ナビスコ準決勝「二兎を追うものは」
少しさかのぼりますが、ナビスコ杯の準決勝について
サポーターとしてどうなのかとは思うが、G大阪はナビスコでとっとと敗退して良かったと思っている。
正直、昨年ガンバはリーグ戦とナビスコの過密日程で苦しんだ。もちろん、タイトルへの渇望は、サポーターだけでなくチームにも強くあったため、全力で双方を戦っていた訳ではある。
しかしナビスコ決勝でPK戦で敗れた時には、このまま何も成し遂げられずに(タイトルがとれずに)、シーズンが終わるのではないかと、畏れを抱いた。
代表絡みの過密日程も一息ついて、J23節と24節には一週間空いた。
ナビスコの準決勝組を除いて。
今年の川崎Fは、シーズン開幕当初から、優勝争いを続けている点で、昨年のガンバよりも良いチームであると思っている。昨年は、首位に立ったチームが次々失速し、優勝ラインが下がり続ける現象があった。
「ふろん太」の怪しさも含めて、川崎は好きなチームである。
なぜ、マルクス選手を放出してしまったのか、理解に苦しんだが、代わって獲得したマギヌンは、チームにもすぐフィットしているようにみえ、一見チームの戦力は充分維持されているようであった。
今週、川崎Fは日曜にJ23節で対磐田戦、水曜にナビスコ対千葉戦、土曜にJ24節対G大阪戦を控えていた。
ナビスコと24節の対戦は確かに大一番、天王山、である。それを見据えてか、対磐田戦では、中村とマギヌンをスタメンから外して臨んだ。
私は、川崎はナビスコを獲りに来たのだと理解した。
今シーズン、中村とマルクス、または中村とマギヌンが、揃ってサブに回ることはなかったはずである。もしかしたら、どちらか一方が外れることもなかったのではないか。
今の磐田ならという、勝算があったのかもしれない。
しかし、敗れた。それは戦略として仕方がない。
G大阪サポーターとしては首位固めができて何よりだった。
サッカーファンとしては、一層ナビスコでの川崎-千葉戦が、楽しみとなったのだが・・・
しかし試合は、まるで千葉の方が前節選手を温存したかのように一方的だった。
前節同様、中盤は相手に走られ、回され、遠目から近目から、チャンスの山を気づかれる。ボールを追うこともできず、ファウルで止めることしかできない川崎。
川崎は攻撃的なチームである。そして、ポゼッションで守備機会を減らすタイプのチームではない。しかし、セカンドボールや、ルーズボールを確保する機会が減らされると、汚いプレーが多くなってしまう。幸い、頑丈な千葉相手と言うことで(?)けが人も出ず、前半は2-0で千葉リード。
後半、千葉の試合運びのまずさに助けられ、2-2に追いつきはした。しかし川崎の選手は、なぜ追いついたのか、冷静に判断できていなかったのではないか。
自分たちに勢いがある、と過信しているようであった。
後半から延長にかけては、どちらも主導権をとれずに、ダラダラと時間は過ぎていった。
偶然のチャンスとゴールを待って、プレーしているようであった。
今の千葉は、ある時点からカウンター、ロングボールを多用し始める。
それに対して、川崎は、押し込んで勝ち越せる、とばかりに、中盤を省略して、無駄に拙速で危険なプレーを繰り返した。
どうぞカウンターしてください、とでも言わんばかりに。
その繰り返しが、最後の危険なシーンを生みだし、ハンドの判定、PKとなったのではないか。
川崎のタイトル獲得は、一つ消えてしまった。
確率の高そうな一兎を追ったにもかかわらず、追い方を間違えたのではないか。
残念ではあるが、チームの経験値は格段にアップしたといえる。
それは、必ず生かせる、というものではないけど。