2010/3/6 ガンバ大阪vs名古屋「圧倒的じゃないか」

昨年度の試合の感想も、総括もぜーんぶ吹っ飛ばして、2010開幕戦のレビューを。

2010/3/6（土）

G大阪vs名古屋

万博観戦

GK藤ヶ谷

DF加地中澤高木安田

MF橋本明神遠藤二川

FWルーカスチョジェジン

大補強をしてきた名古屋は、元日に国立で見たのとは一見別のチーム。ただし、どうせサイド攻撃やろ、という見方は変わらない。

吉田がいなくなったのと、連係不十分の点で、開幕直後に当たったのはむしろラッキーだと試合前は楽観的。

ガンバができることは、左サイドの安田の取り扱い。サイドを封じるなら菅沼をセンターに入れてでも高木を左に、とも考えられたが、調子の良さを買われて、あるいは菅沼に不安を覚えて、中が高木、左が安田の起用。菅沼のJ先発は来年までないな、こりゃ。

前半は、期待に応えた安田が左で良い突破。守備でも貢献。運動量も多く「これなら代表イケる」の心の声。

名古屋は右へ左へサイドを揺さぶる。ガンバはパス交換から縦への突破を再三試みる。お互いの良さを出しながら前半15分、左の金崎から、ケネディのポストにあわせられ、飛び込んだ玉田のゴール。

まだチグハグ感の漂う名古屋だが、あのでかいターゲットを自由にさせたら、連係なんて関係なくなる。

ゲームが動き出したところで、名古屋は守勢に。田中マルクスの跳ね返しが続き、ガンバはこれでもかと続くCK。山口もおらず、体格でも圧倒されて完璧に守り続けられる。カウンターが怖いから、もういいよ、と思い出した20分、外へ掻き出されたボールを二川がミドル弾。

同点。

名古屋は金崎が右に張り出したが、どうもうまくいかず、ミスを連発。おかげで安田が試合中落ち込むこともなく、左サイドはかなり活性化。一方、右サイド加地はまったく上がれず。さして対応に追われてるわけでもないが、強いて言えば負傷中の中澤のケアか。

二川はもう一本枠内に行ったミドルがあったが、相手GKのセーブにあい、ルーカス、橋本も次々とミドルを放つ。相手も堅く崩せない、高さで負けて放り込めない、という状況のうえ、パスので出所でミスが多く飛び出せない。ミドルしかないのかな、というやむない事情。

名古屋はとにかく左右に振りながら、穴を探す感じ。

明神が傷み、高木の単純な跳ね返しに不安を覚えつつも、前半は1-1で折り返す。

後半、開始早々、遠藤がドリブルで持ち込んでビッグチャンス。天皇杯の再現かと思われたが、シュートはわずかに枠をそれる。厳しいところ狙ったのはわかるけど、リスペクトしすぎ。

これが後半二度しかなかった見せ場の一つ。

60分に運動量の少ない橋本を下げて佐々木を投入。

これでようやく加地が動き出したが、アタッキングサードよりも手前でのパス交換のミスですぐに相手のボールへ。

65分に入ってきた名古屋のダニルソンのアグレッシブさと献身的なプレーに完全に押されてしまい、ボールを前に運べなくなる。とにかく対応に疲弊させられる時間が続く中、失点もミスから。

後半は別人のように沈黙してしまった安田のミスから、いったんボールを奪った遠藤がクリアできずに絶好の位置でボールをプレゼント。

遠目には藤ヶ谷がかわされてゴールを決められたように見えたが、弾いたボールを押し込まれたのですね。あれだけ人が飛び込んでるのに、ガンバの選手がいない、というのがもうすべて。

その後も、圧倒的なボール支配の前に、ミスを連発してボールを失うだけのガンバ。腰のせいか明らかに動きの悪い明神と、集中力を切らした遠藤と、ミスですっかり落ち込んだ安田の三カ所でパスが切れる。

フレッシュな選手が必要だが、失点後も打開策を見いだせず引っ張り続ける監督。これで、よく2点ですんでるな、というのが試合中の感想。

80分にようやく安田が平井に代わったが、遅すぎたし、平井じゃどうしようもないというのもうなずけた。つまり交代しても仕方のない手しか残ってないのだ。

それでも83分には最後のビッグチャンス到来。相手のミスにも救われ、ジェジンの頭で落としたボールを再度二川がミドル！もポスト内側で無情にも跳ね返される。跳ね返りが佐々木の足元に収まるがクロスにあわせる者はなし。

名古屋は、ブルザノビッチ、そして千代反田と、トップレベルの選手が次々とクローズに投入される贅沢な展開。

一方のガンバはというと、新戦力ドドの投入も、ミネイロほどのインパクトは生み出せず、何も起きないまま、岡田主審の笛が吹かれた。

そう、お得意の、「終盤怒濤の猛攻を見せるもゴールは割れず、何となく惜しい感の漂う」敗戦、ではなく、淡々と勝者敗者の実力差を感じたまま、敗戦でした。

この「日の名古屋は、もちろんメンバーも超豪華。監督の選手交代も的確。なにより、選手の気合いが違った。それが、今年にかける意気込みなのか、単に元日のリベンジなのか、はこれから分かることだけど、少なくともこの試合では、スコア以上の圧倒的な力の差を見せられて、敗戦しました。ハイ、もうそうとしか言いようがございません。

採点します。

藤ヶ谷：キャッチングに数回ドキドキさせられたが及第点。失点はどちらも君のせいではない。よくできました

加地：守備に追われる時間が多く、しかも翻弄されていた。そろそろ日本最強右サイドという紹介はこっぱずかしいよね。もう少し

中澤：強行出場の甲斐もなく、センターでたびたびケネディを自由に。20本もあったCKで遠藤との呼吸もついに合わずもう少し

高木：安田outでどうなるかと思ったが、中のままでした。普段はつないでくれないので不満だが、今日は君のクリアとフィードの時間だけが安心できた。とはいえ2失点目はフォローを。できました

安田：前半で使い切ったか、後半は別人。というか消えてた。その不安定性が最大の弱点。高木はセンターで信頼を得たようなので、代わりには下平が待ってる。もう少し

明神：故障で運動量は少ないけれど的確なカットはしてくれた。最後は左サイドに張らされたが、いてもいなくても同じ状況でしたね。できました

遠藤：年に何度かの、いない方がよかった日。お疲れですね。代表休めないならガンバ休め。その方がマシです。もう少し

橋本：前半はスペースがあったように思うが、うまく連動できていなかった。遠藤の調子に左右されすぎる君の悪癖が出た。早々に代えられたのもやむを得ない。チャリティの前にプレーに精を出せ！もう少し

二川：キレキレ。後半は遠藤そっちのけで多人数で抑えに来られてしまったが、それでも違いを見せてくれた。去年の開幕のことを思えば、テンション上がるよね！是非牽引してください。よくできました

ルーカス：二川の陰に隠れたが、キレキレだった。ただし、またしてもゴールが遠のいた気が・・・早めに回復願います。最後のイエロー余計。減点。できました

チョジェジン：久々のスタメン！も、アタマからブラブラされるとちょいとなあ。他の選手の運動量が増えるので困るのよ。サブに逆戻り？もう少し

佐々木：突破で良いシーンは2-3度みせてくれたが、単発。相手の処理想定内でした。君のせいではない。最後のクロスは、美しかったがね。できました

平井：短い時間だったが、フレッシュさをもっとだして相手に脅威を与えて欲しかった。チャンスは少ないぞ！もう少し

ドド：秘密兵器のまま終わるのかな。宇佐美引っ込めてまでベンチ入りするような選手には見えなかったけど。評価なし