U-20 W杯 日本vsコスタリカ 後半

後半は、攻める日本とカウンター気味のコスタリカという構図が鮮明に。ボールも回せるし、シュートも打てるようになるが、実際にはボールポゼッションがさほど高いわけではない。相手ゴール前からだけではなく、中盤割と低い位置でボールを奪われてカウンターを食うケースが多く、もう少しボール保持に時間をかけてリスクを下げたい。

コスタリカは、カウンターの後、日本DF陣がボールを止めるまたは奪ったあとの、セカンドプレーを必ず誰かが狙っていて、そこからの組み立てをスムーズにさせない。また、日本も少し、浮き足立つようなプレーとなってしまい、ボール回しが落ち着かない。

20分をすぎて、コスタリカの方が動きは鈍くなっているようで、雑なプレーも増えるが、スコットランド戦同様、日本も付き合って大ざっぱなプレーが増えたようだ。

コスタリカは、前線で幾度もDFを振り切ってきたペレスが交代。

ただ、相手のケアが遅れてきて、スペースが生まれ始めたところを、梅崎のクロスがあがるが、森島の頭にヒットせず(オフサイド?)、また持ち込んだ柏木がシュートチャンスで空振り。

かなり強い日差しで、日本の運動量が落ちるのも時間の問題。この時間差が大事だ、と思われた24分、梅崎が低いクロスをあげて一番ファーにいた田中がダイレクトに決めて先制点。

カウンターでいつか点が取れるだろうというスタンスだったコスタリカは修正を余儀なくされる。ここで雑なプレーに付き合ってはいけないのだが、ちょっと気持ちにゆとりができてしまったか、球際の厳しさがなくなり、ことごとくボールがコスタリカのものに。

右も左もバイタルエリアで、無駄な時間を費やして相手が詰めてきてボールを奪われる、倒してセットプレーを与える。安田、走るならしっかり走れ。走らせるパスを出すならしっかりスペースへ出せ。内田、相手の位置を確認してプレーしろ。なぜそのボールを見送る

しかし、コスタリカの気持ちもそう長くは続かないだろう、という暑さ。30分を過ぎて河原に変えて青木を投入。疲れている相手には有効な選手だ。コスタリカも前線を変更してくる。

前半から繰り返しピッチを往復してきた日本DF陣は攻めあがるシーンが激減する。疲れからか、クリアミスや、相手の位置を見間違えるようなプレーが増えてくるが、相手が外してくれて助かる。

内田・福元あたりは、やや自信を喪失しているような、あきらかに混乱したプレーが増えている。槙野は安定している。安田はミスも多いが、相変わらずへこたれない感じだ。

35分には田中に代えて藤田投入。コスタリカは猛然と攻め込んでくるが、日本はもうほとんど対応できない。守備で動けているのは槙野・柏木。シュートまで行かれないとプレーが切れない。林は足がつっているよう。

40分を過ぎて、なんとか中盤にボールを出して、時間を使うプレーに終始。梅崎・青木・柏木あたりが奮闘。なのに、内田が空気を読まずに中途半端なスルーパスを出そうとして失敗。もう走れる選手がいないのと、パスそのものが弱い。あわせて状況判断の問題か。

内田は足もつっているようで、ほとんど効いてない。

44分には柏木を下げて森重投入。さすがに焦るコスタリカも、ボールをポンポンほりこむだけになっている。これなら何とかできる。はずだが。

ロスタイム5分の表示。

青木が献身的にボールを奪って時間をかけようとするが、今度は空気の読めない安田が、森島に無駄なサイドチェンジを試みる。森島は相当疲弊しており、普通のパスもボールを保持できない様子なのに。前で待たせるだけにしなさい。

5分は長かったが、コスタリカにも攻め込む元気がなく、モチベーションもなかったようで、後半終了。

若いということで、やはり相手なりになってしまうこと、また良くも悪くもプレーの結果を引きずってしまうこと、など改善するべき点もあるが、負けては成長のチャンスも来ない。勝ってグループリーグ突破を決めて良かった。

個人的に、一番良かったのは、同じように暑かったドイツでのフル代表とは違い、運動量が相手よりも先に落ちなかったこと、だと思う。歯がゆさを感じさせないでくれた。