていれば、相手に手の内をさらすようなもの。

終盤バレーは、不調で決められなかったのではなく、バレーが決めるポイントに対応されるようになっただけではないか。

二列目からの攻撃しか効かなくなる前に、手を打たなきゃ行けないのに、喜んでシュートを打ちすぎた。その結果、ガンバの攻撃に対応された。

しばしば「相手の守備に飽きられちゃってる」という恥ずかしい思いにすらなった。

たとえ読まれても飽きられても決められる力のある川崎や、飽きさせない手を打ってくる清水との違いは何か?

固定メンバーでの疲労は、試合に出ることの疲労だけじゃない。同じメンバーで同じようにしかプレーできず結果が出せないストレス。

なぜナビスコで倉田がはまったのか、時に家長や寺田の交代がなぜはまったのか、考えなかったのだろうか。相手の対応できないプレー、というだけでなく、チームにとってもフレッシュな選手とのプレーがもたらすポジティブな影響をなぜ考えなかったのか。

キレのない代表帰りのメンバーの強行出場にこだわり続け、パフォーマンスを低下させないと交代できない監督。

ポゼッションサッカーはひとつの戦略なので、ある程度目をつぶっても、固定メンバーにこだわることはどうにも我慢できない、打開できない場面では、ファンタジックなプレーか、スピードプレーで突破が解決できるはずだ。

固定メンバーにこだわった挙げ句、多くの主力を放出し、そしてユースの選手にチャンスを与えずに移籍させてきた、長年のツケがいよいよ回ってきた。

トリッキーなスタイルが必要な状況が何度もあったのに、チャンスを与えなかった選手は、今季も移籍してしまった。

一昨年途中に、事実上の戦力外扱いで干したフェルナンジーニョだが、自らチーム力を落とす選択(少なくとも支配下選手一人分は)で終盤どうしようもない失速をしたのに、昨年もまったく生かされなかった。

選手交代について監督が急に成長するとは思ってなかったが、そのような状況に今年もなるとは思わなかった。

 

シーズン進行とともに、ガンバの攻撃が抑えられていくデータはいくつもあった。単純なゴール数はもちろん、ポゼッションに対するシュート数、枠内シュート数・・・(それを集めているうちに、記事を書く気が失せたのだが)

改善すべき点は、はっきりと出ていたんじゃないだろうか?

チーム構成を大きく変えた、今シーズンの補強だったが、児玉を失ったこと、家長を放出したこと、短期的には仕方のない処置だったろう。でも決してチームの将来性にプラスになったとは思えない。

ユース出身の選手の扱いの面で、チームとしての甘えはなかったか。ユースでの持続的な育成に影響を与えないだろうか。

ユースではないが前田の放出も残念だ。

前向きな話。補強。

ポジション取りに難がある播戸以外にスピードを生かせる山崎、右サイド加地に依存するスタイルのオプションにもなる佐々木、前線でためを作れるテクニックタイプのFWルーカス、常に不安なセンターバックの柱となる水本、さらには福元まで。これらの補強は、ガンバの弱点を補う、効果的な補強だったと思う。ただし、監督が、使いこなせれば。

またミネイロは未知数ではあるが、はまれば安田の使い道を広げられる。これも監督が試す勇気を持てば。

昨季は数えるほどしか出番を与えなかった中澤の完全移籍も、センターバックの人材不安を考えると大きい。今年も緊急事態のみの出番ではなく、普段から試せれば。

また、寺田と倉田の成長が一番の補強だ、といえるようなシーズンにできそうだ。

五輪で選手がとられることは想定済みだ。でも、その時だけのバックアップの選手ではない。ACLでの過密日程も想定済みだ。でも、その時だけのターンオーバーではない。チーム力を考えると、疲労した選手にこだわってチーム全体のパフォーマンスを落とすという選択を繰り返すと、今年はリーグ戦順位をさらに落としてもおかしくない。

代表戦期間はリーグの試合日程は空いているが、代表選手の日程は空いていないのだ。何のためらいもなく供出するチームの姿勢を批判する気はないけど、強行出場によるパフォーマンス低下はとうてい認められない。チーム内連係に影響がある、というのは、そもそも固定メンバーにこだわるからだ。代表を張るようなスタメン選手との実力差ではなく、連係の差を強調するなら、多くの選手間で連係を保てるようなメンバー構成を考えない側に問題があると言うことだろう。

それを踏まえて、はじめから特定選手間の連係ではなく、チームとしての連係を高めるよう努力するべきだ。

ハワイでのカップ戦は商業色の大変強いものであったが、代表メンバー抜きでのチーム連係を高めると言う点で、有意義だった。さすがに監督もこの連係をベースに、合流期間の短い代表選手を徐々にかみ合わせるスタイルでスタートするだろう。徐々に例の固定メンバーとなるかもしれないが、依存度は下げられる。そうした点で期待を持ってリーグ戦開幕に臨めた。

そして、いざ開幕戦。

試合開始前に、スタメン構成に大変失望し、そして不安的中の通りの試合となった。

それは、別の記事にて。