どうして「アジアカップvsマンUツアー」なの?

仕事で東南アジア某国に来ています。

こちらは暑いです。夏か。正直動きたくない。

こちらの人はサッカーが大好きです。プレミアの試合はしょっちゅうやってますし、CLも衛星でみれます。「力道山か?」という集まり方で集まっています。欧州サッカーの話題は常にスポーツ新聞の一面を飾ります。

もちろんナショナルチームの成績はそれほど良くありませんが、チーム(=国)をサポートする気持ちは本当に「熱い」。

タイガーカップの盛り上がり方は、日韓W杯の時の日本の盛り上がり方など軽く超えてしまいます。

アジアの中でもサッカー大国・地域ではないけど、サッカー熱がきわめて高いのが、東南アジア諸国の特徴といえます。

さて、今年はアジアカップが共催で東南アジアで行われます。開催能力は危惧されてるようですが、それぞれ国を挙げてのサポートが可能ですから、まあ問題はないでしょう。アジア大会や、SEA GAMESのインフラも使えます。

ただ、AFCFIFAはそれでは満足しないようで、同時期に行われるマンチェスターUのアジアツアーに対して、いちゃもんをつけているようです。

特に直接関係するマレーシア政府は、対応に二転三転しているみたいですね。

今朝の新聞では「独立50周年事業として予定通り実施する」とか、話しもふくらんでいるようで。

でも、FIFAはそもそも、フットボールの普及を考える立場からは、ビッグクラブの遠征の効果をもっと純粋に捉えても良いんじゃないのかな。

まして、AFCマンUのツアーに付属する様々な事象(取材・追っかけ・露出)などをもっとポジティブに捉えて、有効活用すべきではないかな?

今訪問中の某国では、みんなどちらも楽しみにしています。

彼らにとってプレミアのTV放映は、やっぱり、遠い国のリーグ戦なんですよ。遠くの美人より近くのナントカ、で、自国のリーグ戦はやっぱり熱が入る。

でも、プレミアのチャンピオンチームが間近で見られるとしたら?やっぱり興味はすごい。「だってロナウド(もちろんポルトガル人)が俺の半径**km以内でプレーするんだぜ」、ていう子供みたいな感動が、我々(毎年トヨタカップ等で物理的に近づいてはいる)にはない感性としてあるわけです。

でも、ナショナルチームのサッカーは別。

アジアカップに対する高揚感は、彼ら独特のナショナリズムも相まって、今や遅しと開幕を期待している、という感覚なようです。

彼らにとっては、やはりW杯はノーチャンス(と思ってる)。だからこそ、予選ではなく本大会で、レベルの高い国と、マイカントリーが戦うことができる喜び(もちろんジャイアントキリングを夢見て)は望外のものであり、国歌斉唱をイメージするだけで泣けてくる、と言います。

前回、中国で浴びた日本チームに対するブーイング。でもあれが、アジアカップじゃないですか。歴史も文化も背負った隣国なんです。スポーツだからの一言では片付かない感情がある。

某国の彼らも、いびつな歴史教育を受けていると実感しています。それは「対日本」ではなくて、「対・・・」

いや、いえない。

でも、かれらは、これまでそういった感情を露わにできる機会がなかったと言います。たぶん日本人は何かそういったシーン(たとえば激しいブーイング)を見た際に、色々な思いが去来するでしょう。スポーツとは純粋には違う分野のことかもしれません。でも、我々はスポーツ観戦だけで生きているわけではない。

話を戻すと、アジアカップマンUのツアーの二点が競合すると言うことで、何が問題なのか?問題化しようとしているのは、とても滑稽だと思います。「ギミック」のような形で、火のないところに煙を立てて煽ろうとしているのかと、思うくらいです。

両立、や、共存、ではなくて、両者がお互いをプロモートできる、絶好の場だと思うのですが。

どうでしょう。遠くに来たせいで、私がおかしなことを言っているのでしょうか。

こちらは暑く友人と、飲んで、飲んで、飲んで、とやっているせいで頭がやられたのでしょうか。

でも、やっぱり、エンタテイメイントの少ない彼らから、イベントを奪わないでやって欲しいな、と思います。

以上!