11/26 ガンバ大阪vs京都パープルサンガ ちゃんと。

今となっては、悲しい雨の思い出である。ガンバの下降線の始まりとなった第25節の甲府戦。

そして優勝が消えるかどうかのかかった試合となった今節も雨中のゲームとなった。

このゲームを、こんな状態(順位・勝点差)で迎えることになったのは、もちろん自分たちの失速によるのだから、しかたがない。怪我や病気で選手が欠けすぎた感は否めない。だが本来、対戦相手日程にも恵まれていたはず。前節の福岡戦に勝てなかった時点で、浦和の優勝をアシストしているも同然だ。

雨の中、ガンバはいつも以上に足下のプレー、低く早いボールにこだわる。スリッピーな状態を意識して、なのは分かるが、自陣内でのボール回し、特にバックパスでも同じような早いパスをつなぎ、危険なボールポゼッションが続く。大事に行こうとしすぎて、ゴールに背を向けたプレーばかりで、精度の低いバックパスを数本続けるうちに、ボールを奪われるシーンがひたすら繰り返される。

つまらない試合だ。雨の中万博競技場に詰めかけた客を、馬鹿にしている。

一方の京都は、出足が良く、早いプレスとガンバのミスでボールを奪うと、前線のパウリーニョと田原に素早くボールを配球。単純だが正確なプレー、とはいえ、京都には他に選択肢がないのも分かり切っている。ガンバのDFが対応できていないのは明白。ラインコントロール以外の学習能力はないのか宮本。そして10分持たずに先制点を決められる。

京都の運動量は予想外に早く落ちてきて、30分前後からプレスは弱まったが、ガンバのプレーはそれ以上に消極的な姿勢で、何も起こそうとしない。

京都はドン引きという風でもないが、とにかくエリア内で密集をつくるのがうまく、マグノアウベスも決定的な仕事が出来ない。マグノは引かざるを得ず、引いた状態でマグノがボールを奪うと、誰に出しても通らない、さらには前田や二川がボールを持ってもマグノが引いているので、明神にしか出せない。まったく何にも起きそうな予感がしなかった。

同点に追いついたのも、ゴール前でミートしなかったプレーが続き、自分がミスショット(空振りか?)したボールをマグノが、大黒を彷彿とさせる反転シュートで決めたゴール。京都DF陣が虚をつかれたプレーだった。

後半、実好と前田を下げ、中山と寺田を投入。実好は相手を自由にプレーさせすぎた。累積もないので思い切って行ってほしかった。前田は、今日は悪い動きではなかったが、戦術上の交代といえよう。

この交代が、攻撃的なメッセージだ、という西野監督の思いとは裏腹に、ガンバのプレーはさして変わらない。しかし、交代によって京都の混乱を招き、後半開始早々、マグノが自ら持ち込んでシュートを決め逆転。

さあ、次は三点目だ。浦和の結果はともかく、ガンバは勝つだけでなく得失点差を縮めないと。

しかしここからも、ガンバの攻撃は一向にペースアップせず。特にマグノは、意表をついているつもりか、中山や二川を使おうと、強引さが失せてしまう。京都のDFは中山への対応に困って、引っ張られがちだったので、マグノの自由度は前半より格段に増えていたのだが、それを生かせなかった。

中山にも何度か決定機は供給されたが、ゴールを決めることより、審判へのアピールが大事か。どうにかしようという気持ちがなく、ゴール前で簡単にあきらめてしまう。

時間が経過して、なんとなくこのまま終わってしまおうか感が漂い始めるが、それができないことは東京戦で証明済み。前半にもみられた、ゴールに向かおうとしない時間帯が続く。特に宮本のプレーは不安定で、そんなにオウンゴールしたいか、という危険地帯でのパス連発。京都は楽に前がかりになることができていた。

京都は、後半25分過ぎにアンドレと星を投入。全体の運動量は上がらないが、とにかくガンバが自陣でパスミスと消極プレーを繰り返すので、ゴールの匂いが徐々に高まってくる。アンドレの動きにも翻弄される。

そして同点ゴールのシーン。加地が自分のゴールを向いてボールを持ち、それを競る。ガンバはもう一人(明神?)競りに来るが、これも自陣ゴールに向かう方向からで、自陣ゴールとの間には誰もいない。競り合いの結果に関係なくピンチやないか。で、取られてパウリーニョに出されて、2-2の同点。

とにかく、ガンバ陣内ではガンバのゴールに向いたプレーをする選手が多くパスの方向も圧倒的にゴール向き。必然に近い同点ゴールだった。

その後も京都は攻め続ける。決定的なミドルを松代が防いだり、どちらかというと防戦一方で、カウンターを狙うガンバは決定力がない。家長の股抜きは一本も通らない。ゴール前ボールが出たぞ!と思ったら一番良いところにいたのが明神かあー。という感じ。

ロスタイムに入っても、同じようなシーン。マグノアウベスからゴール前の加地(寺田か?見えなかった)にボールが出たが、ワントラップが大きく、ゴール脇へそれる。家長に戻すが京都のゴール前は揃ってきて、あー、もう終わりかな。というところで、家長は軽くボールを上げる。テレビ画面では消えていたが、マグノがヘディングを狙っていたのだ。その精度はピタリ。勝ち越しゴール。家長の対面DFが股を閉じていたが、もし意識させるためにわざと股抜きのパスを試みていたならば、家長、すまん、謝る。

しかしガンバさん。もっと、ちゃんとしたプレーできたんじゃないか。シーソーゲームという点でハラドキ感はあったが、フットボールの試合としておもしろいもんではなかったぞ。

特に、早い段階でゲームを落ち着かせずに、三点目を本気で取りに行けば、大量点差での勝利もあったのではないかと、愚痴の一つも言いたくなるが。勝点同様、得失点差は、この試合だけでついたものではない。今日の勝利を素直に喜ぼう。

そして、FC東京のおかげで、浦和の優勝もお預け。最終戦を恥ずかしい消化試合にしなくて、よかった。

しかし、本当に90分通して、もっとちゃんとしようよ。

最後くらい。

次節、遠藤も播戸も帰ってくるのかどうか、分からない。しかし、仮にも優勝が決まっていない状態で、最終節に臨めるということを、大事な経験にしてほしい。

なぜ、そうなったのかも含めて、です。