雨とゴルフとF1と競馬 (と部屋とYシャツと私)
昨日の、G大阪vs甲府についての記事の中で、雨がゲームに与える影響についても触れましたが、昨日はあちこちで雨が降っていたので、少し雨とスポーツの話題を。
(ジャンルが選べずに不細工なタイトルになってすみません)
その1:大阪
自宅の近くで、日本女子オープンという女子ゴルフの大会が開かれた。
立派なコースで、しばしば大会が開催されるのだが、今回はメジャーである。
それはそれは、大変な盛況であった。
いや、正しくは、宮里藍選手の出場で、大変な騒ぎになった、というべきか。
ゴルフについて、ボールの動きとスコア以上に詳しいことは語れない。
ただ、どれだけゴルフに詳しくなくても、雨が降れば、芝が濡れ、ボールも濡れ、プレーがより難しくなるのは分かる。
昨日は、朝から激しい雨だった。宮里は2位でスタート。同組には3打差で首位のチャン選手。一番から、パッティングの差が出てしまった。グリーンではボールを転がすわけだから、なお一層雨の影響を受けるだろう。宮里選手がそれを計算していないわけはないし、チャン選手とて条件は同じだ。
一番で宮里はボギー、二番ではチャンがバーディー。これで5打差。あっという間に、優勝争いの興味は失せてしまった。
2ホールとも、宮里は5m程度のパットを決めきれなかった。雨の日の難しさと、これ以上離されては勝負が付く、というプレッシャーを抱えてのスタートだっただろうが、出バナで勝負が決してしまった。
これが、技術力によるのか、精神力によるのか、は分からない。
でも、宮里はその後、ホールアウトするまで、大崩れしなかった。
先週、大山志保選手の連続ボギーを見て、ゴルフの怖さに思いを馳せたところだったので、少し、安心し、拍手を送った。
その2:上海
その宮里藍選手に言われるまでもなく「雨が濡れると路面が滑りやすい」というのは、「飲んだら乗るな」と同じく、私の心を捉えている。
F1マシン(というよりレース用タイヤ)も、やはり滑る。
F1中国グランプリで、ミハエル・シューマッハーが優勝した。
濡れたコース面でスタートしたレースは、ポイントランクでトップのアロンソがポールポジション。シューマッハは6位スタート。
チームメートのフィジケラは実にマシンのコントロールがうまく、抜群のブロックで、シューマッハを前へ行かせない。
だが、すいすい行ってしまうはずのアロンソが、ピットイン後、ペースが上げられず、フィジケラ、シューマッハと団子になる。
アロンソとのペースの違いは明らかで、フィジケラがトップ、アロンソは3位に後退。
ここで、路面が乾いてきたことを感じ取ったアロンソ陣営は、ドライタイヤへの変更という勝負に出る。
これは、見応えのある面白い戦略だったのだが、残念ながらピット作業のミスで、順位をさらに下げてしまった。
フィジケラ、シューマッハは、我慢比べのように、タイヤを替えずにコース上で粘るが。結局シューマッハが先にピットイン。次の週にフィジケラは悠々とピットインし、シューマッハの前でコースに戻った・・・はずだった。
しかし、コーナーでミスして、シューマッハにあっさりかわされる。
その後、アロンソは猛然とペースを上げてトップを追う。フィジケラを抜き、トップに迫るが、逆に終盤は雨が降り始めて、万事休す。
フェラーリチームは、しばしばコンディションの予測やピット作業など、チーム力で勝利をものにしてきた。むしろ、今日は後手後手に回った感があったが、何がどう転ぶか、分からないものだ。
その3:パリ
パリ(の郊外のロンシャン競馬場)は天気も良く、芝も濡れていなかった。
日本馬が海外挑戦した時に、いつも問題になるのが、馬場コンディションである。日本の芝より長く、また刈り揃えられていないため、雨の影響も受けやすいのだろう。
エルコンドルパサーの時は、天気が悪く、重馬場に涙をのんだ。
今年の凱旋門賞は、完全な良馬場で行われた。
8頭立ての一番人気、日本のディープインパクトは、3着に終わった。
ディープは本当に飛んでいる、という検証番組まであった。なぜ、飛べなかったのか、ジョッキーはじめ皆一様に首をひねるが、競馬なのだから結論だけ言うと、今年の凱旋門賞を勝てる馬ではなかったのだ。
あえていうと、パリ郊外シャンティはずっと涼しく快適だったと聞く。長く、快適な生活で、生まれ故郷の北海道を思い出して、闘争心が少し衰えていたのかな?
抜け出してからの迫力のなさは、そう思わないと、理解できない。
いずれにせよ、歴代とまで言わないが、現時点での日本最強馬が、言い訳できない敗北をくったのである。
ヨーロッパでG1を勝つのは、まだまだ楽ではない。
追記です。
先ほど合田直弘氏のサイト、にて、ディープについて、素敵な文章に出会いました。
ぜひご覧になってください。
なぜ、ディープインパクトは翔ぼうとしなかったのか。あるいは、なぜ翔びたくなかったのか。シャンティーの、馬に優しすぎる環境に、ディープインパクトという類稀れなアスリートの、戦う気持ちを萎えさせる何かがあったのだろうか。
馬に対する慈愛に満ちた表現に感動しました。