2017/3/19 J1#4 ガンバ大阪vs浦和「渋みもありドタバタもありの、ナショナル新喜劇」

週半ばのACLではまたも敗戦を喫して迎えたホーム浦和戦は、吹田スタジアムのゴール裏で観戦。まだまだ手探り状態の3バック+アンカーのシステムで臨むには不安のある相手。しかも前節、東口が大久保さんの膝で頬を折って欠場するのも不安倍増の材料。また、藤春の代わりにオジェソクが左に入る。

前半は柏木の曲芸で肝を冷やしたり、ジョンヤの凡ミスで心臓が止まったりしたけど、藤ヶ谷さんには阿形・吽形ならぬ謎のシールドがついており、かろうじて失点は免れる。キックオフ直後はガンバのフィードがはまりそうな形もあったけど、ターゲットが少ないので簡単に対応されてしまった。一方で、浦和の方は例によって細かいパス交換にこだわるあまり、プレスでそれをさせてもらえないと段々いらついてくるという、ラファエルシルバが入ってもやはりここ数年と同じ形を見せて前半は終了。

後半に入ると、ガンバのチェックにボールが引っかかる回数が増えてくる。先制点もその形から。倉田がボールをもってドリブルで持ち込み、オジェソクへ。期待していなかったクロスがスーッと人数の多いところにあげられたが、それを今野がキレイに合わせて先制。これで浦和のモチベーションががくんと下がった上に、関根を下げてくれる謎采配でぐっと楽に。

しかし好事魔多し。藤ヶ谷が傷んで治療。一度はプレー再開するが、やはり続行は不可能と言うことで突然のGK交代。今季四番手GKだった田尻が、東口の負傷、鈴木の低パフォーマンス(ACL)、そして藤ヶ谷の負傷で、ピッチに立つことに。阿部との1対1を止めるなど、落ち着いたプレーで乗り切りかけていたが、ラッシュをかけ続ける浦和の圧力に、最後は屈してしまいPK献上。残念ながら1-1のドローで試合終了。

試合終了後は田尻の涙に対してゴール裏から拍手が送られるという異例の展開。

噛み合わせが悪そうなので、浦和相手だけは442で臨むんじゃないかとも考えていたのだけど、ボールを持たされて困る、という心配がない相手だけに、やはり合理的な選択だったのかもしれない。またしても評論家諸氏からの「レベルの高いゲーム」との賞賛を戴くことになったが、そろそろ次のステップに行かないと、35000人近いお客さんがみんな玄人好みの試合を求めてるわけではないのでね。

藤ヶ谷:フィードや連携ではアレレ、というところもあったが、DFの裏切り行為にもあいながら、ポストやバーが守ってくれた。後半は素晴らしいシュートストップも見せたけど、勝負所での負傷は、サブへの負担も戦術的交代の消滅という点でも残念。できました

三浦:浦和の細かい繋ぎに翻弄されるかと思いきや、概ね冷静に対応。ただ、フィードを入れるような余裕はなかった。できました

ファビオ:ギャップを狙ってくる浦和のアタッカーとの駆け引きに注意深く対応できていた。興絽の動きはかなり研究したのでしょう。よくできました

金:どえらいミスから決定機を演出したけども失点にはつながらず。ただしその影響でフワフワした時間帯が長かった。後半は立て直したけども、ジェソクや今野に助けられた感が強い。もう少し

初瀬:宇賀神をぶち抜いてカタチは何度か作りかけるが、そこからがイマイチだった。チャレンジが少なかったのは、バランス崩したところを狙われることを恐れたベンチの指示だとは思うけども。24回のスプリントがどこで発揮されたのか、少々疑問だった。できました

倉田:中盤で長い距離を持たせてもらえたのが幸いで、持ち味を発揮できた。先制点のお膳立てだけでなく、カットインのうまさで何度かチャンスをつくった。ATのハンドは、シュートコースが開いた状態でブロックが間に合わなかったプレー。タイミングが違えば、やっぱりゴールだったと思うので、まあやむなし。よくできました

遠藤:ACLを見て浦和もマンマークつけてきたんだろうけど、柏木にはまだ荷が重かったのかな。脇を通すことで遠藤を動かしてギャップを作ろうという浦和の見立てを上回る(下回る?)動じなさだった。楽々とプレーしてはいたけど、2トップの問題があって、インサイドハーフへの短い配球がメインだった。よくできました

今野:中盤でのチェイスがメインタスクで、浦和のパスを何度も下げさせた。あれは頼もしかったし助かったなあ。その分、スプリント回数は激減し14回(倉田の半分)。なのにゴールシーンではしっかりあそこにいて槙野に競り勝った。よくできました

オジェソク:藤春に代わって左ウィングに。元気な関根君をよく抑えてくれただけでなく、ジョンヤのカバーも担当。先制点を生んだクロスも素晴らしかった。今季はアシスト何本か期待できそうですね。よくできました

アデミウソン:個人技で何度か沸かせるも、昨年のル杯決勝のようなことはそうそう起きない。長沢とも中盤とも連携不足で孤立しがちだった。もうちょい近いところでプレーしても良いのでは。もう少し

長沢:流れてボールを収める・・・も数回だけかな。ただ献身的な守備は相手GKの若干不安定な状態もあって

いらつかせるのに充分だった。できました

井手口:オジェソクに代わって入り、インサイドハーフに。突っ込むことはできても迷子になりがちで、効果的な仕事はできなかった。これでは出場時間が伸びないよ。もう少し

田尻:J1初出場が、緊急事態での登場。とはいえ、よく準備できており、すんなり試合に入れた。PKもコースをよんでいただけに惜しかったが。よくできました

赤崎:移籍後即出場。ATの投入で8回のスプリント。同点にして気勢の上がる浦和のビルドアップを丹念に追い込んで、なんとか勝点1確保の立役者に。よくできました