10/1 G大阪vs甲府 すり込まれた記憶(イメージ)

何かが起きるのはいつも雨の日だ。

サッカーの試合ごときで大げさかもしれないが。

今日の試合は、そんな趣であった。

芝とボールが濡れるとパスサッカーのチームに不利なことは、分かる。

そういう選択肢を取るかどうかも含めて、雨は両チームに平等に降っているのだ。

そして、甲府のプレスが激しいのも初めから分かっている。

試合の前半は圧倒的に甲府のペースであった。

甲府の密集とプレスに対して、ガンバはツータッチ以上触ってボールを下げたり、バックパスが三本以上つづいたり、いつもとは異なるボール回ししかできない。

いつもと違うことをすれば、ミスが出る。

ガンバファンにとって、本当に見たくないプレーの連続だった。

ボール扱いのうまい子供が、スリップなどミスして格好悪いところを見られたくなくて、消極的な動きをしているだけようだった。

「俺って本当はすごくうまいんだぜ」と虚勢を張る。

プレー内容はもちろん、気持ちの面でも、大人と子供であった。

甲府はバレーに当てるのが常套だが、決してワンパターンではなく、バレー起点の攻撃は実に多彩であった。危険な場面が何度もあった。

あれだけ圧倒されたのは久しぶりだ。前半は運良く一失点で収まったが、前半だけにとどまらずその余勢をかって甲府は後半に二点追加した。

3-0の時点で勝負あり。

もっとも、後半のガンバは、入りから良かった。

パスは緩急つけ、下げすぎず、ツータッチ目で必ず前にボールが出る、それを何本も通す。いつもの危険なサッカーだった。

甲府にとっても、前半で圧倒したイメージがなければ、ゴール前まで来れなかっただろう。

もし今日のガンバが、前半で相手の動きの様子を見て、後半修正して対応しよう、という戦略だったのなら、そのことは間違っていない。でも、後半は前半と別のゲームではないのだ。前半できた良いプレーは、体が覚えている。そして後半もできると思って、相手は動く。それが余勢だったのだ。

後半途中から、さすがに甲府は消耗が激しく、徐々についてこれなくなったが、それでもガンバの反撃が遅く、また精度が低かった。もちろんそれは、前半からの激しいプレスの、記憶がフィニッシュを狂わせたのだと思う。

家長は良く効いていた。右でボールを動かせるようになっていたし、甲府も戸惑っていたようだ。一方、今日は加地不在の右サイドが最後までうまくなかった。最後はシジクレイが走り込んでスペースを使っていたように見えたが、あれは幻覚だったのだろうか。

それにしても、甲府の選手交代は、時間帯も交代選手も的確で、かつ攻撃的であった。プレスの弱くなった選手から交代させ、しかも攻撃の仕事ができる選手を入れることで、ベンチからのメッセージはわかりやすく選手に伝わったはずだ。きっと勇気づけられたことだろう。

確かに、エリア内でのファールを一切とらない審判は問題だが、完全フリーの1対1を外すのも同じくらい問題、そして「それもサッカー」なのだ。

残念。

私にとっては、何もかも残念な週末となってしまった。

でも、人生は続く、のだ。